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ビジネス特集 日銀が株主? ETF購入の功罪
9月21日 11時45分
東京株式市場では、この1か月余り、株価の動き方が大きく変わりました。その主役は日銀。7月末にETF=上場投資信託と呼ばれる金融商品の買い入れ額を一気に2倍に増やす追加の金融緩和策を決めたことが、今の“ETF相場”を呼び起こしたのです。中央銀行が、株式を組み込んだ金融商品を購入するという世界的に見ても異例の政策は、株価を下支えする一方で、弊害や将来のリスクも懸念されています。何が問題なのでしょうか。
(経済部 大江麻衣子)
日銀ETF買い入れの歴史
「きょうは日銀はETFを買ったのか」
この情報が、株式市場を大きく動かしています。ETFは、複数の企業の株式を組み合わせた金融商品で、個別企業の株式のように市場で売買されます。日銀が購入しているETFは、日経平均株価などの株価指数に連動して値動きするタイプです。
日銀がETFの買い入れを始めたのは6年前。金融市場の安定を図ることを理由に、年間4500億円の枠が設けられました。その後、大規模緩和を掲げた黒田総裁のもと、年間の買い入れ額は、1兆円、3兆円と相次いで上積みされ、ことし7月には、年間6兆円にまで拡大されました。
“ETF相場”の実態は
「年間6兆円」という新たな方針に基づいて、日銀が初めてETFを購入したのは8月3日。347億円を買い入れました。その後、1日当たりの買い入れ額を707億円に増やし、4日、10日、25日、26日と立て続けに購入します。
そこからは、ある傾向が見てとれます。いずれも、日経平均株価が午前中は値下がりして終わっているのです。このため、多くの市場関係者は「午前中の値動きがマイナス傾向の日の午後に、日銀はETFを買い入れている」と見ています。
日銀の買い入れ実績を公表するのは、その日の夕方なので、株式の取引時間中には日銀の動きを知ることはできません。このため、「日銀がETFを買ったのではないか」「株価は上昇に転じるのではないか」という観測が広がることで、さらに株価を押し上げる“効果”もあります。
結局、8月の1か月間で日経平均株価は318円上昇。1日の下げ幅は最大でも308円にとどまり、市場関係者は「日銀のETF購入が株価を下支えしている」と評価しています。
日銀の1日当たりの買い入れ額は、9月に入ってさらに増えて733億円に。今や、日銀が保有するETFは市場全体の半分近くを占めています。
弊害を指摘する声も
日銀のETFの買い入れには、株式市場を下支えしているという評価の一方で、落胆する投資家もいます。投資歴15年で、株式投資のコンサルタントをしている横浜市の44歳の男性は「日銀のETF買い入れで、株価が一律に押し上げられた結果、適正価格とはいえない銘柄も多い。株価の振れ幅が小さくなり、割安な銘柄に投資するメリットが低くなったので、最近は取引回数を以前の4分の1に減らした」と話していました。
ニッセイ基礎研究所の井出真吾チーフ株式ストラテジストは「企業の経営者や株主は、株価というシグナルを通じて経営上の問題に向き合ってきたが、日銀のETF買いで、
企業の業績に関係なく株価が一律に押し上げられれば、課題を見過ごすことになりかねない」
と警鐘を鳴らしています。
日銀が企業の“筆頭株主”に?
さらに、井出さんが問題視しているのが、日銀がETFの購入によって、
多くの企業の“隠れた大株主”になっている
ことです。井出さんの試算によると、このまま年間6兆円のペースで購入を続けた場合、
来年7月末には、日銀は、電機部品メーカー「ミツミ電機」の株式の20.6%を事実上保有する筆頭株主。
ほかにも、
半導体検査装置メーカー「アドバンテスト」の株式の18%、
非鉄金属メーカー「東邦亜鉛」の13.6%を保有する実質的な筆頭株主になる見通し
だとしています。
ただ、株主総会で議決権を行使できるのはETFの運用会社なので、日銀が議決権を行使するわけではありません。いわば、
日銀は「モノ言わぬ安定株主」ともいえる存在で、株主との対話を重視する時代の流れに逆行するのではないか
とも指摘されています。
企業は売却リスクを懸念
日銀のETF購入には別の懸念も指摘されています。
将来的に日銀がETFを売却する際に株価が下落するリスク
です。日銀が実質的な筆頭株主になっているあるメーカーに話を聞きました。担当者は
「日銀がデフレ脱却を目指してETFを買っていることには反対しないが、将来、ETFを売却することになれば、株価が急落しないか心配だ。株価の低いときには売却を控えたり、少しずつ長い期間をかけて売却したりするなど配慮してほしい」
と話していました。
問われる政策の持続性
デフレ脱却に向けて、大規模緩和を続ける日銀。ことし4月には、賃上げや設備投資に積極的な企業の株式を組み込んだETFを買い入れ、資産運用会社に条件を満たしたETFの開発を促すなど、ETF市場の活性化にも力を入れています。
しかし、日銀が今のペースでETFの買い入れを続けると、1年後の保有額は15兆円に上ることになります。今後、市場全体が拡大しても、日銀の影響力の大きさが変わることはなさそうです。株価の形成や企業統治などに「ゆがみ」が生じる副作用が指摘されるなか、日銀がいつまでこの政策を続けるのか。政策の持続可能性が問われています。
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土壇場の急場しのぎで、根本的な解決を何も見ない。奇妙でいびつな屁理屈。
ない頭を並べ立て、こねくり回した挙句の陳腐な発想。これのどこがまともな政策といえるのか。
馬鹿が馬鹿を仰ぐのも無理はない。
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