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上場から1年、日本郵政が「苦境」に陥ったシンプルな理由 「復活」するにはこの一手しかない
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/50209
2016.11.20 ドクターZ 週刊現代 :現代ビジネス
■上場前から失敗の予感はあった
11月4日で上場から1年が経った日本郵政グループ。NTT以来の元国営事業の大型上場とあり、当時は多くの投資家の注目を集め、上場時は高い株価を叩き出していた。
ところが現在は最高値から4割近くも「暴落」しており、実質の「大株主」である政府も追加の株の売り出しに手をこまねいているのが現状だ。
日本郵政がこのような苦境に立たされているのはなぜなのか、今後どうなってしまうのか。
まず、日本郵政の株価下落の要因は「マイナス金利」であるとの指摘が多いが、これは「半分」正解である。確かに政策が始まった'16年2月16日に比べ、直近の日本郵政の株価は10%程度下落しており、マイナス金利の影響を受けていることは間違いない。
だが一方で、同期間の銀行業全体の株価は5%程度上昇している。同様にマイナス金利の影響を受けるはずなのに、日本郵政グループが「見劣り」するのには別の原因があるのだ。
その理由は何かといえば、答えはシンプルで、'07年に実現したゆうちょ銀行・かんぽ生命の「郵政民営化」が不完全だったことにある。
■民主党の「愚行」
以下、順を追って説明すると、そもそも小泉純一郎元首相が推進した郵政民営化のキモは、ゆうちょ銀行とかんぽ生命の金融2社を「完全民営化」し、民間で会社を保有・営業することにあった。
ところが'09年の民主党政権下で、連立与党となった国民新党が民営化に断固反対し、ゆうちょとかんぽの株式の一定割合を実質的に政府が保有し続けることになった。これは完全民営化に逆行する「改悪」であった。
さらに民主党政権の愚行はこれだけにとどまらない。民営化を行うために民間から登用された三井住友銀行元頭取の西川善文氏ら民間経営者を、民主党政権になってから追い出してしまったのだ。
この西川氏は、就任時に多くの人材を引き連れて日本郵政に来た。これは好判断で、官業組織に一人で来る民間経営者は多いが、あっという間に周りを官僚で固められ、官僚の操り人形となってしまうケースがしばしばある。西川氏は要所に自分の信頼できる人物を配置し、日本郵政を本気で「民間企業」にしようとしていたのだ。
西川氏が民主党政権によって日本郵政から追放されると、西川氏とともに民間から日本郵政に来ていた人たちも追放された。その後も日本郵政は、形式的には民間経営者をトップに据えたが、実態は官僚組織による「官業」となってしまった。
そうした実情は、現在もゆうちょ銀行、かんぽ生命の金融2社に深く影を落としている。この2社が抱える大きなネックは、政府が実質的な「大株主」であり、その株式保有を通じて政府が経営に関与し続けることだ。純粋な民間会社でない以上、リスクを取った経営をすることは難しい。
たとえば民間銀行では資産の大半を貸付金として運用することにより大きな収益を上げているが、ゆうちょ銀行は預金の大半を国債で運用している。国債は同種の金融商品であれば、最低金利の商品である。このような運用では、長期的に収益を上げられるはずもない。
これから日本郵政グループが「復活」するためには、小泉政権が目指していた金融2社の「完全民営化」を達成するほかないのだ。
『週刊現代』2016年11月26日号より
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