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世界景気拡大インフレ期待で 原油、金以外の商品相場上昇
http://diamond.jp/articles/-/110074
2016年12月5日 芥田知至 [三菱UFJリサーチ&コンサルティング調査部主任研究員] ダイヤモンド・オンライン
原油と金以外の国際商品市況が上昇傾向にある。原油は、11月30日のOPEC(石油輸出国機構)総会という重要イベントを控えていたことや、供給過剰状態が解消するめどが立たないことなどを背景に、上値が重い展開が続いている。
米国の金利動向に敏感な金相場も下落している。景気見通しの上方修正などから米金利が上昇したためドル高が進んでおり、金価格の頭を押さえている。
しかし、他の国際商品を見ると、上昇している品目が目に付く。石炭は、4月に中国政府が炭鉱の稼働日数を減らす方針を示したことを受けて、需給が引き締まった。発電用が主用途の一般炭の相場は、11月初めには、年初の安値に比べて2・5倍以上になり、国際商品のブームが続いていた2012年の相場水準に近づいた。
鉄鉱石も中国需要の増加観測を背景に、年初に比べて2倍以上に上昇している。中国では政府が景気下支えのための公共投資を打ち出し、不動産投資が堅調なこともあり、鉄鋼生産が高水準である。
製鉄で原材料となる原料炭については、中国における供給削減と需要増加の双方の動きの恩恵を受け、相場は年初の安値の4倍近くにまで高騰している。
亜鉛は、オーストラリアやアイルランドの大規模鉱山の閉山により鉱石の供給が減っていたため、年初ごろから需給引き締まり観測が根強く、いち早く相場が上昇に転じた。
ニッケルは、フィリピンのドゥテルテ政権が環境基準に満たない鉱山の摘発を強化したことで、需給引き締まり観測が強まり、夏場以降、高値圏で推移している。
銅の相場も、10月終盤から上昇傾向を強め、11月に入ると、一時1トン当たり6000ドルと15年6月以来の高値を付けた。出遅れ感のあった銅相場が上昇したことは、ファンド勢の関心を集めたとみられ、LME(ロンドン金属取引所)における資金運用者のネットの持ち高は、買い越し幅が急拡大している。アルミニウムやニッケルでも、買い越し幅は高水準で推移している。
米大統領選挙後には、米次期政権による大規模なインフラ投資や減税による資源需要の押し上げを意識した「トランプフレーショントレード」が活発になり、多くの国際商品が急騰している。選挙前から中国景気の回復期待が高まりかけていたところに、米国景気の回復期待も加わって、国際商品全般が買われる流れとなった。
全体としては、米国と中国のインフラ投資などによる需要刺激が期待される品目を中心に国際商品相場は低迷期を脱した感がある。世界景気が上向き、インフレが進む兆候との見方がしばらく続きそうだ。
(三菱UFJリサーチ&コンサルティング調査部主任研究員 芥田知至)
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