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東大
中国人留学生だらけになった東大 「爆留学」の到来 〈週刊朝日〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20161207-00000209-sasahi-soci
週刊朝日 2016年12月16日号
人口減少、経済成長率0.5%、原発問題など難題が山積し、あまり元気がない日本。だが、米国より日本を目指す中国人が最近、増えているという。「爆買い」ではない。「爆留学」や「爆就職」という新たな潮流が押し寄せ、日本社会を闊歩しているのだ。ジャーナリストの中島恵が現状を取材した。
「日本の早稲田大学は中国共産党の創始者が留学した大学なので、私の老家(田舎)でもすごく有名。もし私が早稲田の学生になれたら、一生友達や親戚に自慢できますよ!」
頬を赤らめながら話す黒髪の女性、陳静(仮名)はまだ19歳。中国河南省にある高校を卒業後、中国の大学入学試験は受験せず、日本での進学を夢見て昨年来日した。
彼女は日本語学校に籍を置きながら、後述する中国人専門の大学進学予備校にも通うダブルスクール族。2校合わせて学費は年間150万円に上り、それ以外に生活費もかかるが、故郷に住む両親はかわいい一人娘のため、喜んで留学資金を出してくれたという。
拙著『中国人エリートは日本をめざす』(中公新書ラクレ)の取材のため訪れた予備校で、私はこんな話を聞いた。
今、彼女のようにわざわざ来日して、日本の難関大学進学を目指す中国人がじわじわと増え続けている。
独立行政法人・日本学生支援機構(JASSO)によると、2015年の中国人留学生数は約9万4千人と全外国人留学生中トップ。全体の約45%に上り、第2位のベトナム人(約3万9千人)を大きく引き離している。留学生の2人に1人が中国人という計算だ。
東大、京大、一橋、東工大、早稲田、慶應義塾……。そうそうたる大学名と合格者名が書かれた紙を壁一面に貼り出しているのは東京都新宿区にある中国人向け大学進学予備校「名校志向塾」。
09年に設立した同塾に通う中国人は約1600人。その多くがこれらの難関校を目指して日夜勉強に励んでいる。コリアンタウンとして有名な大久保を中心に、新宿区内には中国人向け進学予備校は10校以上もあり、5千人以上が通っている。
「はい、では次、230ページを開いてください」
教室内に若い中国人講師の声が響き渡る。見渡したところ学生はざっと20人。理系の難関校受験向けの化学のクラスだ。授業は母国語の中国語、教科書は中国語と日本語の両方を使用している。
同塾の社長、豊原明(中国福建省出身で日本国籍を取得)によると、母国語で授業をしたほうが理解が深まるからで、日本語学校の授業とかぶらないよう、主に夜間や週末を中心に授業のカリキュラムを組んでいるという。
難関校を受験する学生の一部はVIPコースを選択。マンツーマンで指導する個人授業のことで、1時間当たり1万〜1万5千円の授業料を払い、敏腕講師から特訓してもらう。全学生のうち約50人がこのコースに通っている。通常の授業料に加え、VIPコースの料金を上乗せして支払うので、親にしてみたら相当な出費だが、それでも「日本の有名大学に進学したい、という学生は後を絶たないですよ」(豊原)というから驚きだ。
中国にももちろん、北京大学や清華大学といった難関大は存在する。それなのに、なぜ彼らは日本の大学に進学したいのか。
背景には中国国内の過酷な受験戦争と中国人の経済力の上昇、それに伴う海外留学ブームがある。
中国の大学入試は1年に1度。毎年6月に2日間、全国一斉に行われる統一試験だ。日本のように試験日の異なる私立大学があるわけではなく、浪人も一般的ではない。
統一試験でよい成績を収めなければ、希望の大学に進学することはできない。人口が日本の10倍以上の13億7千万人なのに、一流といわれる大学数が限られている中国では、大勢の人がそこに殺到し激戦となる。一流大学に入学できなければ、よい就職も望めず負け組になりかねない。
