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デフレを促進する安易な最低賃金の引き上げ
政府は昨年に引き続き、最低賃金の引き上げを行なった。市場からの自然な突き上げのない状態で、安易に最低賃金を引き上げると、デフレを促進する元凶となる。
デフレ下では、消費が不足しており、企業の売上が減少しつつあり、価格も低迷している。このような時、賃上げを強行すると、企業にとっては、コストアップとなり、付加価値の低下要因となる。
そのため最低賃金の引き上げは、中間層や、上層部の賃金カットや、賞与のカットなどにつながりやすく、さらに下請けへの低価格の押し付け、納品価格の低下につながり、企業の倒産、廃業、リストラを誘発する。
そして最終的に、最低賃金引き上げ分がそれ以外の製造費用の削減や、倒産、廃業による企業の減少、さらには売上の減少により、市場がさらに縮小する結果になる。そしてデフレがより深刻化するのでる。
皮肉なことに、最低賃金の引き上げが、消費の増加に結び付かず、生産量の増加や、製造コストの上昇により、付加価値の減少を招き、市場が縮小するのである。
滑稽なことの一つは、日本は生産性が低い、潜在成長率が低すぎるとか、嘆いてる専門家や、政治家などが、このようなさらに生産性を低下させることを平気でやっていることだろう。
企業は、賃金アップの製造コストを補うため、あるいは利益確保のため、価格を下げ、売上拡大を目指さざるをえなくなる。
経済学的には、デフレ下では、製造コストアップを補うために、低価格かまたは過剰サービスで、売上増を目指す行動を取るのが普通である。
あるいは、最低賃金増は、リストラで乗り越えようとするかもしれない。一人の労働者の賃金増は、他の労働者のリストラとなり、総製造費用を一定に保つのである。
また労働者にとっては、最低賃金アップは就労刺激要因となり、失業率が下がり、就業率が上がる。恐らく失業率が3%を切るかもしれない。それでも消費が増えず、所得が増えない結果となる。
最低賃金引き上げによる失業率の低下は、生産量を増大させ、生産単位辺りの付加価値が減少させるからである。
デフレ下では収穫逓減の法則が支配しているからである。
最低労働賃金の強制的引き上げは、企業の製造コストアップとなり、企業の低価格販売を促し、付加価値を下げる方向に働く。
また労働者の就労意欲の刺激から、労働量の増大が生産量の増大になり、企業の付加価値が低下する。
結局、生産量の増大が消費を伴った所得増に結び付かず、拡大再生産することなく、より市場の縮小で終わることになる。これがいわゆるマクロの結果である。
最低賃金引き上げによる賃金増が、それ以上のリストラ、廃業、倒産を引き起こし、市場は収縮するのである。
なるほど個人は最低賃金引き上げで潤うが、全体は縮小する。それがデフレ下での強制的な賃上げの宿命である。
このことは、現在の日本の労働市場の労働曲線が右下がりになっていることからも容易に導き出せるであろう。そこから労働賃金の無理な引き上げが、より多くの生産量の減少を伴うことがわかる。
生産量の減少が、リストラ、廃業、倒産を意味していること言わずもがなである。
政府や野党が、我々民衆に甘い甘い言葉、最低賃金を1000円/時間にする事を、主張するが、無い物ねだりや、できない相談であり、このような暴挙を行うと経済が破綻することが分かる。
(今現在、日銀がやっている、マイナス金利や、異常な金融緩和、国債の引き受け、株式買い入れによる株価維持などは、ちまちまやっているより思い切って大量にやった方がよいだろうということで黒田がやったものである。しかしこのざまである。デフレに迎合した政策を取ったからだ。
最低賃金をちょこちょこ上げてうまくいかないのなら、いっそ1000円してしまえ、というのと同じ発想が出るかもしれない。そして完全にこけるのは目に見えるだろう。)
現在の日本は、消費税を8%に引き上げたために、市場の消費額に見合うところまで、生産量を調節している過程にある。
このような段階にある日本の市場で、最低賃金の引き上げが行われたため、生産量の再拡大が、余計に付加価値を減らすことになり、デフレがより早く規模も大きく進行することになる。
最低賃金を引き上げるなら、同時に消費税を5%や、3%に引き下げれば、消費が増え、生産量が伸び順調な拡大再生産に入ったであろう。
この辺の事が全く分からないのが現在の日本の経済専門家や、官僚、政治家たちなのだ。経済の基礎的諸条件の違いによる理論的な帰結を理解していないのだ。
また最低賃金の引き上げは、生産量の増大策であり、消費の拡大策ではない。多くの識者や、専門家や政治家、経済学者、新聞記事等が、賃金引き上げが消費を増やし経済を活性化するものと期待しているが、デフレ下で行われる限り、より窮乏する政策である。
このような拙い、最低賃金の引き上げより、雇用保険の増加と延長の方が得策である。それは生産量の増大の伴わず、消費の拡大につながるからである。
労働曲線が右下がりのデフレ下において、最低賃金の引き上げは、それ以上のリストラ、廃業、倒産を引き起こし、最終的に、より以上のデフレの深刻化となって均衡する。
デフレ下の最低賃金の引き上げは労働の生産性をより悪くし、デフレをさらに深刻化する結果を招く。
よってデフレ下の最低賃金千円も実現不可能なことが分かるであろう。。
一言主
http://blog.so-net.ne.jp/siawaseninarou/
http://www.eonet.ne.jp/~hitokotonusi/
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