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トランプ時代の為替予測、足元の円高はいつまで続くか
http://diamond.jp/articles/-/107774
2016年11月15日 田中泰輔(ドイツ証券グローバルマクロリサーチオフィサー) 週刊ダイヤモンド
トランプ氏勝利で円高ドル安が進むとの声は多い。しかし、彼の財政拡張策による財政赤字拡大と利上げが重なれば、ドルは持ち直すだろう。ただ、来年にはドルは天井を付けそうだ。
米大統領選挙戦の過程では、トランプ氏勝利の可能性が高まるにつれて、先行きの不確実性が警戒され、株式や新興国通貨が売られた。一方ドルも、ユーロや“安全通貨”と位置付けられる円に対して売られた。
トランプ氏は選挙戦を通じて、TPP(環太平洋経済連携協定)反対や関税導入などの保護主義、外交における孤立主義、移民排斥といった強硬姿勢を強調した。こうした政策については、米国外の関連国からの懸念がことさらに強かったが、米国民からはもともと一定の支持がある上、トランプ大統領の方が政策実現の可能性が高まると期待する声もあった。
仮にクリントン大統領が誕生していたとしても、オバマ政権と同様に共和党多数の議会と折り合いがつかず、選挙戦で唱えた諸政策は暗礁に乗り上げただろう。今回、大統領と上下両院の多数派が共和党でそろった。トランプ氏が主張してきたインフラ投資と減税などの財政刺激策、米企業の海外利益の本国還流に対する減税、ドッドフランク法の一部廃止など金融規制緩和が実現するなら、米国経済にはマイナスばかりではない。
■利上げ背景にドル高が進行
減税、歳出増で財政赤字が拡大すれば、FRB(米連邦準備制度理事会)の利上げ志向と合わさり、今後金利先高観が生じやすい。ドルは、対円でトランプ氏勝利後の初期段階に大きく下落しても、次の段階では、経済政策と金利の動向を冷静に評価し、持ち直す場面があると想定した。
今後しばらくは米国の景気や金融政策の動向に沿ったファンダメンタルズ相場に戻るだろう。FRBは今年12月に利上げした後、来年も1、2回の利上げを志向しよう。ドルはこの利上げを背景に、依然脆弱な新興国・資源国通貨、英国のEU(欧州連合)離脱の影響で弱くなる見込みの欧州通貨に対してまだ上昇するだろう。
ただし、ドル指数(各通貨の対ドル相場を貿易量で加重平均した総合為替レート)の一段の上昇は、米景気・株価の頭を押さえ、ドル指数を2017年中にピークアウトさせるとみる。
ドル指数は、9〜10年の下降と6年強の上昇というサイクルをたどってきた。ドル高サイクルでは新興国・資源国通貨が弱くなりやすい。17年にドル高サイクルが一巡するなら、新興国・資源国投資の反発が期待できる。来年にかけて米景気の頭打ちが意識される場面では、ドルは対円で90円台に向かう可能性が高い。
トランプ政権の経済政策が効果を発揮するのは18年以降だろう。4年後の大統領選挙で再選を期すために、19〜20年に向けて景気を上向かせる政策が講じられると想定される。次の選挙年の20年までにドルも堅調さを取り戻す道筋だ。今後数年、米経済が底堅さを保てるなら、極端なリスクオフにもならない。ドルの押し目買いを旨とする日本の投資家にとっては、来年から数年は中長期為替投資の対象を物色し、じっくりポジションを再構築する期間となろう。
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