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1ドル120円で株価が「上がる企業」「下がる企業」 「トランプ円安」はこれからが本番
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/50450
2016.12.14 週刊現代 :現代ビジネス
100年に一度の「1ヵ月先が見える相場」…日本株が力強く上昇を続けている。最大の要因は、トランプ氏が当選を決めてからの「円安相場」だ。その恩恵を最大限享受する企業はどこか。「物づくり大国ニッポン」が世界から再評価されている。
(「上がる企業」リストは最終ページに掲載)
■株価のトランプタワーや!
ニューヨーク五番街。トランプ次期大統領の居宅がある高層ビル「トランプ・タワー」がそびえ立つ。それになぞらえてか、トランプ新政権の政策で株価がうなぎのぼりに上昇し、「株価のトランプ・タワー」ができるのではないかと、株式市場関係者から熱視線を送られている企業がある。円安で業績の大幅な好転が期待できる企業だ。
トランプ氏は10年間で1兆ドル(約114兆円)のインフラ投資を進めると明言している。
「竹内製作所に注目しています。この企業は世界で初めてミニショベルを作った会社で、今もこれが主力商品。北米では住宅向けに好調が続いています。同社の海外売上高比率(売上高に占める海外での売り上げの比率)は97%で、そのうち北米が51%です。ほぼ半分を北米で稼いでいるので、円安ドル高の恩恵は極めて大きい。
同社の想定為替レートは1ドル=100円なので、円安がこのまま1ドル=120円まで進めば、業績は大幅な上方修正も期待できます。目標株価は今から約2割増しの3000円」(アセットマネジメントあさくらシニアアセットコーディネーターの芥川達男氏)
海外で自動車を大量に販売している自動車メーカーも円安の恩恵に預かれそうだ。なかでも多くの専門家が期待するのが、富士重工業だ。絆アセットマネジメント代表の小沼正則氏が言う。
「当社では円安によって株価がどのくらい値上がりするか、主力銘柄について過去3年間の株価と為替の動きをデータベース化し、相関関係を調べています。その結果、円安の影響で一番株価が上がる業界は、自動車メーカーでした。なかでも、富士重工業は最も相関関係が強く、『0・8』という数値になっています。同社の株価は円安によって8割が決定づけられるイメージです」
同社のスバルは北米でブランド力が強く、米国の景気が回復すれば、売り上げ増も期待できる。目標株価は現在より15%増の5500円と小沼氏は設定した。
世界のトヨタ自動車も円安が追い風になりそうだ。楽天証券経済研究所アナリストの今中能夫氏が解説する。
「トヨタ自動車は1円の円安で約400億円の為替差益が出ます。想定為替レートは1ドル=100円ですから、現状の円安が続けば、下期だけでも2000億円以上のメリットが出てきます。
本田技研工業は、昨季はタカタのエアバッグ問題で関連経費を計上し、その反動から今期は増益見込みでした。円高などによる影響で売上高は下方修正したものの、営業利益は6500億円と増益の見通しを発表しています。これに為替差益が発生すれば、通期で7000億円台の営業利益も見えてきます」
自動車メーカーがすべて円安の恩恵を受けるわけではない。トランプ次期大統領の政策によっては、業績悪化の懸念をもたれている企業もある。
「マツダに関しては円安のメリットというよりも、むしろトランプ氏が言うように、北米自由貿易協定(NAFTA)が見直され、メキシコから米国への輸出に高い関税がかけられるのでは、という懸念が材料視されがち。他の自動車メーカーと明暗を分けることにもなりかねません」(マネックス証券チーフ・ストラテジストの広木隆氏)
トヨタ自動車や本田技研工業もメキシコに工場を持つが、主要拠点は米国内にあるため、NAFTA見直しの影響は少ない。'20年に向けて、メキシコでの生産計画を増強したばかりのマツダにとってリスクが大きいというわけだ。
むしろ、自動車部品を提供するメーカーのほうが円安のメリットは大きいかもしれない。
「自動車・建機メーカー向けにラジエーターなどの熱交換器を製造しているティラド。大排気量に強みがあるため、米国の景気がよくなり、大型車が売れるようになると追い風になります。株価は250円弱とまだ低く、目標株価は倍増の500円まである」(100ten.スクール株式担当講師の蔭山あずさ氏)
