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黒田総裁率いる日銀の金融緩和で不動産市場に流れ込む大量のマネー。その先にあるものは…
不動産バブルはなぜ起こる? 行き場を失ったマネーを「歓迎」する業界体質
http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20161002/ecn1610020830002-n1.htm
2016.10.02 夕刊フジ 本当は教えたくないマンション業界の秘密 榊淳司
マンションを含めた不動産の市場価格というのは、どういう仕組みで形成されるのか。
基本は「需要と供給の関係」である。買いたい人が多ければ不動産価格は上がる。売りたい人が多ければ下がる。売り手と買い手の「綱引き」で取引価格が決まるはずだ。
ところが、世の中の金融システムが進化するにしたがって、不動産取引にもう1つの要素が深く関係するようになった。それは、他ならぬ「マネー」である。
不動産には限りがある。ところが、管理通貨制度のもとではマネーには限りがない。通貨発行機関である中央銀行がマネーを増やそうと思えば、それこそ無限に増やせる。
例えば、この日本。2013年の3月に黒田東彦(はるひこ)氏が日本銀行の総裁に就任してから、市場に出回る「円」の総量は大幅に増えた。
さらにマネーには利用コストがかかる。金利である。これも下がり続けて、今や長期金利は限りなくゼロに近く、一部ではわずかながらにマイナスである。
量が増えて、利用コストもゼロに近くなったマネーはどこに行ったのか。
黒田総裁の意図は、お金をジャブジャブと市場に供給して、その価値を下げること。すなわち、物価を上げることを狙ったのだ。目標は年率2%。
物価が上がると企業収益が改善し、それが給料として個人に分配され、経済全体が良くなる、という理屈だ。
ところが、実際に物価はほとんど上がっていない。むしろ下がり気味。約4倍に増えたマネーの多くは国内の一部不動産市場に流れ込んでバブルを生みだしている。「金利0・5%で借り入れて利回り3・5%のビルを買う」といった不動産投資が行われているのだ。
では、不動産以外の物価はなぜ上がらないのか。
まず、一般の工業製品には限りがない。生産設備は世界レベルで過剰だ。自動車や家電、パソコンなど、あらゆる工業製品は実際の需要以上に生産されている。だから激しい価格競争が起こるので価格が上がりにくい。
さらに日本のような成熟した先進国では、国民の隅々まで必要な工業製品が行き渡っている。「金利が安いから今のうちにお金を借りて冷蔵庫とエアコンを買い替えよう」といった需要は、ほとんど期待できない。
一方、企業は多少の利益が出ても未来に明るい展望を持っていないため、人件費圧縮の手を緩めない。当然、雇用者への利益分配を抑える。その分、留保金を積み増す。新たな設備投資も抑制する。
その結果、行き場を失ったマネーが不動産に流れ込んでいる。不動産業界はそうでなくても「バブル大歓迎」の体質があるので、「行けるところまで行こう」と走り続けている。
マネーが増え続けることはあり得ないだろう。中国では今、日本の数倍規模でバブルを延命させる実験を行っているが、どういう結果を招くのか世界が注目している。
■榊淳司(さかき・あつし) 住宅ジャーナリスト。同志社大法学部および慶応大文学部卒。不動産の広告・販売戦略立案の現場に20年以上携わる(www.sakakiatsushi.com)。著書に「マンション格差」(講談社現代新書)など多数。
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