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ドルが準備通貨でなくなる日は到来するか
By JAMES MACKINTOSH
2016 年 12 月 5 日 13:39 JST 更新
作家のライオネル・シュライバーは今年6月出版した小説で、無能な米大統領が貿易戦争を起こし、世界がドルの使用をやめた後で米国が深刻な不況に陥るという反ユートピア的未来を描いた。
その小説「ザ・マンディブルズ:ア・ファミリー 2029-2047」は今から13年後に始まる話だが、現実の次期大統領はドルが準備通貨としての地位を失う日の到来を早めるのだろうか。
市場は心配していない。トランプ氏が大統領選挙で勝利してからドルは急騰し、米インターコンチネンタル取引所(ICE)算出のドル指数は先進国通貨バスケットに対し4%、新興国通貨に対してはそれ以上に上昇している。
ただ、トランプ氏の政策や過去の発言が現実化すれば、資産逃避先としての米国の魅力は損なわれる。海外投資家が満額償還に疑いを持ち始めたら、各国外貨準備の米国債への依存度は低下する恐れがあり、そうなれば米政府の借り入れコスト上昇やドル下落を招くだろう。指導者のスタイルがより大衆迎合的になることで、海外投資家が熱望する法の支配も脅かされる可能性がある。
国際通貨基金(IMF)は米政府債務残高が昨年の国内総生産(GDP)比105%に達したとしたが、トランプ政権では税率引き下げとインフラ支出増で同比率はさらに拡大しそうだ。
トランプ氏は選挙中、債務コスト引き下げのため「取引をする」ことができ、中国から莫大な借金をしている米国には中国に行使できる大きな力があると述べ、極端な選択肢の存在をほのめかした。どちらの場合もトランプ氏はデフォルト(債務不履行)の選択肢を否定したが、デフォルトがないのであれば債権者は全額償還以外の選択肢を受け入れる理由などない。
英金融大手HSBCのシニア経済アドバイザー、スティーブン・キング氏は、ニクソン元大統領が金1オンスと35ドルとの交換を停止した際にもドルの準備通貨としての地位が揺らいだと指摘する。
「ドルに金と同様の価値があると考えドルを購入していた多くの海外勢は、そうではないことに気付いてしまった」とキング氏は言う。
ところがその数年後、ドルは最有力準備通貨の地位を回復、強化した。今日、ドルは外貨準備高に占める比率や貿易決済としての地位でユーロ、円、ポンド、まだ準備通貨の歴史が浅い人民元などを圧倒している。
その結果、ドルには世界が買う紙幣を印刷する権利(フランスの元財務相でのちに大統領になったバレリー・ジスカールデスタン氏はそれを「法外な特権」と呼んだ)を保有していることになる。コンサルタント会社マッキンゼーのシンクタンク部門、マッキンゼー・グローバル・インスティテュートは2009年、外貨準備金として、またはドル建て貿易のため海外保有されているドルが米国に年間100億ドルの収入をもたらしたと見積もった。海外の追加需要を受けた米国債利回り低下は、さらに年間900億ドルの価値を生んでいる。反面、危機が発生して準備通貨の価値が高まれば輸出にとって打撃となる。
ドルへの脅威は明らかだ。格付け会社フィッチ・レーティングスで欧州、中東、アフリカのソブリン格付け責任者を務めるエド・パーカー氏は、ドルの準備通貨としての地位が少しでも損なわれれば、膨大な政府債務があるにもかかわらず維持されている米国の最上位格付けが脅かされるだろうとしたうえで、「米国の債務許容度が例外的に高いのは世界の金融システムでドルが果たしている役割とその市場の厚みのおかげだと考えている」と説明する。また、「ドルがその役割を失うというのは想像し難いが、長期的に役割が低下している可能性はある」という。
ただ、市場がこの脅威を無視できるには理由がある。少なくとも現在、これに勝る通貨が存在しないことだ。IMF金融研究部門責任者を歴任し、コーネル大学で貿易政策を教えるエスワル・プラサド教授は必要な規模で外貨準備高を吸収できる市場は米国しかないと指摘する。
「他に頼れる国がないのが厳しい現実だ」と同教授はし、「数十億ドルならユーロ、円、金での保有も可能だが、数千億ドル規模だと他に行き場はない」と語る。
ドルに代わる準備通貨として人民元はよく取り上げられるが、市場の混沌、不完全な法の支配、一党独裁不安定化の危険性など踏まえると少なくとも今は莫大な準備高にふさわしい選択肢ではない。
ドルへの最大で長期的な危険は、米国が世界の警察官の役割から退くことかもしれない。ポンドが世界通貨としての価値を失い始めたのは第1次世界大戦で英国が壊滅的損害を受けてからで、第2次大戦後に超大国から陥落するとそれは決定的なものとなった。
HSBCのキング氏は「トランプ氏がより広い意味で米国凋落の兆候なら、最終的にはドルが準備通貨としての地位を徐々に失うという形で反映されるはずだ」としつつ、「ただ、それは10年単位の現象であり、次期大統領の任期中ではない」と述べた。
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米FRB、来年は2回の利上げ実施の見通し=ブラックロック
12月2日、米ブラックロックはFRBは今月のFOMCで予想通りに利上げを決定した後、来年は少なくとも2回の利上げを実施する公算が大きいとの見方を示した。写真は2015年9月、ワシントンのFRBビル前で撮影(2016年 ロイター/Kevin Lamarque)
[ニューヨーク 2日 ロイター] - 米資産運用大手ブラックロックは2日、米連邦準備理事会(FRB)は今月の連邦公開市場委員会(FOMC)で予想通りに利上げを決定した後、2017年は少なくとも2回の利上げを実施する公算が大きいとの見方を示した。