「プラグや自動車用各種センサーなどの製造・販売が主力の日本特殊陶業は、エンジンを点火させる部品と排気ガス浄化システム用制御装置の酸素センサーで世界トップ企業です。世界各地に拠点があり、海外売上高比率は84%と高い。円安だった昨年6月の株価は3900円で、今年7月には半値以下にまで下落しています。最近の円安で2500円近辺にまで戻していますが、今後、1ドル=120円になれば3600円を目指してもおかしくない」(金融・経済アナリストの津田栄氏)
「今後、自動車関連で業績の好転が期待できるのが、ルネサスエレクトロニクスです。車載用のマイコンを生産していて、トランプ氏が米国内での自動車生産を拡大させる方針を打ち出しているので、その影響で輸出が増える。為替の影響もあり、収益は大幅に拡大していくでしょう」(グロースアドバイザーズ主席アドバイザーの山本伸一氏)
1ドル120円を超えた昨年5月の日経平均は2万円を上回った〔PHOTO〕gettyimages
■1ドル=125円まで行く
12月中には米国の中央銀行にあたるFRB(連邦準備制度理事会)が利上げをする見通しが強く、少なくともトランプ氏が大統領に就任する1月20日までは円安傾向が続くと見られる。つまり、現在のマーケットは1ヵ月先が見通せる千載一遇のチャンスなのだ。
しかも、日本個人投資家協会理事の木村喜由氏は「1ドル=120円」も通過点だと言う。
「インフラ投資に加え、共和党は4兆ドル規模の大型減税を基本方針にしています。この両方が現実的になると、財政赤字は大幅に膨らみ、米国の長期金利は必然的に上昇する。ドル円相場は日米の長期金利差に連動するため、為替は円安に動きます。したがって、今年の年末には1ドル=115円前後、来年早々に120円を突破して、昨年の1ドル=125円を超えるのは間違いない。
狙い目は海外売上高比率が高い企業です。複合機中堅のコニカミノルタは81%と非常に高く、為替が円安にふれると業績が大きく改善します」
もちろん、円安は日本企業にとっていいことばかりではない。海外から商品を輸入して国内で販売する企業は、仕入れ値が上昇するわけで、それは業績悪化に直結する。
「紙・パルプ業界や食品業界にとって、円安はデメリットです。代表的な銘柄として紙・パルプなら王子ホールディングス、食品では日本製粉が挙げられます」(フィスコ情報配信部株式チーフアナリストの佐藤勝己氏)
これまでの円高で株価を上げてきた企業も、一転して株安に見舞われそうだ。経済アナリストの田嶋智太郎氏が言う。
「家具・インテリア小売りのニトリホールディングスは1ドル=104円台だった円高局面では株価が高くなっていましたが、現在は低迷しています。同社は商品の輸入比率が8割を超えているため、販売が好調でもこれ以上の円安は厳しい」
円安に加えて、その企業独自の懸念材料がある場合も業績は低迷しそうだ。吉野家ホールディングスを挙げるのは、前出の芥川氏である。
「米国産牛肉だけを使っているため、ドル高がダイレクトに収益を圧迫します。さらに中国が狂牛病を理由にこれまで禁止してきた米国産牛肉の輸入を13年ぶりに認めると発表し、価格が上昇していることも懸念材料です。かといって、国内の消費者心理を考えると、商品価格は上げにくい。現在、株価は1550円前後ですが、下値のメドは1300円です」
内需企業にとっては、原油価格の上昇も不安材料となりそうだ。11月30日、OPEC(石油輸出国機構)は原油価格の上昇を図るために、8年ぶりの減産で合意した。その結果、ガソリン価格がじわりと上昇している。
「原油高と円安がダブルで直撃しそうなのが、ヤマトホールディングスです。宅配業務の流通量は増えていますが、人手不足が深刻化しており、人件費も上昇傾向にある。アジアなどでの海外事業も積極的に進めていますが、海外売上高比率はまだ2%と低く、円安メリットが出る段階にありません。下値のメドは2000円」(前出・蔭山氏)
円安が日本企業の明暗を分ける。本文で言及できなかった企業は表に掲載した。じっくり検討してほしい。
「週刊現代」2016年12月17日号より
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