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あなたは「安かろう、悪かろう」の人材か?「バカはバカのままであり、アホはアホのまま」 這い上がれない未来
http://www.asyura2.com/16/hasan113/msg/496.html
投稿者 軽毛 日時 2016 年 9 月 22 日 14:07:44: pa/Xvdnb8K3Zc jHmW0Q
 

あなたは「安かろう、悪かろう」の人材か?(1/7ページ)
2016.09.21

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健康診断で感じた「レベルの差」

 今回のコラムを書く前日、私は、病院で健康診断を受けました。血圧や検尿、心電図など、簡単なものです。この検査は市役所などの自治体が行うもので、国民健康保険に入り、お金を払っている人は無料で受診できます。自治体により、その額は違いがあります。

 実は、この検査はまさに「安かろう、悪かろう」だったのです。「悪かろう」というのは検査する側ではなく、「安かろう」という検査に集まってくる人達の水準を指します。たとえば、受付で、女性の職員と口論をする70代前後の男性がいました。髪の毛を茶色く染めて、シャツ1枚で現れた30代と思しき男性も、女性職員と押し問答をします。

 検査の部屋に進むと、驚くような光景を目にします。30人ほどの男女がいて、平均年齢は40代半ば。ひとりごとを言いながら、立ち歩く60代らしき男性がいれば、椅子の上にあぐらをかいて、物思いにひたる40〜50代の女性もいます。

 採血の部屋の前では、70〜80代の男性が「なんだかな〜」と愚痴を言いながら、犬のように同じ場所をくるくると回っています。認知症ではないか、と感じました。金髪の女性と、金髪の男のカップルがスマホを見ながら、大きな声で話し合っています。その内容が、5メートルほど離れた私にも聞こえるのです。ふだんはめったに見ない人たちが次々と目の前に登場します。新鮮で、刺激的な1時間でした。

 無料の検査ならば、こういうレベルの人が多いのだろう、と思わざるを得なかったのです。思い起こしたのが、数年前、この病院で受けた人間ドックです。血圧や検尿、心電図はもちろん、肺のCTや胃カメラ、胆のうなどの腹部エコーなどがあるコースでした。額は7万円ほどです。

 待合室にいると、そこで待つ人たち15人ほどの平均年齢は60歳前後で、マナーなどは一定水準以上でした。私語を話す人もいなければ、立ち歩く人もいません。受付の女性との対応もスムーズです。15人前後が流れるように、検査を次々と受けていくのです。

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中小企業で働く20〜30代の連中は「安い人材」になってきた

 今回の無料検査と数年前の人間ドックのような違いは、実は、企業社会でよく見かけます。数週間前、外食チェーン店の40代のオーナー(創業経営者)を取材しました。都内に、20店舗ほどを構えます。経営者は、オフレコということで、少々、過激なことを話していました。


(写真:PIXTA)
「うちのような中小企業で正社員として働く人は、バカが多い。偏差値55以下の3流大学を卒業しているか、1流大を卒業していても、会社員になってトラブルメーカーになり、スポイルされた奴が多い。まともな人はエントリーはしない。

 つまり、安かろう、悪かろう、だよ。こちらはキレそうになるけど、怒るに値しない連中だな、と言い聞かせている。うちの息子は、今、関西の国立大の医学部にいる。入学時の偏差値は80近い。親として、あいつには多額の金をかけたからね。安い人材にはしたくなかった。

 ここ10数年、中小企業で働こうとする20〜30代の連中は、親から、それなりの金をかけてもらえなかったのだろうね。だから、安い人材になっちゃったのよ」

 「安い人材」を雇うと、「絶望的な思いになることが多くなる」のだそうです。たとえば、正社員でありながら、無断欠勤を繰り返す。店長が厳しく叱ると、数日後に辞める人すらいるようです。しかも、健康保険証を返却すらしようとしないのだそうです。

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使える外国人のほうが人材の値打ちは数ランク上

 ここ5〜6年は、「安い人材」よりは、外国籍の20代の人で、日本語に堪能な人のほうが様々な意味で、人材として数ランクは上だとも話していました。勤務態度、仕事への姿勢、仕事を覚えるスピード、上司や同僚らとの人間関係づくりなどの点で比べると、オーナーいわく「9(外国人)対1(安い人材の日本人)」とのこと。

