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食肉産業の功罪
http://kikko.cocolog-nifty.com/kikko/2016/09/post-371e.html
2016.09.24 きっこのブログ
あたしは数年前、ニワトリに関するとてもショックな2つの映像を観た。1つは、大手鶏卵会社のアメリカの生産工場を告発するために潜入撮影されたもので、ニワトリたちが身動きもとれないほど狭い檻の中に、満員電車のようにギューギュー詰めにされてて、その状態で卵を産まされているものだった。どのニワトリも苦しそうで、病気で羽毛が抜けてしまったニワトリも混じっていた。そして、足元にはニワトリの死骸がいたるところに散乱していた。
もう1つは、大手フライドチキン会社のアメリカの工場の映像で、これは従業員が撮影して意図的に流出させたものだった。ニワトリを屠殺する部署を撮影したもので、部屋中に大音量でヘビメタを流し、2人の白人の男がヘッドバンギングをしながら奇声を発し、生きたニワトリの足を持ってブンブンと振り回してコンクリートの壁に叩きつけて殺し、大声でゲラゲラと笑っていた。
あたしは牛肉も豚肉も鶏肉も食べないけど、これはあたしの個人的な考えによる選択だから、別に牛肉や豚肉や鶏肉を食べる人たちのことは批判してないし、これらの食肉の生産や流通や販売などをナリワイにしてる人たちのことも批判したくはない。だけど、こうした映像を観ちゃうと、「人間にとって牛や豚や鶏の命って何だろう?」って思って、ホントに悲しくて辛い気持ちになり、せめてあたしだけは「できるだけ命を奪わないように生きよう」という思いが強くなる。
あたしは食肉産業を否定してはいないから、大切に健康的に育てた牛や豚や鶏を出荷して、それをできるだけ苦しまないように屠殺して、丁寧に食肉に加工して販売しているなら、それは仕方ないことだと理解してるし、特に文句は言いたくない。消費者が「命をいただく」ということに感謝して食べているように、生産者側も「命をいただく」という感謝の気持ちをもって生産しているなら、声を荒げて批判するつもりもない。
だけど、何十トン、何百トンという食肉を生産しないと間に合わない大手ファーストフード会社などでは、とても健康的とは言えない状況、極めて不衛生な過密状態での飼育が横行している。そして、そうした状況で生産した食肉は、できるだけ無駄を出さずに出荷したいから、大量の抗生物質を飼料に混ぜて食べさせている。そのため、加工されて消費者の口に入る段階になっても抗生物質が残留しているし、それだけでなく、抗生物質を投与しても効き目がないスーパー耐性菌の問題を悪化させてる今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?
‥‥そんなワケで、22日付のCNNに、「Are there too many antibiotics in your fast food meat? (あなたの食べているファーストフードの肉には、大量の抗生物質が入っていませんか)」という、とっても興味深いレポート記事が掲載された。全文を訳すと大変だから、以下、重要なポイントだけを訳してザックリと紹介する。
レポート「チェーン・リアクション(連鎖反応) 2」は、米国の大手のファーストフードとレストランチェーンの計25社を対象に、鶏肉をはじめとした食肉の生産過程で大量の抗生物質が濫用されている問題を調査してまとめている。「天然資源保護協議会」「消費者連盟」「大地の友」などを含む6つのNPO(非営利団体)が共同で調査・執筆しており、今年で2年目となる。
評価は、最高のAから失格を意味するFまで、大きく5段階に分けられているが、今回、25社のうち2社が最高のA評価を受け、16社がF評価で失格となった。今回、最高のA評価を受けたのは、昨年と同様に「パネラ・ブレッド」と「チポトレ・メキシカン・グリル」の2社だけだった。「パネラ・ブレッド」は、現在使用している食肉の91%が抗生物質を使わずに育てられたものだと報告している。
昨年、F評価で失格となった「サブウェイ」は、抗生物質の使用に関する新たな指針を策定し、扱っているすべての食材に適用したことが高く評価され、今年はB評価へとジャンプアップした。このような指針を策定したのは、対象25社の中で「サブウェイ」だけである。また、鶏肉料理専門のファーストフード店「チックフィレイ」もB評価となった。
「マクドナルド」は、全米の約1万4000店舗で提供しているすべての鶏肉に使用している抗生物質を、残留しても人間の医薬品に影響しないものに切り替えたため、Cプラスの評価を受けた。しかし、牛肉と豚肉についてはノーコメントだったので、あくまでも鶏肉に限っての評価である。
