http://www.asyura2.com/16/hasan113/msg/580.html
Tweet |
雑感。独立法人の役員報酬
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52855634.html
2016年09月24日 在野のアナリスト
総務省が携帯電話の回線使用料を見直し、格安スマホの普及につとめる方針です。しかしこういう対策をすすめなければいけないほど、国民が貧しくなっているという意味では、素直に喜べる話でもありません。しかも格安スマホがすすんだとて、国民の消費が活発化するとも思えません。今後は企業業績が急速に悪化し、賃上げもすすまない。それどころか一時金の大幅な減額がみえています。さらに安倍政権がめざす正規と非正規との差をなくす、という施策によって、全体が底上げされるわけではない、となれば尚更でしょう。全体をさらに押し下げ、平等感を打ち出そうというなら、消費は停滞することが確実です。底上げとなれば企業の体力を奪う、成長産業のない日本では、このジレンマから脱せられない限り、消費そのものには何の期待ももてないことにもなりそうです。
しかし給与が増えてウハウハなのが、独法の役職員です。13年から専門性のある人材確保を目的に、給与水準の弾力化がすすめられたため、軒並み給与が引き上げられました。GPIFの理事長らは3000万円越えです。昨年は大幅な運用損をだしていますし、理事長にどんな専門性が必要なのかも分かりません。役職員が運用方針を決めているわけでもありませんし、まさか日々の取引に役職員が指示をだしているわけでもない。正直、管理職さえいれば事足りる組織に、高額の報酬をうけとる『専門性の高い』役職員は不要です。
しかし独法の事務・技術系職員の年間給与の平均は、677万円。国家公務員よりも高い、とされます。ただ国家公務員も、実はもっと高く、低く見えるよう管理職を抜いているともされるので、実はもっと高いかもしれない。安倍政権が本来目指すべきは、官民格差の解消なのでしょう。どうして官の側の方が民間平均より高いのか? 大企業の給与を参考にして人事院が勧告する、としていますが、その大企業が正規、非正規との差を解消する方向で正規を下げるなら、どういう反応をするか? 恐らく引き下げとはならないでしょう。上げていい、となったら損をだしても役職員の給与を引き上げる破廉恥漢ですし、この独法には、もんじゅで不祥事続きだった原研も含まれるのです。損をだしても、失敗しても給与の下がらない職場など、モチベーションが上がるはずもありませんし、コスト意識も、安全に、かつ確実に成果をだす、という意識が崩壊しているとも読みとれます。
『社会契約論』を記したルソーは、国家とは市民が生命や財産を譲渡する、という社会契約によってのみ成立する、としました。国王がいても、単なる行政官に過ぎない、とも。これがフランスの市民革命につながる思想となりますが、日本も行政官が国民を統治しているのだ、という勘違いを改めない限り、そろそろ革命によって変化をもたらさないと…という機運がおきるのかもしれません。ちなみにルソー、仏国王から申し出のあった年金の需給を断り、田舎にひきこもった経歴の持ち主です。しかしこのルソー、立派な人物というわけではなく、自己中心的で社交界になじめず、年金をもらうと国王をはじめとした上流階級と付き合うことになるから、という理由だったそうです。
『社会契約論』では奴隷制についても記され、奴隷については「勝者の得る当然の権利」、一方で敗者はその命を買うことのできる奴隷にすすんでなる、とされます。しかし後段では、戦争とは国家同士の争いであり、対人における権利は有しない、として敗者の命を奪う権利はない、つまり奴隷になる必要はない、という論調をとります。今の日本社会は、社会の奴隷のようになっている市民が増えたように感じます。社会、というより国家により奴隷化され、低賃金で使役される側、ともなっているのでしょう。そのルソーが音楽家をめざした頃、つくったとされるのが日本でも馴染みのある『結んでひらいて』。日本の政治でも、野党がくっついたり離れたり、結んでひらいて、手を打ったと思ったらまた結んでひらいて、最後にお手上げ、となるようなら、国家をむしばむ政治家、官僚がのさばるだけでしょう。管理する機能を失った組織に、自浄能力はありません。精神的支柱になるような、改革の機運が必要となってくるのかもしれませんね。
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 経世済民113掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。