 オーナーは、絶賛していました。

「外国人で、優秀な労働者がいるならば、雇うべき。この人たちは、母国できちんとした大学も卒業している。在学中、日本語などを勉強し、日本のこともよく把握している」

 オーナーには、経営者仲間が数百人はいるようです。経済団体や様々な会合、ネット上のSNSなどで知り合った経営者たちです。半数近くの150〜200人は、外食、小売、流通、IT、建設、介護などの業界で、特に100人以下の会社の創業経営者です。この経営者のほとんどが、オーナーと同じようなことを話すそうです。

「30代前半までの、使えない日本人よりも、30代前半までの、使える外国人のほうが人材の値打ちは数ランク上」

「30代前半までの、使えない日本人よりも、30代前半までの、使える外国人のほうが、20代前半までに親などからお金をかけてもらい、きちんとした教育を受けているはず」

「30代前半までの、使えない日本人は自分のバカさ加減を棚上げし、権利ばかりを主張する。だから、ますます、使えない人材になっていく」

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中小企業に大企業と同じモラルを求めることが問題

 オーナーはさらに、こんなことも話していました。

「日本が経済大国というのは、半分正解、半分誤り。マクロ経済は依然として大きい。だけど、日本人の経済力は収入や資産格差が大きい。意識も生き方も、差が大きい。子どもへの教育投資の差も大きい。

 それを格差社会として位置づけ、是正しようとしても、ここまで差が大きくなると、不可能。むしろ、すみわけをしたほうが効果的。偏差値80の、うちの息子なんかは医師になって、難病の研究に取り組む。国民も税金をもっと払い、それを支える。

 偏差値55〜70の連中は、サラリーマンしかできないから、せめて、学歴にしがみついて、自己陶酔で生きていく。社長や役員にバカにされながら。

 うちのような中小企業には、偏差値55以下の、安い人材がドーンと入ってくる。その中で、使える奴だけを正社員として雇い、幹部にする。使えない奴は、できるだけ早く辞めさせる。

 もともと、50〜60年前から、こんなすみわけがあるだろうけど、今の問題は、中小企業に大企業と同じような法律やモラルを求めていること。労働法や民法のあり方は、明らかに“大企業寄り、労働者寄り”。

 だから、うちのような会社を経営する社長たちは、30代前半までの、使える外国人を雇う。30代前半までの、使えない日本人を、30代前半までの、使える外国人と競わせようとしても、日本人が負けるに決まっている。

 30代前半までの、使える外国人は、40〜50年前の、大卒の日本人みたい。欲が深いし、競争意識や負けん気が強く、ハングリー。グローバル化の本質の1つは、時間空間が異次元の人たちと競い合うこと。

 今を生きる日本人が、しかも、落ちこぼれが、40〜50年前の、大卒の日本人と闘ったら、吹き飛ばされるに決まっているだろう? この視点が、いまのグローバル化の議論にないよ」

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人材のすみわけを徹底させることが本当の成長戦略

 オーナーは、20代の頃、大物コンサルタントが開く「政治塾」にも通っていたようで、政治にも鋭い指摘をしていました。

「安倍さん(首相のこと)やその取り巻きが成長戦略を考えるならば、外食、小売、流通、IT、建設、介護などの業界で、特に300人以下の会社には、外国人を大胆に受け入れる仕組みにすべき。その数が今の30〜50倍になってもいいじゃない?

 その中から、外国人の店長やマネージャー、役員が登場し、安い人材の日本人を使うのが、世界の先進国で起きている現象。それが健全だよ。

 日本人のレベルを底上げしようとしても、できるわけがない。バカはバカだし、アホはアホのまま。バカやアホを、30代前半までの、使える外国人のレベルに上げるのは、不可能。時間空間を考えなきゃ、ダメ。

 格差是正なんてのは、ゆきづまった学者とか、会社員としてスポイルされた、労働組合の役員とか、万年野党の政治家のような、自分を安全地帯においている連中の妄想でしかない。労働組合も、使えない役員をいじめて、排除するだろう?その偽善が、今はビジネスになる。実際にビジネスにしているから、彼らはさすがだよね。

 格差是正を唱えるとき、そこに人材の質の差を含めてはダメ。せいぜい、高校教育までくらいの差を可能な限り、なくすことにとどめるべき。会社に入ってからの人材の質の差は、今やあまりにも大きくなっている。その現実を受け入れて、いかに人材を効果的に配置するか、と考える時代になっているわけ。

