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孤独への不安より、自分のためにお金を使える豊かさに目を向けよう
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/7964
2016年11月5日 加藤梨里 (ファイナンシャルプランナー) WEDGE Infinity
こんにちは。ファイナンシャル・プランナーの加藤梨里です。この連載では、20代〜30代のワーキングウーマンの皆さんへの家計相談を通して私が感じた「前向き女性になれる」お金との付き合い方についてお話していきたいと思います。
第3回の今回は、お金を使う豊かさについて考えます。
■となりの芝生は青い
独身女性の家計相談をしていると、必ずといっていいほど出てくるキーワードが、将来への「漠然とした不安」です。この先の人生がなんとなく不安だから、せめてお金の面だけでも心配ないようにしておきたい。だから、今からお金をちゃんと貯めておきたいというのです。一般的に必要とされる老後資金3000万円を貯めようと、焦って相談にやって来る女性も少なくありません。
ファイナンシャル・プランナーになりたての頃、独身だった私もまったく同じ思いを抱えていました。ご相談に来るお客様と「わかるわかる!」「私もそう思ってた!」と、何度共感したかわかりません。
漠然とした不安とはいったい何なのか、具体的に説明できる人はあまりいません。皆さんそろって、「何がどう不安なのかわからないけれど、いつも心のどこかがもやもやする」と言います。多くの女性の声を聴き、私自身の経験も含めて解釈すると、おそらくは「長い人生をひとりで生きていくリスクへの不安」です。
将来、結婚すればパートナーや家族ができるけれど、しなければいずれはひとりで生きていかねばならない。そうしたら、自分の生活はすべて自分で賄わなければなりません。病気やケガをしても自分で医療費を全額出さねばならない、収入が下がっても自分で何とかしなければいけない。独身女性の多くはそんな、だれにも頼れない孤独感、切迫感、無力感を抱えています。そして、孤独によって起きるあらゆるリスクを解決するには、とにもかくにもお金を貯めるしかないと思っているのです。
生涯未婚の人が増え、多様なライフスタイルが受け入れられるようになった現代でも、女性にとって結婚はとても大きなテーマです。お金の面に関しても、「結婚してパートナーがいる人はいいよね、いざとなったら旦那が助けてくれるんだし。子どもが大きくなったら、老後の面倒を見てもらえるんだから」と考えがちです。そして、結婚すればお金の不安からは解放されるはずだと信じています。
ところがいざ結婚して家庭を持つと、それは間違いだったことに気づきます。独身の頃はなんて贅沢だったのだろうと思うのです。人とは、じつにないものねだりが得意なものです。
■家庭を持つと財布のひもは固くなる
独身であるほうが贅沢だなんて、にわかには信じられないかもしれません。確かに家庭によって差はありますが、結婚して家庭を持つと、それまで何の迷いもなく使えていたお金を、自由に使えなくなることも多いのです。それは、たとえ夫婦共働きであってもです。
夫婦で家計を支えていく場合、収入は2人分になりますから、1人でやりくりするよりはゆとりがあるはずです。ですが家庭を持つと、独身にはない出費も出てきます。出産や育児、教育にかけるお金や、双方の実家とお付き合いするうえでのお金などです。子どもが生まれれば、日常の生活費もアップします。すると、意外にも独身の頃よりも自由に使えるお金は少なくなるのです。
ところで、私は先日、久々に旅行に出かけたのですが、独身時代から使っていた旅行サイトの利用履歴を見て驚いてしまいました。独身の頃に宿泊したホテルを、とても高いと感じてしまったのです。当時は1人分の宿泊代で済みましたが、今は家族の人数分かかると考えると、負担感が2倍にも3倍にもなるからです。独身の時の金銭感覚を家庭に持ち込むのは、かなりハードルが高いことなのだと実感しました。
旅行だけではありません。思えばヘアサロンに行く回数は半分以下に減りました。大好きだったネイルもすっかりご無沙汰しています。あちこちのブランドを試しては効果を楽しんでいたコスメも、ずいぶんランクダウンしました。
もちろんこれは一例であって、結婚後も変わらずお金をかけている人もいます。ですが、経済的な問題を抜きにしても、おこづかい制にしていたり、旦那さんから「そんなことにお金を使うな」と言われて自由にお金を使えなかったりすることもあります。結婚したらしたで、お金の制約がないわけではないのです。
■自分のためにお金を使う豊かさを楽しんでよい
この話を通してお伝えしたいのは、シングルでいる方が幸せか、結婚している方が幸せか、という議論ではありません。シングルにはシングルの幸せがあり、苦労があります。結婚していても、それゆえの幸せがあり、また苦労も伴います。
大切なことは、どんなライフステージにも、その時にしか経験できない豊かさがあるということです。ですから、いま、人生を憂いてお金の心配ばかりしている人は、ぜひ一度立ち止まってみてください。お金のことを真剣に考えるのは、とても素晴らしいことです。それを認めたうえで、今の自分のためにお金を使う権利をもっと大事にしてもよいのではないでしょうか。
働く独身女性には、今を我慢してお金を貯めてばかりいたり、そのためにやりたいことを我慢していたりする人もいます。とても賢くて、計画的で、頼もしいなと感じる一方で、お金を存分に使えずにもったいないなとも思います。若くて元気で、比較的お金にゆとりもあって、自分のしたいことをしたいときにできるチャンスは、今しかないからです。自分が望むこと、やりたいことに正面から向き合い、それを実行する経験も人生では貴重です。そんな贅沢を十分に楽しんでこそ、その後、劇的に変化するであろうライフステージを乗り越えていくエネルギーを養えるのではないでしょうか。
そして、もし自分が独身の時にそれを知っていたならば、「漠然とした不安」をあれほど憂うこともなかったのに、とも思います。自分のためにたっぷり使える時間とお金の豊かさを知っていたら、独身生活をもっと前向きに捉えられたろうにと思えてなりません。
多くの女性にとって、結婚は大きなテーマです。そこに不安がないかといえばおそらく嘘です。でも、漠然とした不安を抱えた自分や、見通しのつかない将来を必要以上にネガティブに捉えることもありません。おひとりさまの身軽さを逆手に取って楽しんでやる! と思えば、きっと心が軽くなるはずです。
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