中国特有の複雑な戸籍制度も関係している。中国の戸籍は都市戸籍と農村戸籍に分かれており、農村から都市への移動は制限されている。それに伴い、省ごとに各大学の入学者数が決められており、農村出身よりも都市出身者のほうがよい大学に進学しやすい傾向がある。
そうした大学受験に伴う不公平もあって、中国で一流大学への進学は難しいと判断し、かつ両親に経済力がある場合、いっそのこと中国の大学はやめて海外の一流大学を目指そうという動きが高まっているのだ。
その第1候補はやはりアメリカだ。米国国際教育研究所(IIE)の調査によると、14〜15年度にアメリカ留学した中国人は約30万4千人と、アメリカの留学生全体の約3分の1(2位はインド人、3位は韓国人の順)で、日本への留学生の約3倍だ。中国のGDPが2ケタの伸びを示すようになった00年代以降、上昇し始めた。
また、英タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)が発表した世界大学ランキング(16〜17年)を見ると、1位は英オックスフォード大学、2位は米カリフォルニア工科大学、3位は米スタンフォード大学の順で、やはり欧米の大学が圧倒的に人気。
アジア勢では24位にシンガポール国立大、29位に北京大が入っており、東大は39位。ランキングを見る限り、日本の東大は世界的に見て上位ではない。それなのになぜ、日本に留学したい、という声が高まっているのか。
北京大を卒業し、東大大学院博士課程に在籍する朱偉(仮名・26歳)の回答はこうだ。
「北京大が東大よりもランキング上位? そんなの中国人は誰も信じないですよ。そもそもイギリスの会社が発表したランキングで、評価基準は曖昧で欧米有利。教授の英語論文の数では日本が不利なのは当たり前だし、英語で学位が取れるコースも日本はもともと少ない。でも、少なくとも教授の質という点で東大はアジアでナンバーワンだと自分は思います。少なくとも北京大学を卒業し、アジアでの進学を考えるなら、香港大やシンガポール国立大よりも東大に行きたいと望むはずです」
他の学生からも「香港大、シンガポール国立大は英語メインなのでランキングがアップしやすいだけ」と切り捨てる声が多い。
自分が日本に留学しているからそう答えるのでは?とも考えられるが、アメリカ在住の中国人からも「アメリカより日本の大学に進学している人のほうが幸せで健康そうに見える」という興味深い意見を聞いた。
中国の理系トップ、清華大学を卒業し、米東部の一流大学の大学院に進学した段夢影(27歳)はこう話す。
「アメリカでの中国人同士の足の引っ張り合いはものすごいですよ。中国で秀才といわれた負けず嫌いのプライドの高い人たちが、中国での競争をそのままアメリカに持ち込むのです。私は友人を罠にはめて蹴落とそうとする人を大勢見てきました。そうしないと、中国人が多すぎるアメリカでは生き残れないから」
「でも、日本への留学は違う。東大や京大には一流の教授がいて面倒見もいい。それに日本人はアメリカ人のような人種差別はしません。中国人留学生もアメリカのようにウヨウヨいるわけではないので、日本ではまだ希少価値だし、足の引っ張り合いも少ない。日本は社会が穏やかで生活しやすい。つまり、ランキングだけでなく総合的に判断して、日本に留学したいと思う中国人は多いのです」
西海岸の一流大学大学院で学ぶ男性、王剣翔(25歳)も同意する。
「アメリカには金持ち中国人を当て込んだ専用の修士コースがあります。でも、そんな中国人向けコースを修了したって恥ずかしいだけ。それよりも距離的に近く、学費もアメリカの7分の1〜8分の1と安く、夜道も安心、食品も安全。同じ漢字圏で文化的にも近い日本のほうが断然いいという意見が多いです。私の場合は数学専攻で、アメリカに私の専門分野に合った教授がいたのでアメリカを選んだのですが、私たち90后(90年代生まれ)の中国人は日本のアニメに親しんで育ち、日本に憧れの気持ちを持ってきました。だから、経済的に豊かになった今、日本に留学したいと願う若者が増えたのは、ある意味で当然だと思います」(文中敬称略)
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