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黒田日銀総裁の「敗北宣言」は新たな戦いの始まり 「真珠湾」の奇襲で日本経済は回復しなかった(JBpress)
http://www.asyura2.com/16/hasan115/msg/291.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 11 月 04 日 07:30:45: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

             日銀はこれから先、強気を装いながら撤退する、きわめて微妙な心理戦を強いられる
    


黒田日銀総裁の「敗北宣言」は新たな戦いの始まり 「真珠湾」の奇襲で日本経済は回復しなかった
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/48304
2016.11.4 池田 信夫 JBpress


 日本銀行は11月1日の金融政策決定会合で、インフレ目標2%の達成時期を「2018年度ごろ」に先送りした。これは2018年4月〜2019年3月という意味だから、黒田総裁の任期である2018年4月までの達成を断念したことを意味する。事実上の無期延期で、黒田氏の「敗北宣言」である。

 これ自体は驚くべきことではない。当コラムでも、黒田総裁の就任当初から「2%の達成は不可能であり、インフレ目標に期限を設けるのはナンセンスだ」と指摘してきた。インフレ目標は中央銀行の裁量を制限するために設けるもので、それを積極的に実現するものではない。まして日銀が「インフレ期待を押し上げる」なんてできるはずがなかった。


■「量的・質的金融緩和」の失敗は予想通り

 2013年4月に日銀総裁に就任した黒田氏は「2年でマネタリーベースを2倍にし、2%のインフレ目標を実現する」という量的・質的金融緩和(QQE)を宣言した。

 これは当初はうまく行っているように見え、日銀の指標とするコアCPI(生鮮食品を除く消費者物価上昇率)は、2014年前半には1.4%まで上がった。しかしその後は下がり、最近はマイナスだ。

 この原因は簡単で、QQEの成功も失敗もすべて円安(ドル高)によるものだ。初期に物価が上がった原因はドル高による輸入インフレだが、これは一時的な効果なので、為替レートが安定すると物価も上がらなくなった。

 円安で輸出企業の収益も上がったが、この効果も一時的なものだ。円安もマネタリーベースとは無関係で、図のように最近は逆相関になっている。


 マネタリーベース(青・億円)と為替レート(右軸・ドル/円)、出所:日銀

 以上はほとんどの経済学者が予想した通りで、しいていえば初期に「偽薬効果」で株価が上がったことが唯一のサプライズだが、これも一時的な効果だった。今後の問題は、GDP(国内総生産)の8割以上に積み上がったマネタリーベースをどうやって縮小するかという出口戦略である。


■負け方を知らなかった日本軍

 QQEは、大胆な緩和宣言で市場を驚かす「奇襲作戦」で、初期には成功した。75年前の1941年12月、山本五十六司令長官の率いる連合艦隊が、真珠湾でアメリカ海軍の太平洋艦隊を撃破したとき日本国民がこぞって拍手を送ったように、「リフレ派」の自称エコノミストは勝利を宣言した。

 しかし1つの作戦で勝つことと、戦争に勝つことはまったく別だ。軍令部(海軍の最高意思決定機関)も真珠湾攻撃に反対したが、山本は「真珠湾作戦が不可なら長官を降りる」と主張して、軍令部を押し切った。

 このような短期決戦の場当たり的な作戦は、日本軍の体質的な欠陥である。それは日本が第1次世界大戦以降の総力戦を経験していないがゆえの未熟な作戦で、桶狭間の奇襲のように1つの作戦で敵を倒せる前近代の戦略思想だ。

 真珠湾は宣戦布告しないで行った奇襲作戦で、成功したのは当然だったが、国民はこれを日本軍の実力と錯覚した。山本は翌年のミッドウェー作戦では短期決戦に失敗し、ガダルカナルでは惨敗を喫した。彼の撤退は遅すぎたが、しないよりはましだった。

 日本経済も、短期決戦で回復させることはできない。黒田総裁は「日銀がインフレ期待を高めれば実際にインフレが起こって景気がよくなる」という奇妙な経済理論を信じていたようだが、そんな理論を提唱する経済学者は世界のどこにもいない。

