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佐川急便社員自殺で労災認定、ドンキは異常な長時間残業で書類送検、関電で過労自殺(Business Journal)
http://www.asyura2.com/16/hasan116/msg/456.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 12 月 07 日 00:55:55: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

               ドン・キホーテ店舗(撮影=編集部)


佐川急便社員自殺で労災認定、ドンキは異常な長時間残業で書類送検、関電で過労自殺
http://biz-journal.jp/2016/12/post_17396.html
2016.12.07 文=横山渉/ジャーナリスト Business Journal


 今年で第5回となる「ブラック企業大賞」のノミネート企業が発表された。ノミネートされたのは、電通、ドン・キホーテ、関西電力、佐川急便など10社。12月23日(金)に行われる“授賞式”で、この10社の中から“ワースト企業”である大賞ほか各賞が発表される。誰でも事前にウェブサイトから投票することもできる。

 ブラック企業大賞は、日常的に労働相談に取り組んでいる弁護士や市民団体、ジャーナリストなどで構成された企画委員会によって実施されている。ブラック企業の定義について、企画委は「労働法やその他の法令に抵触し、またはその可能性があるグレーゾーンな条件での労働を、意図的・恣意的に従業員に強いている企業」「パワーハラスメントなどの暴力的強制を常套手段として従業員に強いる体質を持つ企業や法人」としている。

 竹信三恵子委員(和光大学教授)は、企業のノミネート理由の多くが長時間労働やパワハラだったとしている。「日本の会社のよくある労務管理の仕方がつもりつもった結果という事例が多かった。当たり前だと思っていた積年の体質が問題点としてきっちり表面化して来た」とまとめた。

■過労自殺、異常な長時間労働が横行

 では、今年ノミネートされた10社について具体的に何が問題だったのか、簡単に紹介する。

 JASDAQ上場の棚卸し代行業者、エイジスは従業員63人に月100時間超の残業をさせていたとして、千葉労働局から是正勧告を受けた。また、厚労省から行政指導を受け、全国で初めて企業名が公表された。

 電通では、新入社員だった高橋まつりさん(当時24歳)が昨年末に過労自殺した。今年11月7日には同社に東京労働局の強制捜査が入り、大規模な家宅捜索が行われた。

 ドン・キホーテは都内の従業員6人に違法な残業をさせていたとして、書類送検された。ひどい例では、3カ月で415時間の時間外労働もあった。

 プリントパックは「ネットでいんさ〜つ」のテレビCMが有名だが、2013年に労働組合が結成された後、組合員に対する配転命令やボーナスを支給しないなどの扱いをしていた。今年7月に京都府労働委員会から不当労働行為と認められた。

 関西電力では、高浜原発1、2号機の運転延長申請を担当していた管理職の男性が今年4月に自殺した。過労自殺として労災認定された。1カ月の残業が200時間を超える月もあった。

 佐川急便では、経理などを担当していた男性社員が2011年、うつ病で自殺した。男性は「上司にツバをかけられたり、エアガンで撃たれたりするんですが、コレってパワハラ?」とSNSに投稿していた。また、男性は退職を願い出るも上司は「そんなの関係ない」と残務処理を指示していた。仙台地裁は労災を認定した。

 サトレストランシステムズは「和食さと」「すし半」「さん天」などを展開する飲食チェーン大手。従業員に違法に時間外労働をさせ、残業代の一部を支払わなかったとして、労働基準法違反の疑いで、さん天事業推進部長や店長4人らが書類送検された。

 宗教法人の仁和寺では、元料理長の時間外労働がほぼ毎月140時間以上だった。また、年間の勤務日数が「356日」で、そのうち349日は連続出勤だった。元料理長は慰謝料などを求めて提訴し、京都地裁は今年、訴えを認めて約4200万円の支払いを命じた。

 ディスグランデ介護(茶話本舗FC企業)は大手デイサービス「茶話本舗」のランチャイズ&limit=20">フランチャイズ店舗。今年、従業員に対する賃金未払いなどを理由に労基署から是正勧告があった。人手不足で休憩時間がほとんど取れない状態だった。

 日本郵便では、10年12月にさいたま新都心郵便局の集配営業課主任がうつ病で自殺、2014年には新城市の郵便局勤務の男性がやはりうつ病で自殺した。業務上の過重なストレスや職場での嫌がらせが原因だった。

■ブラック企業撲滅には何が必要か

 企画委の佐々木亮弁護士は筆者の取材に対して、「ブラック企業をなくすには、労働時間の上限の設定が必要」だと語った。そして、佐々木氏が提案するのが「勤務間インターバル」の創設だ。これは終業時刻から次の始業時刻までの一定時間、休息を取らせることを義務付けるもので、たとえば3時間残業したら翌日は出勤を3時間遅くする。日本ではどんなに夜遅くまで残業しても、翌日は定時出社を求められる。これでは睡眠不足になりやすく、体の疲れは溜まっていくばかりだ。睡眠不足はうつ病に罹患するリスクも高まる。この勤務間インターバルという方法は、日本ではまだなじみがないが、ヨーロッパでは導入例が増えている。

 ただ、どんな制度を採り入れても、勤務表やタイムカードを改ざんしていたら効果はまったくない。電通にもそういう実態があったと報じられている。法令違反の企業には厳しい制裁が必要だ。佐々木氏は「企業名の公表が有効」としている。

 しかし、企業名公表について国は消極的だ。NPO法人が過労死企業の企業名を公表するよう情報開示請求したことがあったが、国は不開示とした。さらに、別のNPO法人が訴えたところ、12年の大阪高等裁判所では「不開示は適法」との判決が出ている。

 佐々木氏は、法令違反をしたり過労死社員を出したりした企業について、公的事業(国や地方公共団体)への入札の参加を一定期間禁止すべきと言う。

「税金を使って行われる事業を、法令違反している企業に請け負わせるのは馬鹿げています。この規制は、都市部や地方を問わず、下手な助成金を出すよりもよほど効果があります」

 もし、この制裁が制度化すれば、ゼネコンなら公共事業の請け負い、IT関連ならパソコンの納入ができなくなり、システムの保守・メンテナンス業務からも外されることになる。20年の東京オリンピック関連事業をすでに請け負っている電通に対しても、撤退を求める声が出る可能性が大きい。

 佐々木氏が指摘するように、こうした制裁が制度化すれば、企業としては死活問題につながるだろう。常態化してしまっている日本の長時間労働の感覚を変えるには、このくらいのショック療法が必要だ。

(文=横山渉/ジャーナリスト)


 

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