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JA改革が農業の成長戦略?
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52885991.html
2016年11月26日 在野のアナリスト
キューバのフィデル・カストロ前議長が死去しました。キューバ革命、キューバ危機という世界を震撼させた出来事を招きましたが、日本では知らない人の方が多いぐらいです。キューバ革命はある意味、国民の分断を招いた。亡命が続出し、米国に渡ったキューバ国民はカストロ氏を悪と罵り、キューバに残る国民はカストロ氏の弟が政権を引き継いでいるように、概ね容認している。オバマ米大統領がキューバとの関係改善をめざしたときは、米国にいるキューバ人と、キューバに残るキューバ人との間の温度差が、極めて大きかったことが印象的です。
あくまで個人的な感想ですが、社会主義にしろ、資本主義にしろ、極端にどちらかに振れてしまえば反発もおき易くなる。社会主義体制をとったキューバもそうですし、新自由主義という資本主義の極に至った今の状態も、やはり社会的には不安定になっています。どちらが良い、悪いではなく、多様な人間を一方だけでまとめきることに無理がある、ということなのでしょう。キューバ危機を引き起こした一方の当事国、米国が今、分裂状態にあることでも分かるように、社会主義、資本主義どちらも欠陥、限界があると感じます。
政府・与党がめざす規制改革の本丸となっていたJA改革、政府の規制改革推進会議は抜本改革を求めましたが、自民党案はかなり農林族が巻き返し、骨抜きになりました。TPPがトランプ政権の誕生により頓挫したことも、農林族への追い風となった。TPPに参加しないなら、焦ってJA改革などする必要ない、ということです。当初、思いついたようにJA改革に前向きとなった安倍氏が、急にトーンダウンしたことも影響したのでしょう。法案策定に動いていた自民党議員は、孤立無援で形だけ整えた形です。JAの努力次第でえす、と。
問題は、JAの方がいい、という人もいる。JAには頼れない、という人もいる。その双方を機能させることです。つまりJAでない選択肢をとり易くしさえすれば、実はすべて事足りるとも言えます。JAとて加盟してくれる農家が減れば困るのですから、自分たちで何とかしようとするでしょう。JAとは別の組織をつくってもよいですし、民間企業の参入をしやすくするだけでも、JAは整理、縮小を余儀なくされます。今回のように外圧を頼った時点で、強引な改革にならざるを得ず、反発も大きくなってしまいます。
資本主義のよい点は、やる気をだした人に、成功するチャンスがある点です。一方で、JAのように農家を囲い込み、全体の計画性をもてば個々の生活は安定します。どちらもそれぞれ利点があって、欠点もある。成功するチャンスがあっても、失敗するリスクも高い。またJAが買い取ってくれるので生活は安定しても、高望みはできない。どちらを選択するかは農家次第、それで十分なのに、政治はなぜかどちらかに限定しようとします。法律が面倒になりますし、その方が統制もとれるからです。
これまではJAに偏り、不満がある人がそこを飛びだしているだけでした。JAにいないと補助金もうけられない、などもあって抜け出せなくなっていた面もある。それを変えてやるだけでよかった。安倍氏のJA攻撃から始まった今回の一連の顛末、結果として自民党内がまとまり切れていない、ということを俄かに露呈しただけだったのでしょう。農業を成長戦略にしたいのなら、一方だけのやり方ではダメなのです。JAみたいなものもあり、一方で自由経営による農業もあり、そういった形で多様性を保ちながら拡大していく形が、真の成長、拡大路線といえるのでしょう。二つの手法が鬩ぎあって、良い方法を模索しながら、日本の農業としてよりよい形をめざす。そうでない今回の動き、JAを目の敵にして規制改革という看板を果たそうとした、ジャパン・アベ化の失敗と捉えると、JA改革の別の側面もみえてくるのかもしれませんね。
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