 デフレの原因は、潜在成長率の低下である。その最大の原因は労働人口の減少だが、それに次いで重要なのは日本企業の制度疲労である。日清・日露戦争のころは戦果を上げた日本軍が総力戦には勝てなかったように、高度成長の環境に適応してできた組織も、環境が変わると生産性が落ちる。

 短期決戦と違って、長期の持久戦では戦力を維持することが重要だ。1つの作戦で勝っても、次の作戦で戦力を失ったら戦争は戦えない。そのとき新たな装備を建造する経済力とともに、作戦が失敗したら次は変更して損害を最小化するダメージコントロールが重要だ。

 ところが日本軍は「必勝の信念」があれば負けないと信じていたので、ダメージコントロールを知らなかった。それを考えたら弱腰と見られるので、指導者は撤退の作戦を考えなかった。兵士には捕虜になったときの教育をしなかったので、捕虜になると秘密をぺらぺらしゃべった。要するに、日本軍は負け方を知らなかったのだ。


■犠牲を最小化するのは財政再建の決意

 この点で、日銀には救いがある。カール・ポパーの反証主義(一例でも理論に反する事実があれば理論は否定されるという思想)を信じる黒田総裁は、彼の理論がこの3年半の日本経済の現実で徹底的に反証されたことを認識しているだろう。

 しかし彼が記者会見で「失敗でした」と言うわけにはいかない。そんなことをしたら市場がパニックになり、国債が暴落するおそれがある。ここから先は、強気を装いながら撤退する、きわめて微妙な心理戦だ。

 極限まで膨張した日銀のバランスシートは日本経済の「時限爆弾」であり、処理を誤ると爆発する。徐々にテーパリング(国債の買い入れ減額)が始まるが、どこかで市場が国債を売り始め、日銀が買い支えてもそれを超えて国債の売り越しが続くと金利の急上昇(国債の暴落)が始まり、今度こそ大インフレが起こるおそれがある。

 これを日銀がコントロールできれば、インフレで政府債務を減額できるが、それができる保証はない。このような財政インフレには、インフレ目標も無意味だ。国債の暴落を防ぐ最終的な担保は、政府の財政再建への決意である。

 政府債務が無限大に向かって発散すると市場が予想すると、日銀が国債を買い支えても売りやすくなるだけだ。政府が大幅な増税や社会保障給付の減額などの緊急措置を出し、政府債務が発散しないことを保証する必要があるが、それを市場が信じるかどうかは分からない。

 山本五十六は1943年4月、搭乗した軍用機が米軍に撃墜されて死んだが、日本軍の戦死者の半分以上は最後の1年に出た。戦争を開始した彼が撤退を指揮すれば犠牲者はもっと少なかったかもしれないが、彼には戦争を止める権限はなかった。犠牲を最小化して「終戦」に持ち込む決断は、安倍首相がするしかない。



 

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コメント
 
1. 中川隆[4797] koaQ7Jey 2016年11月04日 07:53:44 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[5211]
>そんなことをしたら市場がパニックになり、国債が暴落するおそれがある。ここから先は、強気を装いながら撤退する、きわめて微妙な心理戦だ。


こいつ、アホだろ

市場に出ている国債は殆ど日銀が買い占めて、品不足で買いたくても手に入らなくなってるんだ

国債の暴落なんか未来永劫有り得ないんだよ


2. 2016年11月04日 08:42:37 : HjCHbiL9yc : r66eSYUSdgw[119]
>1

政府が新規国債を発行しなければならない以上、国債はどんどん出てくるわけで、いま品不足なのは国債を日銀が高価格で購入しているからに他ならない。あまりに愚かなことを言ってもらってはこまる。


3. 中川隆[4800] koaQ7Jey 2016年11月04日 09:12:05 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[5214]
>>2
国債が暴騰したら日銀がすべて買い取れば解決する話だろ

