http://www.asyura2.com/16/hasan113/msg/496.html
Tweet |
あなたは「安かろう、悪かろう」の人材か?(1/7ページ)
2016.09.21
このエントリーをはてなブックマークに追加
健康診断で感じた「レベルの差」
今回のコラムを書く前日、私は、病院で健康診断を受けました。血圧や検尿、心電図など、簡単なものです。この検査は市役所などの自治体が行うもので、国民健康保険に入り、お金を払っている人は無料で受診できます。自治体により、その額は違いがあります。
実は、この検査はまさに「安かろう、悪かろう」だったのです。「悪かろう」というのは検査する側ではなく、「安かろう」という検査に集まってくる人達の水準を指します。たとえば、受付で、女性の職員と口論をする70代前後の男性がいました。髪の毛を茶色く染めて、シャツ1枚で現れた30代と思しき男性も、女性職員と押し問答をします。
検査の部屋に進むと、驚くような光景を目にします。30人ほどの男女がいて、平均年齢は40代半ば。ひとりごとを言いながら、立ち歩く60代らしき男性がいれば、椅子の上にあぐらをかいて、物思いにひたる40〜50代の女性もいます。
採血の部屋の前では、70〜80代の男性が「なんだかな〜」と愚痴を言いながら、犬のように同じ場所をくるくると回っています。認知症ではないか、と感じました。金髪の女性と、金髪の男のカップルがスマホを見ながら、大きな声で話し合っています。その内容が、5メートルほど離れた私にも聞こえるのです。ふだんはめったに見ない人たちが次々と目の前に登場します。新鮮で、刺激的な1時間でした。
無料の検査ならば、こういうレベルの人が多いのだろう、と思わざるを得なかったのです。思い起こしたのが、数年前、この病院で受けた人間ドックです。血圧や検尿、心電図はもちろん、肺のCTや胃カメラ、胆のうなどの腹部エコーなどがあるコースでした。額は7万円ほどです。
待合室にいると、そこで待つ人たち15人ほどの平均年齢は60歳前後で、マナーなどは一定水準以上でした。私語を話す人もいなければ、立ち歩く人もいません。受付の女性との対応もスムーズです。15人前後が流れるように、検査を次々と受けていくのです。
次ページ: 中小企業で働く20〜30代の連中は「安い人材」になってきた
中小企業で働く20〜30代の連中は「安い人材」になってきた
今回の無料検査と数年前の人間ドックのような違いは、実は、企業社会でよく見かけます。数週間前、外食チェーン店の40代のオーナー(創業経営者)を取材しました。都内に、20店舗ほどを構えます。経営者は、オフレコということで、少々、過激なことを話していました。
(写真:PIXTA)
「うちのような中小企業で正社員として働く人は、バカが多い。偏差値55以下の3流大学を卒業しているか、1流大を卒業していても、会社員になってトラブルメーカーになり、スポイルされた奴が多い。まともな人はエントリーはしない。
つまり、安かろう、悪かろう、だよ。こちらはキレそうになるけど、怒るに値しない連中だな、と言い聞かせている。うちの息子は、今、関西の国立大の医学部にいる。入学時の偏差値は80近い。親として、あいつには多額の金をかけたからね。安い人材にはしたくなかった。
ここ10数年、中小企業で働こうとする20〜30代の連中は、親から、それなりの金をかけてもらえなかったのだろうね。だから、安い人材になっちゃったのよ」
「安い人材」を雇うと、「絶望的な思いになることが多くなる」のだそうです。たとえば、正社員でありながら、無断欠勤を繰り返す。店長が厳しく叱ると、数日後に辞める人すらいるようです。しかも、健康保険証を返却すらしようとしないのだそうです。
次ページ: 使える外国人のほうが人材の値打ちは数ランク上
使える外国人のほうが人材の値打ちは数ランク上
