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景気ウォッチャー調査と株価
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52885090.html
2016年11月11日 在野のアナリスト
米大統領の最中、日本で発表された10月の景気ウォッチャー調査で、4ヶ月連続の改善と示されました。あれ? と思ったら、10月から季節調整値に変更とのことです。要するに、これまで総合DIを算出してから季節調整としていたものを、項目ごとに季節調整値を算出し、それを総合するという形であり、こうすると4ヶ月連続の改善、となります。しかし例えば小売関連の数値は、季節調整値では47.0、原数値では42.0、月ごとの方向感はほぼ同じようですが、数値のブレが大きくなり、従来よりも変化を追いかけるのは大変です。
また偶然かもしれませんが、季節調整値は原数値と比べて、半年前はより低く、直近はより高くでる傾向がある。それはこの時点で、原数値から季節調整値へと、評価基準を変えるには都合よかったのかもしれませんが、しかしこうして10月の数値ばかり高くすると、今後の数値はそれ以上にならないと悪化の判断を下さざるを得なくなる。年末解散を考えていたから、年末の経済指標を高くみせかけたかった? とも勘繰れますし、そもそも景況感を訊ねるアンケートで、季節調整が必要か? という疑問もある。おかしな調整などせず、シンプルに数字を出してもらった方が、利用価値は高いはずです。どうにも政府の行うことは、ちぐはぐな感じがします。
しかし景気ウォッチャー調査で気になるのは、小売がやたら好調という回答が目立つ点です。9月の天候不順で、関東では生鮮食品が高騰、原油価格もじわりと上昇しているためガソリンも上昇。小売には好材料がなかったにも関わらず、何が押し上げたのか? 正直分かりません。企業関連をみると、荷動きが悪いとの回答もある。10月の株価は堅調でしたが、投資家層の裾野が小さい日本では、それほど小売に効果ないでしょう。何で小売が堅調だったのか? もしかしたら地元密着型のプロ野球チームによる日本シリーズ対決だったのなら、その効果は驚異的といえそうですが…。
10月は好調だった株式、11月は乱高下していますが、トランプショックを乗り越えて一時日経平均は17500円台を回復しました。しかし実はドルベースの日経平均でみると、10月は164〜167$程度で動いており、今日の106円台で17374円というのは、その水準を下回る。つまり外国人投資家には値下がりに見え、日本株は弱いとなる。今はトランプ銘柄への乗り換えが活発ですが、トランプ効果でもっとも弊害をうけるのが日本なのですから、外国人投資家からみれば当然の動きにもみえるはずです。
外国人投資家からも、安倍ノミクスはTPP頼みとされていた。TPPが発効されない今、安倍ノミクスはふたたび円安頼みとなりましたが、その円安もいつまで続くか? 今日はマイナーSQの算出日でしたが、17596円と高く寄り付いたことで、上値抵抗ができてしまった感もあります。トランプ勝利で円高、とみた投資家が、円安に動いたことで慌てて売り、ストップロスを巻きこんでここまで円安になりましたが、今後の動きはより経済の強弱に左右され易くなるのでしょう。
保護主義は悪、グローバル化をめざすべき、と安倍首相は語りますが、世界各国が保護主義に陥る場合、最後までグローバル化、市場開放を訴える国は、実は狙い撃ちにされる可能性も高まるのです。グローバル化は世界全体が同一条件になるから意味があるのであって、斑模様になったときは保護主義が強く、グローバル化をめざす国が負けるケースも増えるのです。あくまでトランプ氏がどんな政策を打つか、にもよりますが、米国が反グローバル化をめざすときは、日本も早期に保護主義に移行しないと、根こそぎ日本の富を奪われる可能性も否めなくなります。そんな中、TPPを通して「自由貿易をリード…」などと夢物語をかたる安倍政権。日本の弱さをみた円安、ドルベースでみた株安、というのなら、この値動きには要警戒でもあるのでしょう。そうなるのはまだ先の話ではありますが、米大統領選でも見通しの甘さを露呈し、世界の趨勢も読みきれているか、懐疑的にもみえる安倍政権。季節調整値などでも調整のつかない、世界の動きをつかめないのなら、グローバル化どころか、愚弄されるばかりか…、になってしまうのでしょうね。
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