 そのすみわけが進むと、定年まで、ずっと安い人材が生まれる。それを外国人にリプレースするべき。安い日本人はもっとプアーな国とか、日本に残りたいのだったら、安い人材でも受け入れてくれる業界や会社に行くべき。その意味でのすみわけを徹底させることが、本当の成長戦略であり、開かれた国であり、先進国でしょう?」

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ランクが下がるほど仕事や意識のレベルが年々下がる

 この一連の指摘と意味合いが近いことを、実は、社員数が300人以下の会社の創業経営者が、取材時にオフレコという条件付きで時折、話します。特に外食、小売、流通、IT、建設、介護などの業界に目立ちます。

 これらの指摘は、大企業のホワイトカラー層、つまり、このオーナー流にいえば、偏差値55から70の層の人にもいえることです。たとえば、私がいる出版界でいえば、一流といわれる5〜6社は正社員数が500〜1200人前後で、たしかに社内の体制は整っています。新卒時の採用試験でも、倍率の高さや試験問題の難しさは、全国紙やキー局、通信社などにひけをとりません。

 その5〜6社の下に、正社員数が200〜500人前後の出版社が20社ほどあります。社内の体制、入社の難易度、人材の質などを比べると、20社はほぼ同じようなものですが、「一流の5〜6社」との間には、様々な意味で差を感じるのです。

 このクラスの下に、正社員数が200人前後以下の出版社が無数にあります。ここではトラブルが多発しています。入社時のトラブル、労使紛争にはじまり、外部取引先との問題などを頻繁に耳にします。

 これらははるか前からあるすみわけといえるのでしょう。問題は、ランクが下に下がるほどに、社員(この場合は、編集者)の仕事や意識のレベルが10数年前よりも年々、下がっているように思えるのです。離職率がもともと高いのに、さらにその率が上がり、組織としても疲弊し、倒産・廃業する確率が高くなっているように見えます。もはや、息も絶え絶えの会社が増えているのです。これでは、人が育たないでしょう。

 さらにいえば、上のクラスの層も、「労働劣化」が進んでいます。私が20代前半の頃(1990年代前半)、正社員数が200〜500人前後の出版社20社ほどの社員のレベルはもっと高かったと思います。最近は、このクラスの会社の人材の質も相対的に下がってきているように見えます。編集者らと話をしていても、3人に1人のペースで絶望を感じることがあります。仕事の深い会話はできません。その域に達していないのです。前述のオーナーのように、「バカはバカのままであり、アホはアホのまま」と実感します。

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「這い上がれない未来」が待っている

 今や、こんな安い人が増えているのですが、彼らは自分のことを決して「安い人材」とは思っていないようです。それどころか、今回のオーナーの話などを「しょせん、外食に行く、偏差値55以下の人の話」と信じ込んでいる気配です。

 その考えは、甘いのでしょう。実は、オーナーの言葉を借りると、「偏差値55〜70で、サラリーマンしかできない連中」の中にも、人材のすみわけが10数年前よりは歴然とした形で生まれつつあります。

 その1つが、東大・京大卒の新卒者の「超総合職」化です。ほかの大勢の大卒(新卒)の総合職よりも、処遇をよくしようとする動きです。この人たちへの取材の依頼をしても、広報などがブロックし、難しいものがありますが、特に大企業では、大卒総合職のすみわけが20代前半の時点で確実に進んでいることは間違いないことです。

 今、アベノミクスのもと、好景気が続いているといわれています。多くの人が日本の置かれている厳しい現実を忘れているように見えます。2020年以降、その現実がはっきりと浮かび上がるはずです。それは、「這い上がれない未来」です。「バカはバカのままであり、アホはアホのまま」の時代です。私もやがては、毎年、無料の健康診断へ行き、いつしか、椅子の上にあぐらをかいたり、犬のように同じ場所を歩き回ったりしているのかもしれません。

 今回、オーナーの話で、特にインパクトがあったのは、次のものでした。

「安い日本人はもっとプアーな国とか、日本に残りたいのだったら、安い人材でも受け入れてくれる業界や会社に行くべき。その意味でのすみわけを徹底させることが、本当の成長戦略であり、開かれた国であり、先進国でしょう」

 読者の皆さんは、どのように感じますか?
 