ここ5〜6年は、「安い人材」よりは、外国籍の20代の人で、日本語に堪能な人のほうが様々な意味で、人材として数ランクは上だとも話していました。勤務態度、仕事への姿勢、仕事を覚えるスピード、上司や同僚らとの人間関係づくりなどの点で比べると、オーナーいわく「9(外国人)対1(安い人材の日本人)」とのこと。
オーナーは、絶賛していました。
「外国人で、優秀な労働者がいるならば、雇うべき。この人たちは、母国できちんとした大学も卒業している。在学中、日本語などを勉強し、日本のこともよく把握している」
オーナーには、経営者仲間が数百人はいるようです。経済団体や様々な会合、ネット上のSNSなどで知り合った経営者たちです。半数近くの150〜200人は、外食、小売、流通、IT、建設、介護などの業界で、特に100人以下の会社の創業経営者です。この経営者のほとんどが、オーナーと同じようなことを話すそうです。
「30代前半までの、使えない日本人よりも、30代前半までの、使える外国人のほうが人材の値打ちは数ランク上」
「30代前半までの、使えない日本人よりも、30代前半までの、使える外国人のほうが、20代前半までに親などからお金をかけてもらい、きちんとした教育を受けているはず」
「30代前半までの、使えない日本人は自分のバカさ加減を棚上げし、権利ばかりを主張する。だから、ますます、使えない人材になっていく」
次ページ: 中小企業に大企業と同じモラルを求めることが問題
中小企業に大企業と同じモラルを求めることが問題
オーナーはさらに、こんなことも話していました。
「日本が経済大国というのは、半分正解、半分誤り。マクロ経済は依然として大きい。だけど、日本人の経済力は収入や資産格差が大きい。意識も生き方も、差が大きい。子どもへの教育投資の差も大きい。
それを格差社会として位置づけ、是正しようとしても、ここまで差が大きくなると、不可能。むしろ、すみわけをしたほうが効果的。偏差値80の、うちの息子なんかは医師になって、難病の研究に取り組む。国民も税金をもっと払い、それを支える。
偏差値55〜70の連中は、サラリーマンしかできないから、せめて、学歴にしがみついて、自己陶酔で生きていく。社長や役員にバカにされながら。
うちのような中小企業には、偏差値55以下の、安い人材がドーンと入ってくる。その中で、使える奴だけを正社員として雇い、幹部にする。使えない奴は、できるだけ早く辞めさせる。
もともと、50〜60年前から、こんなすみわけがあるだろうけど、今の問題は、中小企業に大企業と同じような法律やモラルを求めていること。労働法や民法のあり方は、明らかに“大企業寄り、労働者寄り”。
だから、うちのような会社を経営する社長たちは、30代前半までの、使える外国人を雇う。30代前半までの、使えない日本人を、30代前半までの、使える外国人と競わせようとしても、日本人が負けるに決まっている。
30代前半までの、使える外国人は、40〜50年前の、大卒の日本人みたい。欲が深いし、競争意識や負けん気が強く、ハングリー。グローバル化の本質の1つは、時間空間が異次元の人たちと競い合うこと。
今を生きる日本人が、しかも、落ちこぼれが、40〜50年前の、大卒の日本人と闘ったら、吹き飛ばされるに決まっているだろう? この視点が、いまのグローバル化の議論にないよ」
次ページ: 人材のすみわけを徹底させることが本当の成長戦略
人材のすみわけを徹底させることが本当の成長戦略
オーナーは、20代の頃、大物コンサルタントが開く「政治塾」にも通っていたようで、政治にも鋭い指摘をしていました。
「安倍さん(首相のこと)やその取り巻きが成長戦略を考えるならば、外食、小売、流通、IT、建設、介護などの業界で、特に300人以下の会社には、外国人を大胆に受け入れる仕組みにすべき。その数が今の30〜50倍になってもいいじゃない?
