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ヘリコプターマネー、日銀の金利操作が種となり財政拡張で芽吹きも
野沢茂樹、Kevin Buckland
2016年10月11日 00:00 JST
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• 世界中のアナリストが日本の財政規律の行方を懸念
• バーナンキ氏は長短金利操作には「米国の先例がある」と指摘
政府の財政支出を中央銀行が紙幣増刷で賄う「ヘリコプターマネー」。長期金利も誘導目標にするとした日本銀行の金融緩和政策が、その実現を将来的に支える可能性があるとの見方が出ている。
日銀は先月導入した「長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)」で、日銀当座預金の一部にマイナス0.1%の付利を課す従来の短期金利の誘導に加え、10年物国債利回りがゼロ%程度で推移するよう長期国債の買い入れを行う。現在は、イールドカーブをおおむね現状程度の水準に保つため、超長期債を中心に買い入れを減らしている。だが、財政への信認低下などで金利上昇圧力が強まれば、逆に購入額を増やさざるを得ない可能性があると前米連邦準備制度理事会(FRB)議長のベン・バーナンキ氏らは言う。
バーナンキ前FRB議長
Photographer: T.J. Kirkpatrick/Bloomberg
バーナンキ氏は日銀が新たな枠組み導入直後に自身のブログで、10年債利回りを誘導目標にした点が「最も驚きで、興味深い」と述べ、政府の借り入れコストをゼロ%に抑える政策には財政ファイナンスの要素があり、年限がさらに長い国債に誘導目標を設け始めれば、類似性はさらに明らかになると指摘した。同氏は、日銀は財政政策との協調を明言しないが、金融緩和との相乗効果に満足していると推測している。
こうした潜在的なリスクを指摘するのは「ヘリコプター・ベン」の異名を取る前FRB議長だけではない。みずほ証券から北欧最大手銀行のノルデア銀行(ストックホルム)に至るまで、世界中のアナリストが日本の財政規律の行方や将来的な円相場の急落とインフレ加速の恐れに触れ、今回導入した枠組みが無力化する可能性などに言及している。
黒田日銀総裁
Photographer: Buddhika Weerasinghe/Bloomberg
みずほ証券の丹治倫敦シニア債券ストラテジストは、日銀の新たな枠組みは「将来的な財政面でのリスク要因としても注目すべきだ。ヘリコプターマネーへのハードルは一段階下がった」と指摘。「金利上昇に対しては事実上のキャップ制なので、財政拡張が続いて金利が上がれば日銀は抑えにかかり、自動的にヘリコプターマネー的になる。あとは財政次第になった」とみている。
https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/iEgpfYhgNoo0/v2/-1x-1.png
ヘリコプターマネーは、ノーベル経済学賞受賞者のミルトン・フリードマン氏が景気刺激策を1969年に比喩的表現したことで知られる。財の量に対して通貨供給量が増え過ぎるとインフレが発生するという同氏の理論は、ポール・ボルカー氏、アラン・グリーンスパン氏、ベン・バーナンキ氏ら1979年からの歴代FRB議長に影響を与えたとされる。世界に広がる低成長・低インフレの長期化で、20カ国・地域(G20)が金融緩和のみに頼った景気支援効果の限界を認識する中、ヘリコプターマネーに関する話題は尽きない。
世界経済の長期停滞論を唱えるサマーズ元米財務長官は9月末に都内で開かれた日銀関連の討論会に出席し、各国は金融・財政政策のさらなる一体的な推進に努めるべきだと述べた。日銀の長短金利操作は長期金利を低水準に抑えることで、より拡張的な財政政策が可能となるため、建設的な措置になり得るとした。
バーナンキ氏によれば、日銀が導入した新たな枠組みには米国の先例がある。実際、FRBは1942年から51年まで、長めの米国債の利回りが2.5%以下になるよう買い支える事実上の金利ペッグ制を実施し、米政府の借り入れコストを抑え、第2次世界大戦の戦費調達を支えた。