ブラックロックのグローバル債券部門最高投資責任者(CIO)、リック・リーダー氏は声明で、朝方発表された11月の米雇用統計は一部アナリストの予想ほど堅調ではなかったものの、「FRBが今月の会合で利上げに踏み切るのはほぼ間違いない」と指摘。
そのうえで、FRBは12月に利上げを決定した後、「来年は2回利上げを実施する公算が大きい」とした。
http://jp.reuters.com/article/blackrock-fed-idJPKBN13R2D6
News | 2016年 12月 3日 00:45 JST 関連トピックス: トップニュース
米雇用統計:識者はこうみる
12月2日、11月の米雇用統計は非農業部門雇用者数が17万8000人増となった。失業率は約9年ぶりの水準に改善し、FRBが12月に利上げに踏み切る下地がほぼ整った可能性がある。写真は2012年4月、ワシントンのFRBビル前で撮影(2016年 ロイター/Joshua Roberts/File Photo)
[2日 ロイター] - 米労働省が発表した11月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数が17万8000人増となった。失業率は4.6%と、約9年ぶりの水準に改善し、米連邦準備理事会(FRB)が12月に利上げに踏み切る下地がほぼ整った可能性がある。
識者のコメントは以下の通り。
●失業率の大幅低下はサプライズ、12月利上げ予想
<サビルズ・スタッドリー(ニューヨーク)の首席エコノミスト、ヘイディ・リーナー氏>
失業率が4.6%に大幅低下したのには驚いた。米連邦準備理事会(FRB)は12月に利上げするとおもう。失業率が4.6%に低下したことで今後は賃金上昇が焦点になるだろう。
●12月利上げ後押し
<アリアンツの首席経済アドバイザー、モハメド・エラリアン氏>
11月の米雇用統計は底堅く、米連邦準備理事会(FRB)の12利上げをさらに後押しすることになると考える。賃金も強い伸びを示していれば、FRBは将来の金利の道筋についてより積極的な姿勢に傾いただろう。
●FRBは来年2回の利上げに快適か
<バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)メリルリンチ(ニューヨーク)の短期金利戦略部長、マーク・カバナ氏>
失業率の低下と労働市場の引き締まり具合を考えると、今後賃金圧力が上昇していかないとおかしい。2017年の利上げペースについては、トランプ新政権の政策にもよるとおもうが、連邦準備理事会(FRB)はドット・チャート(=今後の政策金利の推移を点で示したグラフ)に記されているように、2回の利上げを快適と感じているのではないか。
賃金が予想を下回ったことは今後注視していく必要があるものの、全般的には雇用は底堅い伸びが続いており、FRBが今月と来年にかけて引き締め政策を進めていく上での後押しとなるだろう。
http://jp.reuters.com/article/instantview-us-payroll-idJPKBN13R1WH?sp=true
Business | 2016年 12月 3日 00:31 JST 関連トピックス: ビジネス, トップニュース
米雇用者数、11月は17.8万人増 失業率は約9年ぶり低水準
[ワシントン 2日 ロイター] - 米労働省が発表した11月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数が17万8000人増と、市場予想の17万5000人増を上回る伸びとなった。失業率も4.6%と、2007年8月以来約9年ぶりの水準に改善し、米連邦準備理事会(FRB)が12月に利上げに踏み切る下地がほぼ整った可能性がある。
ただ、9、10月分の雇用者数は当初発表から2000人下方修正された。
失業率は前月比0.3%ポイント低下。アナリストは、前月から変わらずの4.9%を見込んでいた。失業率の低下は雇用者の増加に加え、労働参加人口の減少を反映している。
時間当たり平均賃金は前月比0.1%(0.03ドル)減と、前月の0.4%増からマイナスに転じた。前年比では2.5%増と、約7年半ぶりの大幅増となった前月の2.8%増から伸びは鈍化した。ただ、暦上の歪みによる影響が大きいことから、FRBが12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で過度に注目することは予想されていない。
アリアンツの首席経済アドバイザー、モハメド・エラリアン氏は、統計は「底堅く」、FRBの12利上げをさらに後押しすると指摘。「賃金も強い伸びを示していれば、FRBは将来の金利の道筋についてより積極的な姿勢に傾いただろう」との認識を示した。
労働参加率は0.1%ポイント低下の62.7%。
縁辺労働者や、正社員になりたいがパートタイムで就業している人を加えたより広義のU6失業率は0.2%ポイント低下の9.3%と、2008年4月以来の低水準となった。
業態別では、建設が1万9000人増。製造は4000人減と、4カ月連続で減少した。小売も8300人減と、2カ月連続減となった。
専門職は6万3000人、ヘルスケア関連は3万4700人、人材派遣は1万4300人それぞれ増加した。政府も2万2000人増となった。
雇用統計発表後、米株価は小動き。主要6通貨に対するドル指数は低下し、米債価格は上げ幅を拡大した。
*内容を追加して再送します。
http://jp.reuters.com/article/us-nov-payroll-idJPKBN13R1MF
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