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今年の漢字は『金』
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2016年12月12日 在野のアナリスト
今年の漢字は『金』でした。これで『金』は3回目ですが、五輪は金メダルだけではないはずなのに、五輪イヤーで金が選ばれるのは、日本では毎年のように政治とカネの問題があり、そこに重なるためかもしれません。安倍首相と菅官房長官は『動』を推しましたが、10位以内にも入っておらず、それでは国民も首を傾げます。政治的にも前半は参院選を睨んで通常国会は安全運転、選挙も凪、日露交渉が動くかどうかはまだ未知数です。それで何で『動』なのか? 理解に苦しみます。
個人的に今年の漢字は『札』です。舛添前都知事のせこさ、それに反比例して膨らむ五輪関連予算、豊洲問題、それに自衛隊の駆けつけ警護も始まりますが、『札』には公文書の意味もあり、公のだす文書のもつ意味が改めて問われた1年にも感じられるからです。お札という意味なら格差の拡大、そしてインドの高額紙幣の廃止。カードという意味ならトランプ米大統領の誕生、となるでしょう。また経済的には日銀が量的緩和を拡大したことも紙幣を刷りまくる印象を強めましたが、次のカードが量的緩和から金利調整だった、という点もあります。赤字国債の増発、も『札』には含まれますし、補正予算が年前半に2度も組まれる点も、お札をばら撒くイメージをより強めました。
内閣府発表の10月の機械受注が、前月比4.1%増と3ヶ月ぶりに増加に転じました。しかし内訳をみるとやや印象が異なり、製造業受注額は1.4%減、非製造業受注額が4.6%増と、非製造業が伸びた形であり、中でも発電機や農林機械、建設機械などが伸びた。恐らくTPP対応として組まれた関連予算を狙ったものや、補正予算が早かった影響もあるのでしょう。
しかし日本産業機械工業会が発表した10月産業機械受注額は前年同月比24.6%減と、ちょっとショッキングな数字です。内需が19.2%減と官公需の需要が剥落、外需も米国向けが70.6%減、欧州向けが90.6%減、米大統領選待ちだったとは言え、先進国大丈夫か? と不安になるレベルです。そして必ずしも二つの指標は同じではありませんが、この傾向の差は気になります。トランプ相場が発動する前とはいえ、企業マインドは冷え切っており、それが反映された側と、されていない側で、捉え方を間違えると経済の見方が大きく食い違うことにもなってしまうのでしょう。
今年の前半には熊本地震がありました。崩れた熊本城が衝撃の凄まじさを物語りましたが、ここは戦国武将である加藤清正が難攻不落に改築したお城です。その姿をみて『清く正しく』という心まで崩れたようで、この国からそうしたものが失われたことを、象徴的に示したのかもしれません。『札』をカードとすると、今のIR法案に通じるかもしれない。ほとんど審議もせず、数だけで通してしまう今の国会に、『清く正しく』の態度は微塵も感じられません。
酔わせて女性を襲う、という事件も多発していますし、障碍者施設を襲撃したり、高齢者による危険運転など、不条理な事件も問題になった年です。政治が乱れれば、国民にもそれが伝播する。上手いことをやった者が得をする、そんな風潮が蔓延すれば、この国から『清く正しく』という言葉は死語になってしまうのかもしれません。甘利前経済再生担当相が不起訴になったことなど、国民にとって悪いことをしても罪に問われない、とする意識を芽生えさせることになったのでしょう。日本人がこれまで徳、としてきたものが崩れ始めた年。これはことしお『札』でも貼って、厄除けでもしない限り、来年は恐ろしい災厄を招くことになるのかもしれません。『札』という字は木を薄く削る、という象形になっています。今年は日本の良い部分が削られ、薄っぺらい国になってきた、ということでもあります。ちなみに札レイ(レイはがんだれに萬)と書くと、病気や若死にを意味します。今年、日本は突然死を免れましたが、日銀の無理が祟ると、そのうち突然死する怖れもでてくるのでしょう。残念ながら、政治にはその認識がなく、よい指標しかみていないのですからいつそうなっても可笑しくありません。来年、よい言葉が世相を表すようでないと、本当に危険な水準に来ているといえるのでしょうね。
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