その中から、外国人の店長やマネージャー、役員が登場し、安い人材の日本人を使うのが、世界の先進国で起きている現象。それが健全だよ。
日本人のレベルを底上げしようとしても、できるわけがない。バカはバカだし、アホはアホのまま。バカやアホを、30代前半までの、使える外国人のレベルに上げるのは、不可能。時間空間を考えなきゃ、ダメ。
格差是正なんてのは、ゆきづまった学者とか、会社員としてスポイルされた、労働組合の役員とか、万年野党の政治家のような、自分を安全地帯においている連中の妄想でしかない。労働組合も、使えない役員をいじめて、排除するだろう?その偽善が、今はビジネスになる。実際にビジネスにしているから、彼らはさすがだよね。
格差是正を唱えるとき、そこに人材の質の差を含めてはダメ。せいぜい、高校教育までくらいの差を可能な限り、なくすことにとどめるべき。会社に入ってからの人材の質の差は、今やあまりにも大きくなっている。その現実を受け入れて、いかに人材を効果的に配置するか、と考える時代になっているわけ。
そのすみわけが進むと、定年まで、ずっと安い人材が生まれる。それを外国人にリプレースするべき。安い日本人はもっとプアーな国とか、日本に残りたいのだったら、安い人材でも受け入れてくれる業界や会社に行くべき。その意味でのすみわけを徹底させることが、本当の成長戦略であり、開かれた国であり、先進国でしょう?」
次ページ: ランクが下がるほど仕事や意識のレベルが年々下がる
ランクが下がるほど仕事や意識のレベルが年々下がる
この一連の指摘と意味合いが近いことを、実は、社員数が300人以下の会社の創業経営者が、取材時にオフレコという条件付きで時折、話します。特に外食、小売、流通、IT、建設、介護などの業界に目立ちます。
これらの指摘は、大企業のホワイトカラー層、つまり、このオーナー流にいえば、偏差値55から70の層の人にもいえることです。たとえば、私がいる出版界でいえば、一流といわれる5〜6社は正社員数が500〜1200人前後で、たしかに社内の体制は整っています。新卒時の採用試験でも、倍率の高さや試験問題の難しさは、全国紙やキー局、通信社などにひけをとりません。
その5〜6社の下に、正社員数が200〜500人前後の出版社が20社ほどあります。社内の体制、入社の難易度、人材の質などを比べると、20社はほぼ同じようなものですが、「一流の5〜6社」との間には、様々な意味で差を感じるのです。
このクラスの下に、正社員数が200人前後以下の出版社が無数にあります。ここではトラブルが多発しています。入社時のトラブル、労使紛争にはじまり、外部取引先との問題などを頻繁に耳にします。
これらははるか前からあるすみわけといえるのでしょう。問題は、ランクが下に下がるほどに、社員(この場合は、編集者)の仕事や意識のレベルが10数年前よりも年々、下がっているように思えるのです。離職率がもともと高いのに、さらにその率が上がり、組織としても疲弊し、倒産・廃業する確率が高くなっているように見えます。もはや、息も絶え絶えの会社が増えているのです。これでは、人が育たないでしょう。
さらにいえば、上のクラスの層も、「労働劣化」が進んでいます。私が20代前半の頃(1990年代前半)、正社員数が200〜500人前後の出版社20社ほどの社員のレベルはもっと高かったと思います。最近は、このクラスの会社の人材の質も相対的に下がってきているように見えます。編集者らと話をしていても、3人に1人のペースで絶望を感じることがあります。仕事の深い会話はできません。その域に達していないのです。前述のオーナーのように、「バカはバカのままであり、アホはアホのまま」と実感します。
次ページ: 「這い上がれない未来」が待っている
「這い上がれない未来」が待っている
今や、こんな安い人が増えているのですが、彼らは自分のことを決して「安い人材」とは思っていないようです。それどころか、今回のオーナーの話などを「しょせん、外食に行く、偏差値55以下の人の話」と信じ込んでいる気配です。
その考えは、甘いのでしょう。実は、オーナーの言葉を借りると、「偏差値55〜70で、サラリーマンしかできない連中」の中にも、人材のすみわけが10数年前よりは歴然とした形で生まれつつあります。
その1つが、東大・京大卒の新卒者の「超総合職」化です。ほかの大勢の大卒(新卒)の総合職よりも、処遇をよくしようとする動きです。この人たちへの取材の依頼をしても、広報などがブロックし、難しいものがありますが、特に大企業では、大卒総合職のすみわけが20代前半の時点で確実に進んでいることは間違いないことです。
今、アベノミクスのもと、好景気が続いているといわれています。多くの人が日本の置かれている厳しい現実を忘れているように見えます。2020年以降、その現実がはっきりと浮かび上がるはずです。それは、「這い上がれない未来」です。「バカはバカのままであり、アホはアホのまま」の時代です。私もやがては、毎年、無料の健康診断へ行き、いつしか、椅子の上にあぐらをかいたり、犬のように同じ場所を歩き回ったりしているのかもしれません。
今回、オーナーの話で、特にインパクトがあったのは、次のものでした。
「安い日本人はもっとプアーな国とか、日本に残りたいのだったら、安い人材でも受け入れてくれる業界や会社に行くべき。その意味でのすみわけを徹底させることが、本当の成長戦略であり、開かれた国であり、先進国でしょう」
読者の皆さんは、どのように感じますか?
