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89歳でアイスキャンディを売り歩く男性――悲しい過去と差し出された手
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160914-00010012-jisin-peo
女性自身 9月14日(水)19時42分配信
ある日のこと。シカゴに住むジョエル・セルバンテス・マシアスさんの目に、路上でワゴンを押す老人が映った。背中を丸め、足を引きずりながら、メキシコの伝統的なアイスキャンディ「パレタ」を売り歩いていたその男性の姿に衝撃を受けたマシアスさんは、彼を写真に収めた。そして20本のパレタを買い、50ドルを渡して「神の祝福を」と声をかけて別れた。
帰宅後もマシアスさんはその男性のことが気に掛かっていた。歩くのも辛そうなのに、なぜ働かなくてはならないのか──マシアスさんはFacebookに、「私は彼を、心の底から尊敬します!」と書き添えて彼の写真を投稿した。その写真が話題となり、数々のメディアが彼を取り上げている。
彼の名前はファイデンツィオ・サンチェス。89歳だ。メキシコのモレロスで誕生したサンチェスさんは生後6カ月で孤児となり、13歳のときには自活するために働き始めたという。結婚して授かった一人娘に十分な教育を与えるためにシカゴに移住し、夫婦で馬車馬のように働いた。その甲斐あって娘は立派に育ち、両親を経済的にも支えるようになったが、今年になって他界してしまったのだそう。サンチェスさんはCNNの取材にこう語る。
「あの子が死んだときは本当に辛かった。これからどうしていけばいいのだろうとも思った。もう仕事は引退してしまっていたけど、施しを受けたくはなかったから、またパレタを売り始めたんだ」
妻は病気がちで働くことは出来ず、生活は困窮していた。そんな事情を知ったマシアスさんは、クラウドファンドサイト「GoFundMe」で寄付を呼びかけた。目標額は3,000ドル。施しは受けたくない、とサンチェスさんは言うが、「できることは何でもして彼を助けたいのです。彼を見たとき、心がつぶれるようでした。この年まで働かなくてはいけないなんて……。老後を楽しんでもらいたいんです」
目標の3,000ドルはあっと言う間に達成し、わずか4日で寄付額は32万ドル(約3,280万円)を超えた。マシアスさんは、いつでも必要なときにサンチェスさんがこの口座にアクセスできるようにしたという。重いワゴンから解放され、残りの人生を伴侶と共に精一杯楽しんでもらいたい。
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