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写真はイメージです
時給850円〜で働きづめの介護現場。入居者が骨折する事故が何件も…
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20161104-00606700-jspa-life
女子SPA! 11/4(金) 9:10配信
私たちの親や、いずれは私たち自身がお世話になるかもしれない介護士さん。ですが、劣悪な労働環境や、あまりにも給料が安いことで辞めてしまう人が後を絶ちません。
職場環境に悩む介護士や保育士を支援する団体『介護・保育ユニオン』にも、悲惨な状況を訴える介護士がたくさん訪れているといいます。相談者のひとりである介護士のトモエさん(仮名)に、前回の記事に続いて話を聞きました。
◆1日10分の休憩さえ取れず、誰もがイライラ
介護士の資格を取り、当時介護のニーズが高まっていた地域に移り住んだトモエさん。お年寄りが心穏やかな時間を過ごせるようにと、高い志を持って宿泊付きデイサービス施設で働きはじめました。全国にフランチャイズ展開して急成長しているグループです。
ところが、目の当たりにした現実は理想とかけ離れた世界だったといいます。
「受け入れ人数は10名ぐらいの小規模施設で、長期宿泊のかたと通所のかたが半々くらいでした。ただ、24時間を6人のスタッフで回していたので、人手がまったく足りないんです」
入居者の健康確認、入浴や食事、排せつの介助、薬の準備など、一日の仕事は盛りだくさん。なのに、日中はスタッフ2人、夜勤はなんと1人体制で仮眠もろくに取れない。ひとりにかかる負担は大きく、誰もが常にイライラしていたそう。
スタッフ同士の関係も悪く、協力し合える雰囲気もなかったといいます。
「とにかく働きづめで、休憩は10分、15分あればいいほう。取れないことのほうが多かったです。フラフラと出歩いてしまう入居者のかたを、おにぎり片手に追いかけることもよくありました」
◆入居者が骨折する事故が相次いで…
さらに入居者の食事準備までしなければならず、ひとりがキッチンに立ってしまうと現場を見るスタッフの数はさらに減ることに。
「温める程度のかんたんな作業なのですが、どうしても入居者のかたに背を向ける形になるので、転倒などの事故がいちばん起こりやすいタイミングでした。しかも、事故やトラブルが起きて施設の管理者に連絡を入れても電話に出なかったり、『私たちは対応できない』と言われたりして、現場でどうにかするしかなかったんです」
管理者からの手助けはまったくナシ。「手厚い介護どころか、最低限の介助すらできていなかった」とトモエさんは言います。
実際に、開所から数年で、大きな骨折を伴う事故が3件以上起きているとのこと。こんな毎日で、心も体も追い詰められたトモミさんは、ついに体調を崩してしまいます。ところが、どうしても辞められない理由があったといいます。
◆時給は850円〜1,100円。貯金ができず辞められない
「介護士として働くためにこの地に来てひとり暮らしをしているので、収入がなくなると生活していけないんです」
レイカさんの給料は時給制。時給850円からスタートし1年ほどで1,100円まで上がったそうですが、それでも毎月の手取りは15万円〜20万円のあいだを行き来する程度。家賃や光熱費など生活に必要な支払いでほとんど消えてしまいます。
「貯金ができれば次の仕事が見つかるまでの生活費にできるのですが、毎日の生活すら危うくて、そんなゆとりはありません」
ただでさえ低い介護士の賃金。さらにトモエさんの場合は、施設管理者のずさんな計算でまっとうな金額が支払われていませんでした。
「休憩はほとんど取れないのに、“1時間”として引かれてしまう。残業代や深夜勤務の手当などはきちんとついてなくて、どう計算すればこの数字になるのかわからないほど、適当に計算した安い金額しかもらえなかったんです」
体も心も経済的にもすべてが限界に達したトモエさんは、民間の相談所に電話します。そこで「介護・保育ユニオン」を教えてもらい、現在はユニオンを通して未払い賃金=2年で約70万円(!)を請求しています。
「こんなに人手不足では、ちゃんとした介護はできません。たとえ人手が足りていても重労働なので、業界全体で仕事に見合う賃金を考えてほしいです。職場環境と賃金の両方が整ってはじめて、介護の質を高められるのではないでしょうか」
●介護・保育ユニオン http://kaigohoiku-u.com/
TEL:03-6804-7650
contact@kaigohoiku-u.com
<TEXT/千葉こころ>
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