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日本、国別幸福度調査で53位…1位のあの国、1日7時間以上の労働NG、定年退職なし
http://biz-journal.jp/2016/09/post_16736.html
2016.09.26 文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事 Business Journal
国際連合は、2016年度版「世界幸福度報告書(2016 World Happiness Report)」を発表しており、これによると「世界で最も幸せな国」、つまり国別幸福度ランキングの1位はデンマークです。ちなみに2位はスイス、3位はアイスランド、4位はノルウェー、5位はフィンランドと続き、日本はなんと53位。北欧の一角であるスウェーデンは10位でした。総じて、北欧諸国の幸福度が高いことがわかります。
人口が約560 万人といわれるデンマークは、ドイツと国境を接しバルト海と北海に挟まれたユトランド半島と、その周辺 407 の島から成り立っている国で、55 万人が住む首都コペンハーゲン市は北側のスカンジナビア半島のスウェーデンに隣接しています。国土の総面積は 431 万ヘクタール で世界130位。61位で3779万ヘクタールの日本より、かなり狭いのですが、農用地が60%、森林地は14%を占めています。
デンマークの幸福度が高い理由のひとつは、労働時間が短いことです。週37時間までしか労働しないという協約があり、月曜日から金曜日まで働いたとして、1日7時間労働になります。年間5週間の有給休暇を取るという制度もあるので、日本と比べるとかなりの差があります。
女性の社会進出率も70%以上であり、本当の意味での男女同権が実現しているのかもしれません。女性が社会進出することを支える行政のシステムも、日本とは比ぶべくもないほどの充実ぶりです。保育施設の利用料補助をはじめとして、教育制度が整っているので、女性が外で働くのに適した環境が整備されています。
また、定年という制度がなく、退職の時期は自分で決断するというのも素晴らしいことだと思います。保障制度がしっかりしているため、貧困率の低さも世界一です。税金は高いですが、国民はそれを受け入れ満足しているといえます。その結果として、幸福度が高いと考えられます。
■100%オーガニック農業を目指すデンマーク
日本の九州とほぼ同じくらいの面積しかないデンマークですが、農産物に関しては世界有数の輸出国で、欧州各国をはじめ日本や中国、東アジアに向けて、豚肉や乳製品などを輸出しています。明確な農業戦略を持っており、「競争力ある輸出産業としての農業」「環境や気候への影響を抑えた農業」を表明し、推進しています。
コペンハーゲンの公的機関で出される食事の88%はオーガニック食材といわれるくらいにオーガニックが定着している国ですが、そもそもは1920年代にルドルフ・シュタイナーが説いた生物機能学によって啓発されたことによります。
現在、デンマークはオーガニック農産物をドイツ、スウェーデン、オランダ、フランスなどのEU諸国にも輸出し、シェアを伸ばしています。また、すべての食品の売上高の7.8%がオーガニックであることも注目に値します。国内のオーガニック農業の栽培面積シェアが0.4%の日本とは大きく違います。それだけではなく、デンマークが行っている素晴らしい取り組みのひとつは、2020年には農業を100%オーガニックにしようという試みです。
遅まきながら日本も、06年12月に「有機農業の推進に関する法律」が制定されましたが、それ以降もオーガニックの比率が伸びたわけではありません。15年2月25日には「有機農業の推進に関する全国会議」を開催し、180名の有機農業者、団体、行政等の有機農業関係者が出席しています。そして翌16年2月29日にも再び「有機農業の推進に関する全国会議」を開催しましたが、この時の出席者は150名と、前年より30名も少なくなってしまいました。
要するに農林水産省は、日本にオーガニックが定着することを本気で望んでいるとは考えにくく、そこに力を注ぐ気もないと見て取れる結果といえるでしょう。
■消費者の意識に変化の兆し