4. 中川隆[4801] koaQ7Jey 2016年11月04日 09:13:06 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[5215]
>>3訂正

誤:国債が暴騰したら日銀がすべて買い取れば解決する話だろ

正:国債が暴落したら日銀がすべて買い取れば解決する話だろ


5. 2016年11月04日 09:45:53 : nJF6kGWndY : n7GottskVWw[3131]

>「量的・質的金融緩和」の失敗は予想通り

まだ、こういうゴミが続くのだろうな

黒田緩和は成功し、産業崩壊と雇用崩壊を防ぎ

ハイパーインフレにもならず、今では雇用は改善し

実質賃金まで増加している


しかし、金融政策のみで財政政策も構造改革も不十分だったのが問題なのは明らか


と言っても、インフレ率が2%にならなかったと言って騒ぐ

白痴メディアと愚民に理解するのは無理かw



6. 2016年11月04日 20:19:10 : EecjAqlQ9s : H8qiKdPauno[5]
池田信夫の評論がまともすぎてワロタw
お前少し前まではアベノミクス煽ってた側だろw

>黒田総裁は「日銀がインフレ期待を高めれば実際にインフレが
>起こって景気がよくなる」という奇妙な経済理論を信じていたようだが、
>そんな理論を提唱する経済学者は世界のどこにもいない。

提唱してたのはお前じゃないのかw
お前の気がするw
だって信夫だものw
調べてないけど確信に近いものがあるw
してなくても謝る気はない
だって風見鶏信夫だものw

要するにあの信夫ですらアベノミクス見限ったってことだな。
一応経済学者の鱗一枚くらいは残っていたらしいw


7. 2016年11月06日 04:04:56 : 6uFgfWwteg : UUNHCPJ78ig[23]
>>1
やっぱり、おまえは大バカやろうだなwww

お前なぜ日銀が国債10年物金利のO%操作始めたかわかってないだろ?
最近も黒田がなぜ、「超長期の金利はまだ上げ余地がある」から国債買ってくれって、機関投資家や「市場に泣きついてる」かもわからないだろ?w

http://www.asyura2.com/16/hasan114/msg/848.htmlでまったく的外れなコメントしてたやつもいたなwww
>>5よ、そのスレでのコメントでおまえのバカさ加減も笑わせてもらったよ。

-「黒田は「超長期の金利がもう少し上がってもおかしくない」=もっと売られるべき」-とwww

で-「Bloombergも、かなり低レベルなことを書くのがいるな」-だってw
自分のバカを棚に上げてw
ほんとバカとは恐ろしいものだwww

>>1
>>3
>>4のように
日銀が「慈善事業で」国債や、ETF、リートの買い取りやってるって勘違いしてるやつにはどうでもいいんだろうが、マイナス金利導入以降、「短期国債」では日銀はすでに、「損失」を累積し始めている。
昨年度の国債関連は長期国債とあわせれば1兆3000億円ほどのプラスだが
今年度はどうかな、大幅に利益減らす可能性はあるだろう

事業経営してるならw利益を出せなければ出資者に利益分配金もだせないし
「金利収入」や「その他事業の収益」の[一部]を利益剰余金として国庫にいれることもできないだろうにwww

日銀当座預金の一部マイナス付利にしろ、10年物の0%ターゲットにしろ
日銀のバランスシート拡大路線の限界をはっきり示唆してるんだよ

国債買取額現状維持でも、マイナス付利とイルードカーブ・コントロール
(10年物の0%ターゲット)は、いままでのバランスシート拡大路線からは、すでに大幅な後退といってもいい

そういうわけでスレッドの記事の本文の次の部分には心底同意する
「極限まで膨張した日銀のバランスシートは日本経済の「時限爆弾」であり、処理を誤ると爆発する。」

3市場の一過性の暴落くらいですめばいいが…

市場関係者はすでにトリガーに指をかけてる

早い時期に野村證券なんかは来年の8月以降に焦点あわせてるじゃないかwww
さすが、ハイエナは目がいいから1年半-2年先を見越してるんだね。


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