吉田 典史(よしだ・のりふみ)
吉田 典史(よしだ・のりふみ)
 1967年、岐阜県大垣市生まれ。2006年以降、フリーランスに。特に人事・労務の観点から企業を取材し、記事や本を書く。一方で、事件・事故など社会分野の取材を続ける。
 著者に『封印された震災死その「真相」』(世界文化社)、『震災死 生き証人たちの真実の告白』『あの日、負け組社員になった…』(ダイヤモンド社)、『悶える職場』『非正社員から正社員になる!』(光文社)、『ビジネス書の9割はゴーストライター』(青弓社)など。近著に『会社で落ちこぼれる人の口ぐせ 抜群に出世する人の口ぐせ』(KADOKAWA/中経出版)がある。
 連載「職場を生き抜け!」は、『いますぐ「さすが」と言いなさい!』(ビジネス社)や『仕事なんかするより上司に気を使えよ (働く・仕事を考えるシリーズ)』(労働調査会)にまとめられている。
 雑誌では、『先見労務管理』(労働調査会)、『プレジデント』(プレジデント社)、『週刊ダイヤモンド』(ダイヤモンド社)、『週刊東洋経済』(東洋経済新報社)などで執筆。

Twitter:https://twitter.com/Yoshidanorifumi
https://twitter.com/Katigumi2
ブログ:http://plaza.rakuten.co.jp/yasushinori/

コメントを見る(3件)

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1.No Name2016.09.22
この人が絶望した場面に実際に遭遇していないので、判断が出来ない。
確かに無料や安い所では、考えられないようなトラブルを目にすることがあり、
結局、行く所を選んでしまう。しかし、そういう安い人材が下支えしているとも感じる時がある。偏差値80の息子さんはおおいに選民意識を持ち、おおいに働いて欲しい。
いずれそれだけではズッコケる時が来るのだから。
成金社長のコメントは見ているだけに笑える。良家の人なら口にしないだろう単語が並ぶ。
ライターあたりに、気軽にこういったことを口にしている時点でお里が知れるというものだ。


だいたいこれくらいの年代の男性は、すでにすべての感性が違ってしまった下の世代に向けて、一方的になぞかけのような問いを投げかけ、一方的に失望していることがある。

傍から見ると、非常に滑稽だが、本人は単純に下の世代のレベルが下がったと思っている。
また、それが周囲に透けて見えるのも、いやらしく、もの悲しい。

もし、この男性の問いかけに、すべての感性が違っているにも関わらず、適切にこたえる若者がいたとしたら、そもそも、この男性よりも数段上の人材である。若さもあり、この男性が適うはずがない人材なのであろうから、さっさと地位を譲ってあげたらよいのだ。

2.おじさん2016.09.21
エア取材の匂いがプンプンしますね。
ところで、この外食産業で働いている外国の方は、どう言う資格に働いているのでしょう?
偽装留学生?密航?
それとも悪名高いあの制度ですかね?

3.No Name2016.09.21
安っぽいオーナーがもっと安く使える人材を使い捨てにして荒稼ぎして、バカばっかりって文句を言ってるだけにしか思えません。読んでいてこれほど気持ち悪くなる記事もないですね。炎上商法のひとつでしょうか?

http://www.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/92290/092000044/?

 

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コメント
 
1. 2016年9月22日 14:14:16 : nJF6kGWndY : n7GottskVWw[2705]
>私は、病院で健康診断を受けました。血圧や検尿、心電図など、簡単なものです。この検査は市役所などの自治体が行うもので、国民健康保険に入り、お金を払っている人は無料
>「バカはバカのままであり、アホはアホのまま」と実感します

同族嫌悪というやつかな

しかし超富裕層も大衆も大して寿命は違わないし

所詮、長生きすれば最後は、皆、知的&身体障碍者だw


2. 2016年9月22日 14:51:48 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[601]
あなたの職場にもいる「卑しい人」会社員の9割が「卑しい」資質を持っている
2016.09.07


(写真:PIXTA)
 今回は、卑しい人からは離れるべき、をテーマとして私の考えを紹介します。この場合の「卑しい」(いやしい)とは、人のことをねたみ、嫉妬し、陥れようとする、劣等感の塊のような性質を意味します。おそらく、会社員の9割がこのような卑しさを持つ人でしょう。だからこそ、職場で生きていくうえで警戒すべきことなのです。

