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ポルシェ ジャパンが「日本企業として」描く未来(Forbes JAPAN)
http://www.asyura2.com/16/hasan113/msg/123.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 9 月 10 日 22:50:35: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

ポルシェ ジャパンが「日本企業として」描く未来
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160910-00013482-forbes-bus_all
Forbes JAPAN 9月10日(土)18時0分配信

7月にポルシェジャパンが東京で記者発表会を開催。最新モデルのアンヴェイルとともに、今後描く未来像と、3つの公約を発表。代表取締役社長の七五三木敏幸にその真意を聞いた。

ポルシェが日本でキーノートを実施する。その知らせを聞いて、いささか、首をかしげてしまった。ワールドプレミアが登場する国際的なモーターショーで、ドイツ本社の大本営発表としてのキーノートを行うならまだしも、日本国内に向けてはたいてい新車の発表会を行うに留まるからだ。今回のように、企業としてのミッションを発表することは珍しい。

発表される当日、ポルシェジャパンが移転したばかりの虎ノ門ヒルズには、開場を待つメディアが駆けつけていた。

ポルシェの最新モデルである新型「718ケイマン」が発表されることも話題のひとつだが、ポルシェジャパンを率いる七五三木敏幸社長に加えて、ドイツ・シュトゥットガルトにあるポルシェ本社からマーケティング部門を担当する取締役が来日し、これまでにない、日本企業としてのポルシェ ジャパンが目指す方向性を示したのだ。

「1995年にポルシェ ジャパンが設立されてから20周年を記念して、虎ノ門ヒルズに拠点を移しました。それに伴って、ポルシェ ジャパンとしての未来像をお伝えし、それに向けたミッション、日本の皆さまへの3つの約束をお伝えします」という七五三木社長の言葉で、キーノートが始まった。

ポルシェは、従来、「911」というスポーツカーのアイコンを頂点としたスポーツカーのヒエラルキーの頂点に君臨するモデルを筆頭に、弟分である「ケイマン/ボクスター」で裾野を広げ、さらにはSUVの「カイエン」や「マカン」へとラインナップを広げることで、ブランドを進化させてきた。

さらにこの数年、その動きが激化している。昨年には新型911を発表し、後を追うように新型718ボクスターが登場し、さらにこの日、新型718ケイマンが日本に上陸した。時をほぼ同じくして、本国ドイツでは首都ベルリンで「パナメーラ」が発表されている。魅力的なモデルを継続的に発表するだけではなく、それを日本にデリバリーできる体制を整えてきたことも、近年のポルシェ ジャパンの好調につながっているはずだ。
「今回、キーノートを開催した主眼は、ポルシェジャパンが描く将来をお伝えすることです。創設20周年を機に、社内でも議論を重ねてミッションを構築しました。最も重要なのは、たとえ動力がガソリンから電気に変わっていくとしても、我々が皆さんにスポーツカーをお届けするという役割は変わらないということです。顧客に何を提供するか? を具体的に言葉で示すべきだと考えたとき『お客様の期待を超えた「歓び」を提供する』ことが重要だという結論に至りました」

ポルシェジャパンとしては、そのために3つの約束を掲げている。ひとつは、日本経済、日本社会への貢献である。非常に単純だが、ポルシェという魅力的な商品を提供することで、日本の消費を刺激するという言葉通り、ポルシェ ジャパンの設立から当社の成長は続いており、20年間で約3倍まで日本市場における売上を伸ばしている。

2つ目は、環境保護のサポートだ。ポルシェはすでに日本でも、「カイエン」と「パナメーラ」でプラグイン・ハイブリッド(PHV)を販売している。実際、SUVや大型セダンのような大きなクルマでこそ、PHVのような低燃費化の技術は本領を発揮する。

今後は、ポルシェジャパンの販売台数のうち、約10%をPHVとする方針を打ち出した。また将来にわたる環境保全への具体策として、昨年のフランクフルト・ショーで発表した電気自動車の『ミッションE』のプロジェクトも推進しており、日本でも導入を計画しているという。

「ミッションE」とは、4人乗りのEVセダンで、2020年までの発売を予定しているモデルのことだ。アルミやカーボン複合材などの最新素材を駆使し、非常に軽量なボディが与えられている。さらに、先日のル・マン24時間耐久レースにて勝利を手中に収めた「919ハイブリッド」に積まれている強力な電気モーターとほぼ同じものを2基も搭載するのだから、スポーティでないはずがない。

そう、七五三木氏が最初に言葉にした通り、たとえ、パワートレインが電動化する時代になっても、スポーツカーを提供するというポルシェの基本理念に変化はないのだ。ただ、ひとつ気になるのが、旧来からのポルシェ・ファン、特に「911」を頂点としたスポーツカーをこよなく愛する顧客が、ポルシェのこうした変化に対してどう反応するかだろう。

「環境活動へのサポートの一環として、クラシック・ポルシェを楽しむ人々へのサポートも充実させる方針です。いいものを長く使うという意味もありますが、なによりも、これまでにポルシェが歩んできた歴史を否定せずに、大切に乗ってくださる顧客の方が部品などに困らないように万全の供給体制を敷きます。実際、1931年の創業からこれまでに生産されたポルシェのうち、70%が今でも生き残っているという事実があるのです。最新のポルシェを好んでくださる方々と同じように、ポルシェの歴史を育んできてくださった顧客の方にも敬意を払って対応します」

