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名古屋城 (c)朝日新聞社
なぜ叩かれる? 行きたくない街NO.1「名古屋の生きる道」〈週刊朝日〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20161104-00000217-sasahi-soci
週刊朝日 2016年11月11日号
行きたくない街ナンバーワン──。名古屋はまたも不名誉な称号を得ることになった。
名古屋市は国内主要8都市(東京23区、札幌、横浜、名古屋、京都、大阪、神戸、福岡)で、インターネットによる「都市ブランド・イメージ調査」を実施。8都市の住民各418人に聞いた。「買い物や遊びで訪問したい街」でトップに立った京都市の37.6ポイントに対し、名古屋はわずか1.4ポイント。ぶっちぎりの最下位に沈んだ。
河村たかし市長は「よほど危機感を持っておもしろい街を造らにゃあ」と意気込みを見せるが、わざわざ新たなマイナスイメージを付加してしまった感さえある。
名古屋在住のライター、大竹敏之氏があきれる。
「何でもバカ正直に公表すればいいというものではありません。調査は名古屋市のブランディング化を図るための下調べだったのに、逆ブランディングしたも同然です。そもそも比較するのが、日本を代表する観光都市ばかりです。魅力ある都市ランキングの指標とされるべきは『住みやすさ』であり、その方向で調査すればまったく異なった結果になっていたでしょう」
名古屋のネガティブイメージは、1980年代にタモリが「名古屋人はエビフライをエビフリャーと言う」などと嘲笑したネタをルーツとする。「名古屋弁はみゃーみゃー言ってうるさい」「田舎臭い」などと、さんざん揶揄(やゆ)され、土壇場で誘致に失敗した88年の「名古屋五輪」の悪夢も、外国人タレントのコンサートの“名古屋飛ばし”も、コンプレックスに苛(さいな)ませるに十分だっただろう。
しかし、2005年の愛知万博「愛・地球博」開催を機に転換期を迎える。中部国際空港が開港し、トヨタ自動車に牽引(けんいん)された中部経済の隆盛が全国から注目されたのである。
『やっとかめ探偵団』シリーズなどで知られる名古屋出身の作家、清水義範氏はこう語る。
「愛知万博の年は、名古屋は全国的なブームになりました。中部経済界は慎重な実利主義で、バブルに踊らなかったことで景気の回復が早かった、と持ち上げられました。相乗効果で名古屋メシも珍重されました。私もその1年間だけで30回もインタビューされました」
名古屋コンプレックスはタモリ発言など知らない若者層を中心に克服されたはずだった。
ところが、市の都市ブランド・イメージ調査の結果が呼び水となり、「週刊ポスト」が今年8月以降、実に4回にわたって「名古屋ぎらい」を特集。名古屋の気質や文化を「ダサい」「ケチ」とし、名古屋メシの「奇妙」さを取り上げた。
清水氏はこう分析する。
「万博の騒ぎが収まると、名古屋メシはひつまぶしにしてもあんかけスパにしても、元々あるものに妙な工夫を加えて新しいように見せていただけということがわかった。東京でも“工夫メニュー”は珍しくない。名古屋の街を見ても建物のデザインで目立つのは、モード学園のビルくらい。実利主義であるから付加価値がわからないのか、多くが四角四面のビルで、見るべき話題のスポットもありません。元の木阿弥となっただけでは」
そんな総括をしてしまうと身も蓋(ふた)もないのでは……。話がここで終わってしまうので、名古屋の魅力を辛抱強く分析していこう。
名古屋文化に関するイベントや講演会を主催する「大ナゴヤ大学」の加藤幹泰学長は「名古屋人は、地元の良さを客観視できていない」と指摘する。
「名古屋は工業都市であって観光を売りにする街ではありませんが、県外から来た人に喜んでもらえる観光スポットや文化もあるのです。例えば、戦災で焼失する前の名古屋城は城郭として国宝第1号でした。市長が木造での再建を主張していますが、実現させて観光の目玉にすればいい。イケメンゴリラのシャバーニで有名な東山動植物園は、北海道の旭山動物園のように見せる工夫をしています」
昼間は緩慢な態度の動物たちも、夜には元気な姿を見せる「ナイトZOO」を開催したという。
市内の観光業者の一人も「名古屋人は自己PRが下手」と嘆く。
「名古屋の観光プランなんか売れんから作らんけど、絶叫アトラクションの遊園地の『ナガシマスパーランド』(三重県桑名市)は、名古屋市内から車で30分。トヨタ産業技術記念館もあれば、リニア・鉄道館もある。東海地区だけで採算が取れるので、全国にアピールしない。来てくれんでもいい、という発想なのです」
要するに、目立ちたくないということか。都市の魅力に欠けるというよりは、名古屋の良さがあまり知られていないという解釈だ。
『名古屋あるある』の共著者の一人、大山くまお氏はこう分析する。
「製造業が盛んで、外部に積極的に打ち出さなくても、それなりに豊かにやってこられたことが大きいのです。大学進学も就職先も地元志向が強い。上京したがる子どもを地元に引き留めるため、車を買うことを条件に出す親はどこにでもいそうですが、家を買ってやるから残りなさいというのが名古屋の感覚なのです。ケチと言われるのは実は誤解で、コスパのいいお得感のある『お値打ち』価格を重視し、使うときにはドンとカネを出す」
最大の繁華街・栄地区の防災訓練に参加していた、日本語学校に通う20代女性の中国人留学生3人に声をかけた。日本人が「行きたくない」との烙印(らくいん)を押した街を、どう感じているのだろうか。
「東京や大阪、にぎやかな街はだいたい好きではありません。ナゴヤは静かだけど何でもそろって便利」
なるほど。「大いなるイナカ」で「住みやすい」ということか。彼女らに「行きたくない街ナンバーワン」になったことを伝えると、ひとりが怒気をはらんだ口調でこう訴えた。
「ナゴヤ、どうして行きたくないか! 1カ月仕事休んで来て、ひつまぶし食べて、みそ煮込み食べて、それから決めてほしい」
名古屋人の悔しい胸の内を代弁してくれているかのようだ。“失地回復”の切り札は、やはり「名古屋メシ」と言うのは、前出・地元ライターの大竹氏だ。
朝は喫茶店のモーニングサービスに始まり、昼はみそかつにきしめん、台湾ラーメン。夜はひつまぶしや名古屋コーチンで接待と、バリエーションは幅広い。
「郷土料理がこれほど豊富なのは名古屋と沖縄だけと言います。名古屋メシの中心的存在は豆みそ(赤みそ)ですが、日本食の特徴であるうまみ成分が強い。みその中で唯一、煮込んでも風味が損なわれない。だから、みそ煮込みやみそかつなどの料理が可能なのです。食をはじめ身近な文化的背景を見直し、自信を持つべきです」(大竹氏)
卑屈になったり劣等感を抱いたりする必要はないのだ。独自の文化を発信する名古屋は、東京と大阪の間で燦然(さんぜん)と輝いている。
ほんでもよー、NHKの「ブラタモリ」(※1)、全然来やせんな!
※1 タモリ出演の街歩き番組。放送開始からすでに50回を超えるが……。
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