 わかりやすい事例を挙げます。つい最近、閉店したスナックのマスターは、現在、60代後半の男性ですが、私がここ20数年で知る中で、もっとも卑しい人のひとりでした。彼は会社員ではないですが、本当に卑しさを体現している人でした。私は、この店に1990年代の後半から、年に5回ほどのペースで、計50回は通いました。一言でいえば、マスターは極端なほどの「学歴コンプレックス」だったのです。

 50年ほど前に私立高校を卒業し、都内の中小企業で働きはじめました。4年ほどの勤務の後、スナックのママと知り合います。ママは当時、20代後半。離婚し、ひとりで子を育てながら、店の経営をしていました。マスターはそこまで知り、結婚したのです。夫婦になれば、店の経営権は、マスターのものともいえます。

 ママは、知的な感じでした。そんな魅力にひかれ、男性の客は絶えなかったのです。マスターはママと夫婦になったことで、店の売り上げの大半を収入として得ることができます。マスターが話していた限りでは、1980年代後半から2000年前後までは、毎年の売り上げは少なくとも2500万円ほどだったようです。バブル期のピークだった88〜89年前後は、4000万円前後になったそうです。おそらく、懐に残る収入は、毎年平均で1300万〜1500万円にはなっていたのでしょう。

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「学歴コンプレックス」の裏返しのこだわり

 1990年代、夫婦は、がんの闘病で知られる有名芸能人が住んでいることで知られる高級マンションを購入します。当時、大規模な開発が始まったばかりの地域にある、1億2000万円を超える物件です。マスターは、いわば、「ヒモのような存在」として、多額の現金と資産を手にしたのです。

 しかし、どこか哀れで、寂しく、あさましい人でした。マスターは、客を学歴をもとに判断します。東大出身の会社員を持ち上げます。実は、会社員の経験はわずか数年なのですから、ひとりの社員が優秀であるか否かを正確に見定める目をもっているわけないのです。ところが、会社員の経験が30〜40年のベテランのような物言いで、「彼は優秀。東大だから…」と言います。

 一方で、早稲田や慶應、上智大などの私立大出身者を徹底して否定します。「仕事ができないから…」という理由です。マスターは、会社員の経験がほとんどないのですから、わからないはずなのですが、知ったかぶりで語ります。

 「高卒で、ヒモのような男」と客たちから、影でやゆされるマスターがかろうじて「大卒」として認める私立大学は、明治、立教、青山、学習院、中央、津田塾、東京女子大までです。このクラス以下の私立大学は、マスターいわく「会社員としては、成功しない」のだそうです。

 おそらく、早稲田や慶應、上智大の入学難易度の低い学部と明治、立教、青山、学習院、中央、津田塾、東京女子大の難易度の高い学部の合格者の偏差値ゾーンが重なり合うことを、ここの客などから聞かされたのでしょう。それでなんとなく、知ったかぶりで話していたのだと思います。そもそも、大学受験の経験がないのですから、そのイメージも正確にはつかめないはずなのですが。

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記事には書けない差別用語のオンパレード

 私は店に何度も通ったから、マスターの真意がわかるのですが、実は、大学を卒業している人のことをうらやましいと思い続けたはずなのです。そして、「ヒモのような男」と言われ、軽く扱われていることに負い目を感じているようでした。他人の子の面倒を曲がりなりにもみてきたのですから、それは尊いことのはずです。少なくとも、私にはできません。しかし、マスターは高卒であることに強い引け目を感じているのか、自分の長所にも気がつかないのです。

 そして、学歴の低い人を否定します。「あんな大学を卒業しても…」「あのレベルは、大学とは呼ばない」「うちの店に、あの大学の出身者が来ると、恥ずかしい」…。客商売とは思えない、不遜な態度です。記事には書けないような、差別用語のオンパレードでした。

 ある放送局の社員らには弱いのです。その局は、「公平中立・不偏不党」をうたい文句に、「硬派な報道番組」を放送することで知られます。一方で、社員の様々なスキャンダルや不祥事、犯罪などもメディアで報じられています。ここの社員が店に来ると、ご機嫌をとります。全員を「東大卒社員」であるかのように称えます。店の売り上げの半数は、この放送局の社員らによる飲み代のようです。