私の友人に、農協に勤務しながら、そのような農水省のあり方に対し非常に批判的な人が何人かいます。しかし、圧倒的に少数派であり、真面目に長年にわたって勤めているにもかかわらず、その体制に批判的なことから閑職に追いやられ、自らの出世は望むべくもなく、当然のことながら天下り先もありません。しかし、日々農協職員としての正しいあり方を模索しつつ、がんばっているのです。
彼らの努力が報われるかどうかはわかりませんが、日本の農業者もずいぶんと変わってきました。たとえば、慣行農法(従来の農薬や化学肥料を使った農業のこと)を行っている農業者の49%は、「条件が整えばオーガニックに切り替えたい」と答えています。また、新規就農を希望する人たちの28%は、「最初からオーガニックでやりたい」と考えています。
消費者の意識にも変化の兆しがあり、オーガニック農産物に関して、44%の人たちが「すでに購入している」と答えており、「一定の条件が揃えば購入する」と答える人は55%もいるのです。そしてオーガニック農業が農薬・化学肥料を使用しないことで、環境への負荷を減らす役割があることを知っている人は80%を超えています。これは劇的な変化といっていいでしょう。
農水省は、オーガニック農業の推進及び普及の目標として、18年度までにオーガニック農業の耕地面積の割合を現状の0.4%から1%にまで引き上げるという低い目標を掲げていますが、それすらも本気で達成しようとしているかは不明です。したがって、残念ながら日本におけるオーガニックの普及は、民間レベルで進めていかなければならないのです。
本来であれば、デンマークのようにオーガニック農業に力を注ぎ、農作物を輸出することまで考えて政策を立てるべきですが、“今だけ金だけ自分だけ”しか考慮しない官僚と政治家が牛耳っている限り、それは夢のまた夢でしょう。
■オーガニック農業は生産性が高い
このようなことを言っていると必ず、「すべての農業をオーガニックにしたら、人類全体が飢えてしまう」などという的外れな心配をする人がいるので、米カリフォルニア大学のヴァシリキオティス博士の研究成果を紹介しておきます。
彼は「オーガニック農業は慣行農業より生産性が高く、オーガニックへの転換こそが、農産物生産の維持、増産に資する」と述べています。その根拠として、8年以上にわたる実際の農産物の栽培において、オーガニックは慣行農業に匹敵し、トマト、ひまわり、とうもろこし、豆類などではオーガニックのほうが、慣行農業より収穫量が多かったことを挙げています。それは土壌中の炭素量と貯蔵された栄養成分がオーガニックのほうが多く、長期的に肥沃度を維持するためにはオーガニックのほうが有利であるのです。
結論として、オーガニック農業は害虫による損失や収穫の劇的な減少をもたらさないということです。農薬・化学肥料を製造、販売する企業や、それに群がる御用学者たちは、オーガニックは収量が減じるというデマを流すことで農薬や化学肥料の売り上げを伸ばし、人々を洗脳してきました。しかし、農薬や化学肥料などを使わなくても収量の損失は防げ、そのうえオーガニック農業が環境維持や土壌の肥沃度を向上させ、表土の流出を防ぐということもわかったのです。
これまでの慣行農業が、環境に悪影響を及ぼしてきたことは明白な事実です。いつかはオーガニック農業に転換しなければならない日が確実にきます。
ヴァシリキオティス博士は「今や、オーガニック対慣行農業の比較は不要であり、オーガニック農業を改善するための研究をすぐにでも行うべき。オーガニック農業への転換だけが農産物生産を維持し、また増加させることができる」と述べています。
皆さんも、そろそろ真剣にオーガニックのなんたるかを考えてみてはいかがでしょうか。
世界的に見ても非常にレベルの高い技術を持つ日本の農業者が、本気でオーガニックに取り組んだとしたら、デンマークなど相手ではないはずです。
今からでも決して遅くはありません。日本は世界一のオーガニック農業国を目指すべきだと思います。また、それは十分に可能です。願わくば、それに伴って、日本人の幸福度が劇的に上がっていってほしいものです。
(文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事)
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