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[ポジション]「ドル売りのマグマ」滞留
米経済情勢を超えた高値に 市場に広がる警戒感
外国為替市場でドル高が進んでいることへの警戒感が強まっている。年内の米利上げを見越して買われているものの、米経済情勢を考えると買われすぎの状態が続いているためだ。ドル売りの「マグマ」は着実にたまってきている。
「ドル高の修正が起こるかもしれない」。市場からこんな声が聞こえてくるのは今年2回目だ。はじめは年初。前年12月の米利上げを挟んでドル高が進んでいた。市場では新興国からの資金の引き揚げを招き、市場が混乱するとの恐怖心が支配した。2月の20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で「今後ドル安を促すことで各国政府が一致した」との噂すら市場を駆け巡った。
あれから半年以上。確かにドルの一方向の上昇は止まったものの、高止まったままだ。米インターコンチネンタル取引所(ICE)がまとめる、複数の通貨に対するドルの総合的な価値を示すドル指数。年初の100前後から4月には一時93まで下がったが、足元は再び100に迫る。
年内の米利上げを見越したドル買いが加速している。みずほ銀行の試算で、海外投機筋のドルの買越額は10月25日時点で195億ドル(約2兆円)に及ぶ。4〜5月に一時売り越しだったところから、ドル買いがだいぶ積み上がっている。
金利の上昇期待が強く、換金しやすいドルに資金が集まるのは分かる。ただ様々な経済指標からは、ドル高は説明できない領域にきた。
まず米国とその他の国・地域との金利差だ。JPモルガン証券の阪上亮太氏は、ICEのドル指数と、米国内外金利差を比較した。米国内外金利差とは、米2年債利回りから、円やユーロ、ポンドなど6カ国・地域の2年債利回りを加重平均して割り出した「合成金利」を差し引いたものだ。これによると、2014年前半まではドルと内外金利差は連動していたが、それ以降はドルが大幅に上振れしている。
米国の経常赤字が拡大していることも本来ならドル安に働く。だが4〜6月期の赤字は約1200億ドルと2年余りで5割増えたにもかかわらず、ドル高が続く。仏ソシエテ・ジェネラルは今後も広がる経常赤字が「ドル高の勢いを抑える」と指摘し、ドル偏重の市場動向に警鐘を鳴らす。
さらに米国の消費者物価指数の上昇率は前年比1.5%(9月)。0%台半ばの欧州、マイナスの日本と比べて大きい。「(為替相場は物価の格差を修正しようと動くという)購買力平価の考え方に立てば、ドル安の圧力が強まるはず」(みずほ銀行の唐鎌大輔氏)
経済情勢を超えて買われるドル。ドル高の行き過ぎの修正はまだ始まっていないのかもしれない。本格的に動き出せば、円相場への影響は避けられない。
(秋山文人)
[日経新聞11月1日朝刊P.21]
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