http://www.asyura2.com/16/hasan116/msg/361.html
Tweet |
カジノ法案が委員会を通過
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52886318.html
2016年12月02日 在野のアナリスト
カジノ法案が内閣委員会で、賛成多数で可決されました。自民関係者からはカジノを推進する維新に配慮した、などとも語られますが、そんなことで僅か審議時間6時間で通したりはしないでしょう。別に、維新に媚を売らなくても、維新から諂ってくる状況にあるからです。これは本当に安倍-トランプ会談で「日本でもカジノを解禁するんだよね?」などと囁かれたのかもしれません。トランプ氏の金ぴか私邸はカジノを想起させますから、安倍氏がぽそっと洩らした言葉で、取り返しのつかないことになった。なので今国会中にこれを通し、トランプ氏との次回会談で、カジノ利権を貢物としたいのかもしれません。
山本地方創生担当相が「東京一極集中を緩和する意味でもいい」と述べますが、現時点で囁かれる候補地は東京、横浜、大阪など、大都市圏ばかりです。そもそも日本にカジノをやりたいから来る、という観光客がどれほどいるか? 恐らくほとんどいないでしょう。それこそ世界各国にカジノが乱立する中で、よほど特色をださない限り、日本でやる必要がないのです。そうなると観光客の少ない地方都市につくっても意味が無い。観光客が集まる場所で、ついでの夜のお楽しみであるなら、それこそ観光客の集まる大都市圏しか作れない。むしろこれは大都市圏に、さらに資源を集中させる仕組みです。
しかもここに来て、カジノが成長戦略だ、という論調がまかり通っています。これまで無かった市場が立ち上がるのですから、プラスだという浅はかな議論ですが、赤字を垂れ流して破綻すれば、その処理に莫大な資金も必要となる。つまり成長戦略というのは、成功して初めて言えるわけですが、世界中で過当競争に陥っている分野に参入して、成功するという確証もなくつっこむのは、無謀戦略にしかなりません。
しかも政治的な動きとして、議員立法ですから内閣が答弁に立つ必要がないので、内閣にダメージを与えることなく通せる。しかも自民、維新の焦りに公明がついて来れず、党議拘束を外しました。公明にも自民が焦る理由が伝えられていないのでしょう。しかしこれは禍根を残したと言えます。改憲にも温度差がある公明、改憲に前向きな自民、維新が組むことが面白かろうはずがありません。自公協力の力関係が変わりつつあり、安保法制ではほぼ丸のみ、しかもカジノ法案でコケにされるなど、公明が立場を失いつつある。自民を勝たせ過ぎている責任の一端を公明も負っているわけですが、そのことで発言権を失っていく。皮肉と言えますが、『公』の字はハム、まさに皮肉な立場に自らを追い込んでいるともいえそうです。
よく「対案を出せ」と言う人がいますが、正直その言葉に正当性は感じません。例えば今回のカジノ法案、カジノに反対なら対案もありません。成長戦略としての対案だとすれば話は大きくなりますが、恐らくそんな議論は成り立たない。そもそもカジノが成長戦略というなら、まずどれぐらいの事業規模で、その波及効果、副作用等を法案を提出した側がきちんと示すことが必要です。しかし今回、それはない。そこが叩き台となって、本当にこうした効果があるか、副作用にどれぐらい予算がかかるか、という議論になって対案などなくても話し合いはできるのです。むしろそれすら議論させず、通してしまった今回、仮に失敗しても誰も責任をとらなくて済む、という極めて不誠実な形にしかなっていないとも言えるのです。
しかも官僚は、この法案でカジノがどこの省庁に属すのか? 総務省なのか、経産省なのか、で手薬煉ひいています。またカジノ依存症の患者が増えることが想定され、厚労省も予算獲得になる。新しい事業の立ち上げに伴い、それが失敗したときのツケは、ただ事業が一つ消える、というだけでは済まなくもなるのです。官僚にとっては新たな利権、そして法案を提出した議員に、カジノ関連企業からの献金を問い質したところ、返答しなかったように、そこには巨大な利権も渦巻く。それをたった6時間の審議で決めてしまう、というところに与党の驕り、金満体質をよくよく示すとも言えるのでしょう。維新の『維』は糸偏にふるとりですが、左辺は『墜』の意味であり、それで『つなぐ』の意味になるといいます。維新、まさにトランプ氏のカジノ利権という時流にのったつもりでしょうが、それが釈迦の垂らすクモの糸にみえたなら、利権に群がる連中を振り落とそうとすると、自らも墜ちていくだけなのでしょうね。
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 経世済民116掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。