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トランプタワーで会談後(C)AP
ソフトバンク孫社長が抱く「カジノ参画」の大いなる野望
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/195371
2016年12月9日 日刊ゲンダイ
ソフトバンクグループの孫正義社長が6日(日本時間7日)、ドナルド・トランプ次期米大統領と電撃会談。孫社長は、米国への巨額投資と雇用創出を約束したと明かした。米国での事業拡大戦略を描くが、その実、現在、日本の国会で解禁目前の「カジノ参画」の野望もありそうなのだ。
孫社長はトランプに、米国の通信関連の新興企業などに対し約5兆7000億円もの投資を行う方針を伝え、米国で5万人の新規雇用をつくると約束した。
孫社長の狙いは米国での携帯電話事業の拡大とみられている。2013年に買収した米携帯電話3位の「スプリント」と、同4位の「TモバイルUS」を合併する意向だったが、市場の寡占化を懸念した米規制当局の承認が得られず、14年に頓挫。以降、米国での携帯電話事業は不振にあえいでいる。
そこへ、トランプの大統領就任が決まり、規制緩和が進む可能性を見いだしたわけだ。孫社長自身も報道陣に「規制が緩和され、いろいろなチャンスが出てくるのではないか」と期待感を隠さなかった。
もっとも、そうした“表”の狙いとは別の野望も見え隠れする。目下、日本の国会で関連法案が審議され、解禁へ向かう「カジノ」への参画である。
たった6時間弱の審議で衆院を通過した「カジノ解禁法案」は7日、参院で審議入り。週内成立もという異例のスピード審議の理由のひとつは、本紙11月30日発売号で既報の通り、安倍政権によるトランプへの“ゴマスリ”だ。
■トランプの“大スポンサー”とは旧知の仲
カジノ解禁を急ぎ、トランプとその大スポンサーを喜ばせようということなのである。世界最大級のカジノを運営する米ラスベガス・サンズのシェルドン・アデルソン会長は大統領選中にトランプに約27億円を寄付し、約55億円もの経費がかかるという「大統領就任式典」の運営委員も務める。「日本でカジノ解禁となれば1兆円規模を投資する」とメディアに発言するほど、日本進出に意欲を燃やしている。
そのアデルソン会長だが、実は孫社長とは浅からぬ関係にある。アデルソン会長は70年代後半に設立したコンピューター関連の展示場「コムデックス」を、95年に約970億円でソフトバンクに売却。その資金を元手にカジノビジネスを始め、大成功した。その上、14年2月に来日した際は、日本でのカジノ進出に意欲を示し、「提携先は孫氏のようなリスクテーカーがいい」と名前まで挙げている。アデルソン会長にとって孫社長は“恩人”であり“ビジネスパートナー”。旧知の仲なのである。
アデルソン会長とのカジノ参画――。ソフトバンク広報室は「そういった話は聞いていません」と返答したが、経済ジャーナリストの真保紀一郎氏はこう見る。
「孫氏は起業の際、パチンコ関連への参入を検討したといわれています。パチンコとカジノをイコールで結びつけることはできませんが、全く無縁ではありません。ただ、『情報革命』を掲げる孫氏が表立って『カジノ参入』を表明すると、業界関係者からの失望を招きかねません。そのため、アデルソン氏と第三者の『橋渡し役』として、カジノビジネスに関与する可能性が考えられます。例えば、孫氏の『盟友』であるHISの澤田秀雄社長は現在、佐世保市のハウステンボスへのカジノ誘致を検討している。澤田社長にアデルソン氏のビジネスを紹介するといった具合です」
7日の会談後、孫社長は報道陣に「トランプ氏とは面識があったのか」と問われると、「『共通の友人』からの紹介」と答えた。「共通の友人」が誰なのかは不明だが、既に水面下の動きが始まっているのかもしれない。
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