 この場でも、めちゃくちゃな経営分析を盛んにしては、その放送局の社員らを喜ばせます。

「あそこの不動産会社の役員は、明治、立教、青山、学習院、中央、津田塾、東京女子大クラス以下が多いから、業績が伸び〜ない」「東大レベルが役員にならないと、会社は浮上しませんよ〜」「お宅の放送局の局長以上のほとんどは、東大卒でしょう?さすが!ですね〜。そもそも、早稲田や慶應、上智大以下、私立は入れませんからね〜」

 放送局の社員らも、あまりにも軽薄な話にあきれ、押し黙ってしまうのですが、マスターはしらふで話し続けます。

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学歴がなくとも、俺はこうして生きている。なめるな!

 学歴や結婚に、いくつもの「劣等感」があると、ここまで卑屈で、卑しい人間になるのだと思い、私は彼のことを機会あるごとに好奇心のまなざしで観察していました。私も、もしかすると同類なのかもしれませんが。

 こんな人からすると、大卒の会社員は輝く存在だったのでしょうか。おそらく、東大卒の人を実は高く評価していたのではないはずです。実際は、こんなことを言いたかったのだと思います。

「東大卒であろうとも、大学出身者を俺は認めない。学歴がなくとも、俺はこうして生きている。なめるな!」

 しかし、客商売である以上、さすがに言えません。「ヒモのような男」とやゆされるしかなかった男は人をバカにすることでしか、自分の心をコントロールできなかったのでしょう。実は、自分がバカにされていることもわからなかったのかもしれません。

 マスターが現実から逃げることなく、こんなことを認めていたら、人生は変わったものとなっただろう、と思います。

「自分は、大学に入りたかった。だけど、入れなかった。自分は、ヒモと言われたくなかった。だけど、そうするしか、生きる力も術もなかった。自分は、学力も生きる力もない。だけど、大きな資産を手にした」

 こんなことを認めて生きていくと、あるがままの現実を受け入れることができたのだと思います。そのようになれば、他人のことを素直に見ることもできたでしょう。自分の優位なところにも目を向けて、劣等感に必要以上に苦しむこともなかったはずです。

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あるがままの現実を受け入れる勇気も自尊心もない

 しかし、この男性はそれをしようとしませんでした。あるがままの現実を受け入れることをしなかったのです。そんな勇気も、自尊心も誇りもなかったのでしょう。自分にないものをもっている人が、妬ましくて仕方がなかったのだろうと思います。学歴や自分と血縁関係のある子ども、さらには、理想としていたであろう家庭などです。

 世の中には、学歴がなくとも、子どもがいなくとも、立派に生きている人は無数にいます。彼はそれらがないと、まっとうになれないと思い込んでいるようでした。実は、自分が莫大な資産を手にしていることを自覚していないのです。

 ここまで卑屈になると、もう、どうすることもできないのです。結論をいえば、近寄らないほうがいいのです。こちらが暗い気分となり、憂うつになります。客が離れ、閉店するのは至極、当然に思えます。

 正確にいえば、数年前から、ママが体を悪くしてしまい、入退院を繰り返すようになったのです。このとき、マスターは同じマンションに住む、未亡人の女性と不倫関係であったとマスター本人から聞きました。これが一層に、客たちからひんしゅくを買ったようです。客は、どんどんと消えていきました。

 マスターのような人は形を変えて、実は多くの職場にいるはずです。学歴が低いから、劣等感を持つとはいえません。一定の学歴を身につけていても、根強い劣等感を持つ人はいます。

次ページ: 競い合いたいなら強さをよりレベル・アップすべき

競い合いたいなら強さをよりレベル・アップすべき

 たとえば、私はフリーになったこの10数年で、90〜110人ほどの編集者と仕事をしてきました。このうち、20人ほどが自分のことを「記者」と名乗ります。私は、その10〜15人ほどからは、強い劣等感を感じて仕方がないのです。

 特に全国紙や通信社などの記者に対し、妙な対抗意識や嫉妬心があることを察知します。目の敵にするようなことを話す人すらいます。あたかも、「全国紙や通信社などの記者と同レベル」と言わんばかりのことを口にもします。卒業した大学・学部が同じであることから、「自分は負けていない」と言い聞かせているのでしょうか。同僚である編集者らを小ばかにする人もいます。「自分は記者であり、編集者ではない。一緒にしないでくれ!」といった雰囲気を漂わせるのです。

