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休眠預金口座法が成立、銀行の収入になっていた年500億円の活用に必要なこと(写真=PIXTA)
休眠預金口座法が成立、銀行の収入になっていた年500億円の活用に必要なこと
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161204-00000014-zuuonline-bus_all
ZUU online 12/4(日) 17:40配信
銀行など金融機関に10年以上放置された「休眠預金」を民間公益活動の財源に利用しようという休眠預金口座法が11月2日、成立した。これまで口座に眠ったお金から、年間500億程度が金融機関の収入になっていた。これを活用しようというものだ。
休眠預金を活用する対象分野としては(1)子どもや若者、(2)社会生活を営む上で困難を有する社会的弱者、(3)困難な状況に直面している地域を想定。年500億〜600億円を活用し民間助成され見込みだそうだ。
一部では使われ方に透明性が確保されるのか疑問視する声があがっている。
■英国や韓国は既に取り組んでいる
実はこうした取り組みは、英国や韓国では既に行われている。日本では旧民主党政権時代から議論が始まっていたがこれで社会福祉分野をはじめ公共性の高い活動に充てられる事になる。ちなみに10年以上放置されている「休眠預金」は金融機関では毎年約1000億円程度の発生があるそうだ。
例えば英国では、08年に法律を作っている。2009〜2011年に休眠預金となった473億円のうち190億円を返還請求用に確保し、186億円を低所得者層の子供の教育や社会的起業の支援に使用した実績がある。だが不況で支援を必要とする人が多く特に反対はなかったという。
韓国では、1997年のアジア通貨危機の際に銀行が国の支援を受けた事をきっかけに、「公的支援を受けている銀行が休眠預金で利益を得るのはいかがなものか」という意見から、2007年に新法を制定し貧困層への融資や社会的起業の支援をしている。
■休眠預金は毎年1000億円程度発生
休眠預金は、持ち主は死亡や行方不明者、あるいは口座開設後の長期間の放置といった一般の預金者も多いとされている。これらを預かる金融機関から預金保険機構に移し政府指定する団体に一端金を預け、民間団体に配分する仕組みだ。
法律上は5年〜10年で預金債権は時効を迎えるのだが、全銀協では自主的なルールとして10年以上が経過した口座でも払い戻しには応じるとしているが、自主ルールを定めている銀行もあるので各銀行によっては注意が必要になる。
預金者に払い戻される金額は約400億〜500億円程度だそうで、残った500億〜600億円は全国銀行協会の内規により、これまでは金融機関の雑所得(利益金)として計上処理されている。
休眠預金の性質を鑑みれば広国民に還元すべきとの意見も多く、社会全体への波及効果の大きい民間公益活動に活用すべきではという目的から、実は2014年に超党派による「休眠預金活用推進議員連盟」が発足していて、具体的な検討を進め今回の作成に漕ぎ着けたという分けだ。
■内容には疑問も多いとし反対意見もある
共産党などによる問題提起は、私有財産に触れる法案を作る際に国民へ法律が成立してから周知するというのは順序が違う、三つの分野を限定的に列挙されているのはなぜかといったものだ。資金配分条件で地道な活動をしている団体を排除することはないかと言った疑問も指摘されている。
その他にも、休眠預金等活用審議会の委員や指定活用団体が入ることを法律上排除されておらず、利益相反を避ける仕組みを法文上書かないのはなぜかという質疑も同党の議員が行っている。
全国で「たった1つの指定活用団体」が選ばれることにも反対意見がある。健全な運営が行われるには、指定活用団体を複数にし、比較対象になる団体が存在しているほうが望ましいというのだ。
指定活用団体の複数設定を含めて、お金の使われ方は透明性の高いものにしてもらいたいものだ。(ZUU online 編集部)
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