実のところ、「最新のポルシェは、最良のポルシェ」という有名なフレーズが示す通り、ポルシェ ジャパンとしても、最新の速いスポーツカーを日本の顧客にいち早く提供することに重きが置かれた時代があったのも否めない。一方で、「カイエン」や「マカン」のようなSUV、「パナメーラ」のような4ドア・サルーンとラインナップの幅を広げてきた。その段階ですら、“SUVや4ドアなんてスポーツカーじゃない!”という批判が囁かれた。

さらに今後、PHVの販売を伸ばしたり、EVまでも手掛けるとなると、旧来のファンからは再び、“そんなのスポーツカーじゃない!”という嘆きが聞こえてきそうだ。

「クラシック・ポルシェを愛する皆様がポルシェを乗れる状態で保有してくださっていることに対して、責任ある対応をするのは企業として当然のことです。日本では古くから最良のスポーツカーとしてポルシェを選択された顧客の方が多く、大変感謝しています。その一方で、SUVや4ドア・セダンからポルシェの世界に入ってくださる方も年々増えています。クラシック部門に力を入れることは、水平対向エンジンや911に代表されるスポーツカーといったポルシェの伝統を重んじてくださる顧客の方とのリレーションシップの意味合いもあります」

そして、第3のミッションが、スポーツドライビングの提供だ。これまでにもドライバーズ・トレーニングを実施するなど、スポーツ・ドライビングの体験を広めることに加え、「911」の中でも最高峰の「911 GT3 Cup」によるワンメイク・レースであるカレラカップ・ジャパンや、世界14カ国で開催されるポルシェ公認モータースポーツシリーズであり「GT3 Cup Challenge」へのサポートも継続的に行っていく。

しかしながら、誰もが知るスポーツカー・メーカーであるポルシェが、なぜ、いまあらためてこのような所信表明をする必要があるのだろか?

「道を歩く誰もが、ポルシェを見ると、『あ、ポルシェだ!』と気づいてくださいますが、企業体としてのポルシェ ジャパンについてはあまり良くご存知ではないでしょう。今までは、『911』という製品の知名度と魅力でクルマを売ればよかったかもしれませんが、今後はそういう時代ではなくなると考えています。EVのような電動パワートレインの時代は確実にやってきます。そのように時代が変化していくなかで『なぜ、このモデルを世に問うのか?』という質問にお答えできなければ、将来的にはお客様にポルシェを選んでいただけなくなると思っています。ポルシェジャパンという企業はどんな会社で、今後どうしたいのか?なぜ、このクルマを出すか?といった答えを出せてこそ、初めてお客様にクルマを選んでもらうことができると考えています」

もちろん、そのためにはポルシェジャパンとしての内側を見つめなおす必要もある。

「改革をせずに、生き残れるはずはありません。『911』はスポーツカーとして順風満帆に感じられるかもしれませんが、コアコンピタンスである水平対向エンジンが空冷から水冷へと変わった1997年にも、大きな変化に晒されました。過去を振り返れば、10年後も今日と同じような仕事をしているとは思えないはずです。変化を予測して、ビジネスの仕方を変えていき、リスクを恐れずに進んでいかなければなりません。技術革新、お客様の志向やインターネットなどの周辺環境の変化といった周辺までも含めて考えて、ビジネスを変えていかねければなりません。例えば、エンジンを高回転まで回すことだけが正しいスポーツ・ドライビングなのでしょうか? スポーツカーメーカーとしては、そうした将来への疑問にも答えていかないとなりません。ポルシェは速いことが重要という価値観は、その時代に「速い」ことが重要だったことから生まれたものです。常に時代にマッチしたクルマを出すことが、ポルシェ ジャパンとしての使命だと思っています」

インタビューの最後に、七五三木氏にマネージメントとは? と訊いてみると、こんな答えが返ってきた。

「一人ひとりの価値観があり、それにあったマネージメントが必要です。昔のようにクルマをたくさん売ったらボーナスをたくさんもらえたり、出世できるという型にはまったインセンティブだけでは、今の時代に人は動かせません。マネージメントする側が、この会社で働く意味を理解し、社内で共有していくことが重要です。働く意味を理解して、それが説明できない人は、トップとしての資格がないとすら思っています。そのためにはまず社員がポルシェに触れることを強化し、2020年までに社員が全員ポルシェに乗るというミッションを掲げています」

七五三木氏がポルシェ ジャパンの舵を握り始めてからようやく1年。日本企業としてのポルシェジャパンの今後に期待したい。

七五三木敏幸◎1958年生まれ、群馬県出身。一橋大学卒業後、群馬銀行入社。元来のクルマ好きが高じて1989年メルセデス・ベンツ日本に入社。ダイムラー・クライスラー日本CEO、フィアット・クライスラー・ジャパン本部長、日s本自動車輸入組合理事などを務め、2014年1月より現職。


 

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