 今の自分に自信がないから、大きく見せようとするのでしょうか。しかし、全国紙や通信社の記者と出版社の記者の力量の差は相当に大きいように私には思えます。競い合うレベルではないように見えるのです。そもそも、出版社の歴代の経営者や役員らは、全国紙や通信社などと競い合おうとは考えていなかったはずです。

 ここ数十年、採用、育成などは双方はまったく異なるものであり、おのずと力の差が大きくなるのは当然なのです。ところが、劣等感があるからなのか、そんな現実が見えなくなっているようです。結局、自分たちが得意としているものを見失っていくのです。

 たとえば、全国紙や通信社などの記者は、雑誌などをつくる、いわゆる「編集」がほとんどできません。デザイナーなどと込み入った話などは、まずできないはずなのです。素人に近いレベルです。これなどは明らかに弱さであり、それができるであろう出版社の記者は強さをもっているはずなのです。誇りにするべきことです。

 競い合いたいならば、この強さをより一層にレベル・アップしていくべきなのです。必ず、打ち負かせるはずです。競争とは、相手の弱いところを攻めていくものであり、強いところで闘うものではないはずです。そんなことすら、わからなくなっているのです。

次ページ: 自分を受け入れる範囲でしか他人を受け入れられない

自分を受け入れる範囲でしか他人を受け入れられない

 読者の職場にも、マスターのような人がいるのではないでしょうか。自分のかけがえのない強さや武器、長所を見失っているのです。劣等感にさいなまれると、怖いことがおきます。それは、見えるものが見えなくなることです。たとえば、この連載の前回の記事で、「社員数が200人前後のWEB系の会社の部長職」を取り上げました。

 部長は、学歴やキャリアに負い目を感じている気配でした。自信がないからなのか、今の20代の社員のとらえ方が極端なほどに表層的で、ゆがんでいるのです。これでは、20代の社員にきちんと接したり、評価をすることは難しいでしょう。

 結局、自分を受け入れる範囲でしか、他人を受け入れることができないものなのです。自分に失望しているから、他人を認める余裕など、ありえないのです。実は、失望するようなものではないにも関わらず。

 こういう人たちを変えようとするなんて、考えるべきではありません。本人たちは必死に、根拠なきプライドや自尊心にしがみついていたいのでしょう。相手にしないことこそ、大切なのです。強い劣等感をもっている人は、ねたみやひがみが強いがゆえに、当たり散らす相手がほしくて仕方がないのです。けなしたり、バカにする相手を求めているのです。実は、ほとんどの人は、その人を軽く見ていないことにも気がついていないのです。

 読者も人生を振り返ると、そのような人がいなかったでしょうか。たとえば、中学の頃、いじめをする中心的な生徒は、成績が悪かったり、家庭に恵まれていなかったのではないでしょうか。この生徒たちは、反撃をしない生徒をいじめることでしか、不満を解消し、自分の心をコントロールできないのです。それほどに、精神的にもろいのでしょう。人のことが妬ましい仕方がないのでしょう。自分に失望しているから、現実を受け入れることができないのでしょう。要は、甘えなのです。

次ページ: 卑しい会社員人生もやがてエンディングを迎える

卑しい会社員人生もやがてエンディングを迎える

 自分のことを棚上げし、道徳を説くビジネス書などは、劣等感の塊で、人をけなし、否定することしかできない人たちとも親しくするべきことを唱えるかに見えます。少なくとも、私にはそのように思えますが、そんな考えは愚かでしょう。卑しい人とは縁を切るしか、解決策はないのです。無視し、いかなる理由があろうとも深入りをしないことです。

 最近、そんな卑しい人のそばにいるがゆえに、バカにされ、けなされている人を見かけました。何か、誤解をしているかのようでした。職場の全員と良好な関係をつくらなければいけない、と信じ込んでいるように思えました。読者の中にもいるのでないかと思い、書いてみたのです。そんな思いは根本から間違いです。卑しい人に近づいてはいけないのです。

 ところで、この連載の書き込みの欄にも、マスターと似た人はいるようです。マスターの店が閉店になったのと同じように、そんな人の会社員人生もエンディングを迎えるのではないか、と心配しています。

