http://www.asyura2.com/16/hasan114/msg/152.html
Tweet |
どちらも「反TPP」は同じ(C)AP
欧米の反グローバリズム傾斜に政権は無為無策 日本経済一歩先の真相
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/191235
2016年10月7日 日刊ゲンダイ
アメリカの大統領選挙がいよいよ、大詰めを迎えている。気がかりなのは民主党のヒラリー・クリントン、共和党のドナルド・トランプ両候補とも「反TPP」では足並みを揃えていることだ。その背景には、超大国に渦巻く内向き志向と反グローバリズムに傾斜する姿が浮かび上がる。
この国の今後の針路にとって、米国の反グローバル化は大きな障壁となり得る。日本ほどグローバル化の恩恵を受けてきた国はないからだ。
1990年代のバブル崩壊以降の大不況と不良債権処理問題の長期化から何とか立ち直れたのも、最大の要因は冷戦後のグローバル化の激流にうまく乗ったことに尽きる。
日本企業は安価で豊富な労働力を求め、アジアの新興国に軒並み進出。国内から次々と製造拠点を移転させ、現地生産品の逆輸入もどんどん増えていった。グローバル化によるコスト削減と、人員のリストラ策によって、この国の経済はバブル後の混迷から何とか息を吹き返したのだ。
その結果、かつては「貿易立国」と呼ばれた日本の貿易収支の黒字幅は年々縮小し、ここ数年は赤字に転落。代わって伸びているのが、海外子会社の稼ぎを反映する「所得収支」の黒字だ。
財務省発表の2015年の国際収支によると、所得収支の黒字は前年比2兆6563億円増の20兆7767億円と過去最大になった。海外に生産拠点を構える子会社が利益を日本の本社に送り、その金額が貿易赤字を埋め合わせている。
日本と海外の金の出入りを示す「経常収支」が黒字を維持しているのは、グローバル化による企業の海外進出があってこそ、だ。
日本がたっぷりと恩恵を受け続けたグローバリズムの果実は今、米大統領候補2人の「反TPP」方針によって最大の岐路に立とうとしている。米国の参加しないTPPは、もはや「環太平洋」の経済連携協定とは言えまい。移民・難民の問題を抱える欧州一帯も反グローバリズムへの傾斜を強めている。欧米全体が反グローバリズムに染まれば、日本経済の未来を危うくする。
最新の日銀短観の結果をみても、企業心理を覆う不安の霧は少しも晴れていない。GDPのゼロ成長が続く中、海外進出の道が閉ざされると、日本経済は生き残る道を閉ざされかねない。
グローバリズムの象徴でもあるTPPの意義が失われつつあるのに、安倍首相はノープラン。今国会での批准と関連法案の成立をひたすら目指している。目の前に反グローバリズムという“巨大な氷山”が次第に近づいてきても、直進あるのみのかじ取りは危うい。日本経済がタイタニック号のように沈没しないことを祈るばかりだ。
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 経世済民114掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。