BNPパリバ証券の白石洋シニアエコノミストは、日銀の金融緩和策をヨットの航海に例え、「まだ岸までかなりの距離がある中で、だんだん燃費が悪化し、残りの燃料も少なくなってきたので、エンジンの回転数を下げて追い風を待つ作戦に転じた」と指摘。世界経済の回復や安倍内閣の構造改革で自然利子率が高まるのが「良い追い風」だが、財政拡張の長期化を背景としたインフレ高進に陥れば「悪い追い風」になると話した。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-10-10/OEPWAK6JTSE801
8月の経常黒字は2兆8億円の黒字−貿易収支が黒字転化、予想上回る
高橋舞子
2016年10月11日 09:22 JST
モノやサービスを含む海外との総合的な取引を示す経常収支は、8月速報で26カ月連続の黒字となった。原油安を背景に貿易収支が前年同月比で黒字転化し、市場予想を上回った。
財務省が11日発表した国際収支統計によると、経常収支は2兆8億円の黒字。前年同月比で23.1%増加した。前月は1兆9382億円。ブルームバーグの調査による予想中央値は1兆5027億円の黒字だった。
輸出額は9.6 %減の5兆3019億円、輸入額は18.3%減の5兆587億円で、貿易収支は2432億円の黒字となった。貿易黒字は7カ月連続。また、海外配当金や債券利子などの第一次所得収支は2.8%減の1兆9853億円と6カ月連続で減少した。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-10-11/OEO1JI6JTSEB01
ドル・円が104円に接近、米利上げ観測や原油高・株高でリスク選好
小宮弘子
2016年10月11日 09:48 JST
12月の米利上げを「淡々と織り込もうとしている」−上田ハーロー
クリントン候補が優勢との見方もリスク選好の流れを後押し
11日の東京外国為替市場ではドル・円相場が続伸し、1ドル=104円に接近している。米国の年内利上げ観測や原油高・株高を受けたリスク選好の流れを背景にドル買い・円売りが優勢となっている。
午前9時35分現在のドル・円は前日比0.3%高の1ドル=103円88銭前後。前週末発表の米雇用統計が予想を下回ったことを受け、102円台後半まで反落していたが、10日の海外市場では103円台後半までドル買い・円売りが進み、この日の取引ではさらに103円95銭まで値を切り上げる場面があった。
上田ハーロー外貨保証金事業部の小野直人氏は、米雇用統計は悲観する内容でもなく、市場は12月の米利上げを「たんたんと織り込もうとしている」と指摘。「ドル売り材料が限られる中でドル・円は底堅い流れが続きそう」と予想している。
10日のニューヨーク原油先物相場は急反発し、約1年ぶり高値で引けた。石油輸出国機構(OPEC)は減産合意を正式にまとめられるとサウジアラビアが楽観を示し、ロシアは減産合意が成立すればこれに参加する可能性があると明らかにした。同日の米国株はエネルギー株主導で反発。祝日開けの東京株式相場も上昇して始まっている。
先週末発表された9月の米雇用統計では雇用の伸びが市場予想を下回り、失業率が5カ月ぶりに上昇したが、市場の年内利上げ期待に大きな変化は見られていない。金利先物市場動向に基づくブルームバーグの算出では、12月の米利上げ予想確率は68%と、雇用統計が発表される前日の6日時点の64%から小幅上昇。一方、11月の確率は24%から17%に低下した。
この日はシドニーでシカゴ連銀のエバンス総裁が講演する。今週は12日に9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録が公表されるほか、14日に米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長の講演、9月の米小売売上高の発表が予定されている。
米大統領選で民主党のクリントン候補が優勢との見方もリスク選好の流れを後押ししている。9日夜の米大統領候補による第2回テレビ討論会後にCNN・ORCが実施した世論調査によれば、クリントン氏が勝利したと視聴者の57%が回答、共和党のトランプ氏勝利の回答は34%だった。ライアン米下院議長は10日の共和党下院幹部会でトランプ氏を擁護しないと発言した。トランプ氏劣勢との見方や原油価格の上昇を背景にメキシコ・ペソは10日に対ドルで2%上昇し、約1カ月ぶり高値を付けた。