「ウェンディーズ」は、鶏肉の50%を、抗生物質が残留しても人間の医薬品に影響しないものに切り替え、2017年末までには鶏肉の100%までに引き上げるとの目標を設定したことで、今回はC評価を受けた。また、「タコ・ベル」は、2017年前半までに、鶏肉すべてを抗生物質が残留しても人間の医薬品に影響しないものに切り替えると発表したため、Cマイナスの評価となった。
「ピザハット」と「パパ・ジョン」は、使用する抗生物質を良いものに変更すると発表したが、適用対象が僅かな一部の鶏肉メニューだけだったため、「形だけの努力」と判断されて、「ピザハット」はDプラスの評価、「パパ・ジョン」はD評価となった。
そして、昨年のF評価という結果を受けてもまったく努力せず、今年もまた失格となるF評価を受けたのは、「ケンタッキー・フライドチキン」「ダンキンドーナツ」「ソニック」「オリーブ・ガーデン」「デニーズ」「スターバックス」「ジャック・イン・ザ・ボックス」「バーガーキング」「アップル・ビーズ」「ドミノピザ」「チリス」「リトル・シーザーズ」「バッファロー・ワイルド・ウイングス」「デイリー・クイーン」「アービーズ」「アイホップ」、以上の16社だ。
現在のような食肉産業での抗生物質の濫用は、抗生物質を投与しても効き目がないスーパー耐性菌の問題を悪化させている。そして、こうした食肉を食べていると、細菌性感染症の患者は治療が困難になり、死につながるケースも考えられる。食肉産業での抗生物質の濫用を抑制することは、私たち消費者の公衆衛生において避けられない問題である。
http://edition.cnn.com/2016/09/20/health/fast-food-antibiotics-meat/
‥‥そんなワケで、リンク先の記事には、もっと詳しいことがいろいろと書かれてあるし、このレポートをまとめたNPO団体のオフィシャルサイトには、さらに詳しいことが書かれてあったけど、あくまでもこれはアメリカの話なので、そこまで深く掘り下げても、あまり意味はない。それよりも、日本ではほとんど報じられない、こうしたニュースをザックリとでも取り上げて、日本でもよく目にするファーストフード店やレストランチェーン店が、本場のアメリカではどんな商売をしているのか、どんな評価を受けているのか、それを伝えることのほうが、あたしは意味があると思った。
もちろん、同じ名前のお店でも、アメリカと日本ではメニューも原材料もいろいろと違うし、日本のお店なら日本の原材料を使っている場合が多い。だけど、牛肉や豚肉や鶏肉に関して言えば、日本発の牛丼チェーンでも輸入肉が大半を占めているし、スーパーやコンビニで売られている鶏のから揚げや焼き鳥などもほとんどが輸入肉だし、大手メーカーのレトルト食品や冷凍食品もほとんどの原材料が輸入モノなんだから、ファーストフード店やレストランチェーン店も同様だと考えるのが普通だと思う。
そして、安倍晋三首相が「今秋の臨時国会では何よりも最優先してTPP関連法案の成立に全力を尽くす」と宣言しているTPPなどが始まってしまったら、関税が撤廃されて今よりも安くなったアメリカ産の牛肉や豚肉や鶏肉が、今の何倍も輸入されるようになる。そうなると、今までは輸入牛肉の中でも比較的安心なオーストラリア産を輸入していた外食産業や食品メーカーも、すぐにアメリカ産に切り替えるかもしれない。
‥‥そんなワケで、あたしは、牛肉や豚肉や鶏肉は食べないし、ファーストフード店やレストランチェーン店だけでなく、外食自体をほとんどしないから、日本の外食産業がどんな食肉を使っていても、完全に他人事だ。だけど、そんなあたしでも、1つだけ許せないのは、動物を生産し、動物を飼育し、動物を殺してカネ儲けをしている大企業が、「命をいただいている」という感謝の気持ちをミジンも持たずに、不衛生で過密状態の「生き地獄」のような環境で動物を飼育し、その環境の悪さによって発生する病気を抑制するために大量の抗生物質を濫用し、その結果、消費者にまで害を広げているという現状だ。これは、命をいただく動物に対しての許されない行為というだけでなく、大企業が消費者のことよりも自分たちのカネ儲けを優先している醜い現状だと思う。だから、あたしは、日本ではほとんど報じられないこうしたニュースでも、見つけたらすぐにブログで取り上げて、これからも情報発信を続けて行こうと思っている今日この頃なのだ。
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