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「夫婦控除」は専業主婦世帯にとって“冬の到来”を意味しているのか…
「夫婦控除」は専業主婦世帯にとっての“冬”なのか? 控除額5万円程度なら実質増税に…
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160929-00010000-otonans-bus_all
オトナンサー 9月29日(木)12時6分配信
突然ですがクイズです。今話題の「配偶者控除」ですが、これは「所得控除」でしょうか、それとも「税額控除」でしょうか。
正解は所得控除です。
ファイナンシャルプランナー(FP)としてさまざまな相談に乗っていると、両者を混同している方が多いように感じます。
そもそも控除という言葉は「除く」という意味ですが、税制上はさまざまな控除があり、そのことがわかりにくさの原因になっているのかもしれません。
本題である配偶者控除の見直しにも密接に関係するため、まずはこの2つの「控除」の違いについて説明します。
税金はさまざまな控除が適用された後の額にかかる:加藤圭祐作成
■所得から差し引かれるのが「所得控除」
控除は「会社の経費」に置き換えて考えるとわかりやすくなります。
例えば、売上高10億円の会社で人件費や原材料の仕入れなどの経費が8億円であれば、利益は2億円です。税金はこの2億円にかかるのであって、売上高10億円にかかるわけではありません。
個人も同じで、例えば年収500万円の人の場合、500万円に税金がかかるわけではなく、控除後の金額に税金がかかります。
主な控除は以下の通りです。
◯基礎控除38万円(全員に適用される控除)
◯給与所得控除(以下に基づいて計算)
給与等の収入金額 控除額
180万円以下 収入金額×40%(65万円に満たない場合は65万円)
180万円超360万円以下 収入金額×30%+18万円
360万円超660万円以下 収入金額×20%+54万円
660万円超1000万円以下 収入金額×10%+120万円
1000万円超1200万円以下 収入金額×5%+170万円
1200万円超 230万円(上限)
◯社会保険料控除(社会保険料が全額控除される)
◯生命保険料控除
◯地震保険料控除
など。
配偶者控除38万円(住民税は33万円)もこの中に含まれます。
これらの控除は所得(年収)から差し引かれるため「所得控除」と呼ばれます。税金はこれら所得控除を差し引いた後の345万円にかかることになります。
■「税額控除」の代表格は住宅ローン控除
それでは実際の税金額を計算してみましょう。所得税と住民税は以下の表を用いて計算します。
所得金額 税率(所得税+住民税) 控除額
195万円以下 15% 0円
195万円以上330万円以下 20% 9万7500円
330万円以上695万円以下 30% 42万7500円
695万円以上900万円以下 33% 63万6000円
900万円以上1800万円以下 43% 153万6000円
1800万円以上4000万円以下 50% 279万6000円
4000万円以上 55% 479万6000円
所得金額が345万円であれば「345万円×30%−42万7500円(控除額)=60万7500円」。つまり年収500万円の人の場合、税金は60万7500円(概算)という計算になります。
この60万7500円からさらに差し引かれるものが「税額控除」です。「住宅ローン控除」がその代表格で、最終的な税額から差し引かれるため税額控除と呼ばれます。
■「夫婦控除」が5万円程度なら専業主婦世帯は増税
配偶者控除の今後については、まだまだ検討段階のため何とも言えませんが、所得控除である配偶者控除を廃して、結婚している世帯に一律の税額控除を適用するプランが濃厚のようです。
これは便宜的に「夫婦控除」と呼ばれていますが、例えば「5万円程度の税額控除(所得税と住民税合わせて)」とした場合、専業主婦世帯に現在適用されている配偶者控除と比較するとどうなるでしょうか。
世帯主の年間所得 現在の配偶者控除による節税効果(概算)
300万円(税率15%) 5万7000円
400万円(税率20%) 7万6000円
500万円〜900万円(税率30%) 11万4000円
900万円〜1100万円(税率33%)12万5000円
注:税率は所得税と住民税を合わせたものです。
つまり夫婦控除が5万円であれば、いずれの年収の専業主婦世帯も実質的に増税になります。逆に共働き世帯は現在、配偶者控除が適用されていないため、夫婦控除はそのまま減税につながります。
■さらに厚生年金加入のバー引き下げも
今回の配偶者控除見直しは「共働き世帯と専業主婦世帯の差を是正する」「いわゆる『103万円の壁』をなくして女性の社会進出を後押しする」ことが目的とされていますが、政府・与党からすれば税収減は避けたいのが本音でしょう。
しかし前述のように、一律の税額控除が導入された場合、共働き世帯にとっては減税となるため、共働き世帯が専業主婦世帯より多い現状においては大幅な税収減となることが予想されます。
今まで専業主婦だった人や、「103万円の壁」を理由に働くことをセーブしていた人が働くことで税収が増えることも予想されますが、それによって共働き世帯の減税をカバーできるかどうかは疑問です。
あくまで個人的見解ですが、夫婦控除が税額控除だとしても5〜6万円程度で、ほとんどの専業主婦世帯では増税になるのではないかと思います。つまり、共働き世帯の減税分を専業主婦世帯への増税で補う構図が見え隠れするのです。
今年10月からは厚生年金の加入基準も変わり、週20時間労働、年収106万円以上の人は加入が義務付けられます(従業員501人以上の企業)。「女性の社会進出」と言えば聞こえは良いですが、実際には「奥さんが働かない世帯は増税するよ」というメッセージにも聞こえます。
配偶者控除の見直しに厚生年金加入のバー引き下げ――。専業主婦世帯にとってはまさに「前門の虎、後門の狼」の厳しい時代に突入するかもしれません。
加藤圭祐
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