トランプ候補とクリントン候補
トランプ候補とクリントン候補 Photographer: Daniel Acker/Bloomberg
ノムラ・インターナショナルの後藤祐二郎シニアFXストラテジスト(ロンドン在勤)は、2回目のテレビ討論を経て、世論調査でクリントン氏のリード確保が示されれば、ドルは上値を試しやすい展開になると指摘。ドル・円は米雇用統計の発表前に一度104円台に乗せたので、もう一度104円台を回復する方向になる可能性はあると話した。
朝方発表された日本の8月の国際収支で経常収支は2兆8億円の黒字と市場予想を上回る黒字となったが、円相場への影響は限定的となっている。8月の貿易収支は2432億円の黒字(予想1165億円の黒字)だった。
日本銀行の黒田東彦総裁は8日のワシントンでの講演で、追加の金融緩和について「現時点では必要ない」と述べたと、10日付の読売新聞朝刊が報じた。黒田総裁は同日、ブルームバーグテレビのインタビューで、金融緩和策にはなお拡大の余地があり、当面は国債買い入れプログラムを縮小する意図はないと述べた。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-10-11/OEUWZ86S973701
日本株は反発、米景気堅調と政治リスク後退−日経平均1万7000円回復
鷺池秀樹
2016年10月11日 08:00 JST 更新日時 2016年10月11日 09:19 JST
11日の東京株式市場は反発して始まった。米雇用統計や米大統領選のテレビ討論会を通過して米景気は堅調との見方が強まり、為替の円高ドル安が一巡した。過度な業績不安の後退で電機など輸出関連株が買われているほか、原油高を受け鉱業や石油株も上昇。
TOPIXの始値は前営業日比3.29ポイント(0.2%)高の1353.90、日経平均株価は76円22銭(0.5%)高の1万6936円31銭。その後日経平均は取引時間中としては9月9日以来となる1万7000円台に乗せた。
米労働省が7日に発表した9月の雇用統計は、非農業部門雇用者数(事業所調査、季節調整済み)が15万6000人増えた。市場予想の17万2000人増を下回ったものの、連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長が指摘した3カ月移動平均は高水準で推移している。アイザワ証券の飯田裕康投資リサーチセンター長は、米雇用統計が想定より悪かったにもかかわらず一方的に円高が進まなかったことで、「1ドル=100円を割れる円高は回避されるとの見方が強まり、企業業績への警戒が和らぐ」と述べた。
11日朝の為替市場でドル・円は1ドル=103円80銭台で推移。日本の3連休中に付けた1ドル=102円台から円安ドル高方向に振れている。7日の東京株式市場の終値時点は103円93銭だった。
東証
東証 Photographer: Yuriko Nakao/Bloomberg
日本時間10日午前の米大統領選候補による第2回テレビ討論会は、政治リスクの後退として株式市場にプラスと受け止められた。討論会後のCNN・ORCの世論調査では、民主クリントン氏が勝利したと視聴者の57%が回答、共和トランプ氏勝利の回答は34%だった。
また、ロシアのプーチン大統領はイスタンブールで開かれた世界エネルギー会議(WEC)で、石油輸出国機構(OPEC)と協調する用意があると表明。これを受け、10日のニューヨーク原油先物は前営業日比3.1%高の1バレル=51.35ドルと急反発、15年7月15日以来の高値で引けた。米国株式市場ではエネルギー株がけん引する形で主要株価指数がそろって上昇。S&P500種株価指数は同0.5%高だった。
東証33業種は原油高を受け石油・石炭製品、鉱業、卸売が上昇率上位、精密機器、電気機器も高い。その他金融、空運、小売、ゴム製品、鉄鋼は下落。
東証1部売買代金上位では自己株式消却のソフトバンクグループのほか、村田製作所、トクヤマ、デンソー、鹿島が高く、JFEホールディングス、日本取引所グループは安い。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-10-10/OEUSBW6JTSFM01
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