吉田 典史(よしだ・のりふみ)
吉田 典史(よしだ・のりふみ)
 1967年、岐阜県大垣市生まれ。2006年以降、フリーランスに。特に人事・労務の観点から企業を取材し、記事や本を書く。一方で、事件・事故など社会分野の取材を続ける。
 著者に『封印された震災死その「真相」』(世界文化社)、『震災死 生き証人たちの真実の告白』『あの日、負け組社員になった…』(ダイヤモンド社)、『悶える職場』『非正社員から正社員になる!』(光文社)、『ビジネス書の9割はゴーストライター』(青弓社)など。近著に『会社で落ちこぼれる人の口ぐせ 抜群に出世する人の口ぐせ』(KADOKAWA/中経出版)がある。
 連載「職場を生き抜け!」は、『いますぐ「さすが」と言いなさい!』(ビジネス社)や『仕事なんかするより上司に気を使えよ (働く・仕事を考えるシリーズ)』(労働調査会)にまとめられている。
 雑誌では、『先見労務管理』(労働調査会)、『プレジデント』(プレジデント社)、『週刊ダイヤモンド』(ダイヤモンド社)、『週刊東洋経済』(東洋経済新報社)などで執筆。

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1.とりま2016.09.09
「卑しい」人についてよくまあこれだけ書けますね。人を罵倒して糊口をしのぐとは、実に「卑しい」生き方です。
2.bumblebee2016.09.07
何でそんな卑しいやつの店に50回も通ったの?
50回も通わなければ卑しいやつだと気がつかなかったの?
俺には理解できない。
俺ならそんな店には二度と行かないけど。
3.No Name2016.09.07
以前は結構、本質をついた面白い記事ありましたが、最近は学歴の話ばかりでずれていて、全く面白くないですね。役にも立たないし。
新卒入社時の有利不利はありますが、その後は外資、日系の企業を社員やコンサルとして見てきましたが、学歴なんて誰も気にしてませんがね。
4.また炎上マーケティング?2016.09.07
オマエガナー
5.ntop2016.09.07
和して同せず、卑しい人ほど同し群れますね。
6.通りすがり2016.09.07
ながい!しかも中身がない!

http://www.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/92290/090600043/?P=8#atcl_comment


3. 2016年9月22日 19:20:46 : xEx6AP8t12 : ZvPvUrYdEYs[11]
幻想さ やり直し利く 人生は

4. 2016年9月22日 20:25:29 : qC7wo0j9AY : 7giDbcyYIAk[2]
文化的に孤立していて他の文化圏に人口で負けている日本がこのような切り捨て思想では先は長くないですね。
程度が高いとされる人たちの集団の中だって劣等生は必ず何人かは出るのですよ。逐次人員を補給できないと集団が縮小して消滅するのは避けられない。

それからはっきり言うが、筆者の外国人に対する妄想は病的とも言える。


5. 2016年9月23日 13:26:38 : FIQqhIlg8g : BHqfKhGBVEM[1]
俺がこの文章を書いた人間に偶然出合ったら、マサカリで、ど頭カチ割って海に沈めてやる!。こいつは人間じゃねえ!

[32初期非表示理由]:担当:言葉使い
6. 2016年9月23日 20:13:30 : tlWnVFEXyg : YdpJ@QYwqXE[42]
明らかなエア記事ですね。

私は社員数人の小さい会社の経営者ですが、社員というのは
その会社の格に応じた人が適切なんですわ。

優秀すぎてもダメ、無能すぎてもダメ。

会社にとって一番痛いのは手間隙かけて育てた社員に辞められること。

会社の格にそぐわない優秀な社員は必ず条件のいい会社に転職しますから。

会社のノウハウを盗まれて隣町にライバル店を出されるなんて事にもなりかねません。

優秀な人材は物覚えが良く考えながら勝手に仕事を覚えるし手間はかかりませんが
ある日勝手にやめます。

理想は不正をしない誠実な人物で言われた事はたまに失敗しながらでもやれる。
自分の能力にあった会社でやめるよりは居座ってた方が得だと思ってくれてる社員がいいんですわ。

5割ぐらいの能力で鍛えて3割上乗せして8割。残りの2割はこっちがフォローして
あげるぐらいの気持ちで回してる状況が一番上手く行きますね。



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