吉田 典史(よしだ・のりふみ)
吉田 典史(よしだ・のりふみ)
1967年、岐阜県大垣市生まれ。2006年以降、フリーランスに。特に人事・労務の観点から企業を取材し、記事や本を書く。一方で、事件・事故など社会分野の取材を続ける。
著者に『封印された震災死その「真相」』(世界文化社)、『震災死 生き証人たちの真実の告白』『あの日、負け組社員になった…』(ダイヤモンド社)、『悶える職場』『非正社員から正社員になる!』(光文社)、『ビジネス書の9割はゴーストライター』(青弓社)など。近著に『会社で落ちこぼれる人の口ぐせ 抜群に出世する人の口ぐせ』(KADOKAWA/中経出版)がある。
連載「職場を生き抜け!」は、『いますぐ「さすが」と言いなさい!』(ビジネス社)や『仕事なんかするより上司に気を使えよ (働く・仕事を考えるシリーズ)』(労働調査会)にまとめられている。
雑誌では、『先見労務管理』(労働調査会)、『プレジデント』(プレジデント社)、『週刊ダイヤモンド』(ダイヤモンド社)、『週刊東洋経済』(東洋経済新報社)などで執筆。
Twitter:https://twitter.com/Yoshidanorifumi
https://twitter.com/Katigumi2
ブログ:http://plaza.rakuten.co.jp/yasushinori/
コメントを見る(3件)
コメントを書く
1.No Name2016.09.22
この人が絶望した場面に実際に遭遇していないので、判断が出来ない。
確かに無料や安い所では、考えられないようなトラブルを目にすることがあり、
結局、行く所を選んでしまう。しかし、そういう安い人材が下支えしているとも感じる時がある。偏差値80の息子さんはおおいに選民意識を持ち、おおいに働いて欲しい。
いずれそれだけではズッコケる時が来るのだから。
成金社長のコメントは見ているだけに笑える。良家の人なら口にしないだろう単語が並ぶ。
ライターあたりに、気軽にこういったことを口にしている時点でお里が知れるというものだ。
だいたいこれくらいの年代の男性は、すでにすべての感性が違ってしまった下の世代に向けて、一方的になぞかけのような問いを投げかけ、一方的に失望していることがある。
傍から見ると、非常に滑稽だが、本人は単純に下の世代のレベルが下がったと思っている。
また、それが周囲に透けて見えるのも、いやらしく、もの悲しい。
もし、この男性の問いかけに、すべての感性が違っているにも関わらず、適切にこたえる若者がいたとしたら、そもそも、この男性よりも数段上の人材である。若さもあり、この男性が適うはずがない人材なのであろうから、さっさと地位を譲ってあげたらよいのだ。
2.おじさん2016.09.21
エア取材の匂いがプンプンしますね。
ところで、この外食産業で働いている外国の方は、どう言う資格に働いているのでしょう?
偽装留学生?密航?
それとも悪名高いあの制度ですかね?
3.No Name2016.09.21
安っぽいオーナーがもっと安く使える人材を使い捨てにして荒稼ぎして、バカばっかりって文句を言ってるだけにしか思えません。読んでいてこれほど気持ち悪くなる記事もないですね。炎上商法のひとつでしょうか?
http://www.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/92290/092000044/?
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 経世済民113掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。