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働けど働けど給料増えず…(画像=PIXTA)
給料なぜ増えない? 急増する「固定残業代」の乱用、過重労働から身を守れ!
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20161025-00010002-nikkeisty-bus_all
NIKKEI STYLE 10月25日(火)16時40分配信
■目立つトラブル
いくら残業しても残業代が増えない。そんな疑問が浮かんだら、自分が「固定残業代」で働いているかどうか確認した方がよい。固定残業代は、残業代の額をあらかじめ一定額と決めて支払う方法だが、事業主に乱用されると、長時間労働や賃金不払いに直結してしまい、最近トラブルが目立って増えている。
関東地方の運送会社に勤務する40代の運転手Aさんは今春、給与明細を見て目を丸くした。それまで見たことがない「固定残業給」の項目がいきなり出現したのだ。
Aさんは、日給8500円の日給月給制で2011年から働いてきた。しかし100時間を超える時間外があった月でも残業代が増えない。不審に思ったAさんは、15年末、労働法が専門の藤川久昭弁護士(クラウンズ法律事務所)や労働基準監督署に相談。会社に説明を求めた。
明細には4月のAさんの勤務日数は22日、基本給は14万5000円弱とあった。日給8500円なら22日分は18万7000円だが、足りない。
すると会社は、Aさんの時給はもともと最低賃金と同額の820円だったと説明した。つまり日給8500円は、時給の8時間分である6560円の基本給と1940円の固定残業代を含んでいたというわけだ。
◇ ◇
Aさんは「固定残業代など一度も聞いたことがない」と反論する。日給の8500円をベースに時間外賃金の支払いを求めているが、会社は「払わない」と平行線だ。
固定残業代とは、労働基準法37条で25%以上増が決められている時間外割増賃金を、定額とする賃金の計算方式のことだ。「勤務手当」「業務手当」「営業手当」などの名目になることが多い。同じく25%以上の深夜割増賃金や、35%以上の休日割増賃金まで含まれることがある。その額が残業で何時間分なのか明示され、時間数の超過分が別払いであれば違法ではない。
問題が起きるのは、Aさんの例のように制度の説明さえない職場や、残業が恒常的に多い職場だ。固定残業代が何時間分か不明では、従業員は正しく賃金が支払われているか判断できない。経営者が、固定残業代を払えばあえて労働時間を把握する必要がないのではと考えると、過重労働が起きてしまう。
この固定残業代がらみのトラブルは最近増えている。雇用トラブルに取り組むNPO法人POSSE(東京・世田谷)によると、固定残業代がらみの相談は13年には31件だったが、15年には71件に増えた。13〜15年の3年間の累計(130件)では、50人未満の企業の従業員からの相談が4割だが、1000人以上の企業も10件(約8%)含まれ、大企業も例外ではない。
固定残業代という制度が乱用されるのはなぜか。中小企業の乱用が多く、人件費をなるべく抑えたいと考える悪質な例も目立つ。加えて、企業と働く側双方から相談を受けている特定社会保険労務士の須田美貴さんは「給与計算の手間を省こうとしたり、労基法を知らなかったりする中小企業の経営者も少なくない」と話す。
大企業はどうか。POSSE代表の今野晴貴さんは、人手不足に悩む新興の大企業で乱用が目立つとみる。「採用難の中で好待遇を演出し、社会経験の浅い若者にアピールするのが目的」と話す。
◇ ◇
そうした中、国は過剰な時間外労働の撲滅や法令順守の方針を打ち出し、是正に動き始めている。
東京労働局監督課の特別監督官、宮地剛史さんは「違法な固定残業代の問題は、割増賃金の不払いを是正する一環として指導している」と話す。14年度中には、固定残業代を理由に時間外労働を集計していなかった美容業を指導し、残業代計6億3000万円を従業員1000人に対しさかのぼって支給させた。金融機関も指導し、こちらは600人に9億4000万円を支給させたという。
厚生労働省は4月末、全国のハローワークに求人票の改善について通知した。内容は求人票の表示で(1)固定残業代は基本給表示に含めない(2)「定額手当」欄に入れる場合は、何時間分か表示し、固定分を超えた割り増しは別払いと明記する――だ。現在、ハローワークの求人票の3分の2が、新基準の表示になったとみられる。
国の規制改革会議も5月中旬、答申の中で賃金を適正に払うよう求めたばかり。固定残業代のあり方への関心はこれまでになく高まっている。
ただ、求職者自身も注意が必要だ。就職は労働契約から始まるという意識が、年齢を問わず求職者側に薄いことにも問題の根がある、と専門家の多くが指摘する。仕事を探す際は、法律で権利が認められている労働条件の明示を企業に求め、労働条件通知書などで内容をじっくり確かめることが、トラブルを防ぐ第一歩になる。
(礒哲司)
NIKKEI STYLE
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