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「100日プラン」を発表する井阪驤黶Eセブン&アイ・ホールディングス社長。会見では、過去の投資戦略のW失敗Wを語る場面もあった Photo by Hiroyuki Oya
セブン改革“不発”の舞台裏、百貨店リストラも失速
http://diamond.jp/articles/-/104734
2016年10月18日 週刊ダイヤモンド編集部
セブン&アイ・ホールディングスの井阪隆一社長は、エイチ・ツー・オー リテイリングに百貨店3店舗を譲渡し、資本業務提携することを柱とするグループの構造改革を発表した。これまでの成長を率いた鈴木敏文前会長路線との決別に注目が集まったが、市場からは「ノー」を突き付けられた。(「週刊ダイヤモンド」編集部 田島靖久)
今年7月中旬、セブン&アイ・ホールディングスIR部の金子裕司シニアオフィサーは、井阪隆一社長の特命を受け、阪急阪神百貨店を核に小売業を展開するエイチ・ツー・オー リテイリング(H2O)の役員と極秘に会談していた。
「そごう神戸店など3店を譲渡したい。検討してもらえないか」
金子氏の提案は寝耳に水だったが、関西地域でドミナント戦略を進めているH2Oにとっては願ってもないチャンス。わずか10日余りでトップ会談が実現、数回の交渉を経た後、2カ月余りで両社は資本業務提携することで基本合意した。
巨大流通グループを築き上げた鈴木敏文前会長に代わり、トップに就任した井阪社長は、今年5月26日の就任から100日間をめどにグループの構造改革案、通称「100日プラン」を策定すると表明。133日が経過した10月6日に発表した。
その柱が、そごう神戸店と西神店、西武高槻店の3店をH2Oへ譲渡、そしてH2Oの「Sカード」を関西のセブン−イレブン約2500店でも使えるようにするというもの。その上で、57億円分の株式を相互に持ち合う方向で協議を進めるとしている。
■そごう・西武 全ての引き取りをJ.フロントに打診
H2Oにとって、3店を継承すれば悲願だった売上高1兆円を達成することができ、傘下にないコンビニエンスストアの顧客との接点を持つこともできる。対するセブン&アイも、業績が悪い百貨店事業にメスを入れ、収益を上げている「首都圏の店舗に経営資源を集中させる」(井阪社長)ことができるとしている。
だが、実はセブン&アイは、H2Oより前に、別の流通グループに話を持ち掛けていた。その相手は、大丸松坂屋百貨店やパルコなどを傘下に持つJ.フロント リテイリング。しかも、3店だけではなく「そごう・西武の全てを引き取ってくれと打診していた」(百貨店関係者)というのだ。
複数の関係者によれば、「鈴木前会長が買収を手掛けたものの不採算だった百貨店からの完全撤退をもくろんだが、J.フロントから『もうかっている首都圏の店舗なら欲しいが、お荷物の地方店は引き取れない』と断られた」という。そこで泣く泣く方針転換し、相手をH2Oに代え、内容も「関西3店」にしたというわけだ。
こうした交渉は、そごう・西武の松本隆前社長(10月6日付で退任し、顧問に就任)をはじめとする幹部たちには一切伝えられず、井阪社長とほんの数人の腹心だけで進められた。なぜなら、「100日プラン」の目玉であり、「完全撤退という当初の計画より縮小したものの、絶対に失敗が許されない案件だった」(セブン&アイ幹部)からだ。
■猛烈な反発と社内の力学によりヨーカ堂は中途半端
こうした「100日プラン」に対し、株式市場が出した答えは「ノー」。発表翌日の7日の株価は前日終値比5%下落、日経平均が1万7000円を回復した週明け11日になっても、プラン発表前から300円以上下げたままだ。
というのも、グループ内で最も足を引っ張っているイトーヨーカ堂について、「一部を、住宅や医療機関などを取り入れた複合施設に転換する」との方針こそ示されたものの、追加のリストラ策が発表されなかったからだ。
井阪社長も、大なたを振るおうと挑戦したものの、ヨーカ堂からの「在庫も処分し、赤字幅も縮小しているのに、なぜ悪者扱いばかりされるのか」といった反発の声が強く、プランに盛り込もうとした「新規出店凍結」との文言に対しても徹底抗戦してきたために断念せざるを得なかったという。
「ヨーカ堂の社長は、一回り以上年上の亀井淳さんだし、持ち株会社には鈴木さんさえ気を使った創業家出身の伊藤順朗さんが取締役として残っている。井阪さんも頑張り切れなかった」(別のセブン&アイ幹部)との見方がもっぱらだ。
だが、井阪社長は「まだ諦めてはいない」(同)という。「春にも行う人事異動で、自らの戦略を推進できる体制にし、再チャレンジしたいとの意向があるようだ」(同)というのだ。
井阪体制は、混乱を収拾させるために誕生した側面が強く、「グループ内は、まだ一枚岩ではない」(別の幹部)。だからこそ今回のプラン策定では、強烈なリーダーシップを示す必要があった。それも不発に終わった今、体制を刷新しようにも容易なことではなく、井阪社長が難しいかじ取りを迫られていることに変わりはない。
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