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閑散相場、退屈と感じたら危険信号
強い刺激に手を出せば、遅かれ早かれ損をするかもしれない
退屈した投資家は危険な存在か
By JASON ZWEIG
2016 年 9 月 6 日 09:08 JST
退屈な相場には気を付けた方がいい。
8月は例年商いが閑散となるにしても、今年8月の金融市場は特にさえなかった。S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスのシニアアナリスト、ハワード・シルバーブラット氏によると、S&P500種指数の1日の変動幅が上下1%を超えた日はなかった。
クレディスイスのトレーディングストラテジスト、アナ・アブラモビッチ氏によれば、8月の1日の平均出来高は60億株と、1?7月を約20%下回った。8月に入って相場の動きがこれほど鈍るのは2010年以来のことだ。
退屈な相場に潜む危険
そこには危険が潜んでいる。相場が退屈だと、投資家は極端な動きに出ようとしかねないからだ。
ファクトセットによると、先月、運用資産が急増した上場投資信託(ETF)は、通信株から得る毎日のリターンを2倍にしたり、エネルギー株の上下動の逆の動きからリターンを得たり、中国の不動産を保有したりしようとしている。産金株から得る毎日のリターンを2倍や3倍に増やそうとしているファンドに引けを取らない。
先月はこうしたファンドに9億ドル弱が流入した。7月は2億0500万ドルの流出だった。相場が夢遊病のような状態に見えるにもかかわらず、ボラティリティーの上昇に賭けているファンドの規模は8月に20%以上拡大した。
これらは投資ではなく、投機だ。つまり、株価が次にどちらの方向に振れるかの思惑や、自分より性格が性急な買い手を見つけられるかどうかに左右される。
相場の上下動を増幅させるレバレッジ型ファンドと、原指標と逆方向に動くインバース型ファンドはリスクが極めて高い。
このため今は、「怠惰な思考は悪魔の仕事場」であることを投資家が思い出す良い機会だ。
考えられるリスクはもう一つある。メリーランド大学・ボルチモア・カウンティ校のロバート・R・プロバイン心理学教授は「退屈さは他人にうつる可能性がある」と指摘。「あくびがよくうつるのは周知だ」と語った。
これら全てのことは、個人投資家だけでなく機関投資家にも当てはまる。フレッド・シュエッド氏は、1940年の著書「投資家のヨットはどこにある?」の中で、「もうけになることが何もない普通のウォール街関係者はしばらく何もしない。そして突然、結局は全くもうからない何かをする。彼は怠け者ではない」と述べた。
退屈なのは市場のせいか?
自分で投資するにしても、財務アドバイザーの協力を仰ぐにしても、行動のための行動への誘惑に逆らうことが重要だ。
投資コンサルタントのチャールズ・エリス氏はかつて、「化学工場やクッキーメーカー、歯磨き粉を生産している場所など、工程が継続的な工場をいつか訪れるといい。何か面白いことを見つけたら、何か悪いところも発見するだろう」と語った。
また「投資も継続的な工程だ。それは面白いとは限らない。もし刺激が欲しくて株に手を出したら、遅かれ早かれ損をするだろう」と述べた。
最後に、ある調査によると、人々は退屈になるのは自分のせいではなく、自分を取り巻く環境のせいにする傾向が強い。さえない株式市場が人を退屈させるならば、それは市場が悪いのだろうか。それとも絶えず市場に目を向けて、他にもっとやるべきことを見つけられない自分のせいだろうか。
株式市場が静かすぎると感じても、自分のポートフォリオでそれを活気づけようとしてはならない。その代わりに、自分の残りの人生にひと味添えるのだ。そうすれば今より幸せになり、市場が再び活気づいた時に損をする可能性は低くなるだろう。
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8月の米雇用統計、安定兆候とは矛盾する材料も
データが完全雇用を示唆する一方で相次ぐ大手企業の雇用削減
By RANDALL W. FORSYTH
2016 年 9 月 6 日 08:34 JST
? 8月の米雇用統計で後退した9月の米利上げ観測
米国の休日、レーバーデー(9月の第1月曜日)を含む3連休は労働者たちが日々の労働から解放されて、その成果の一部を楽しむときとして知られている。投資家たちにとっても労働市場の状況は懸案事項となっている。あからさまに言うと、心配しているのは労働者の待遇がどうかというよりも、資本市場にどう影響するのかである。
米国政府の“統計工場”が生み出す数値の中でも月に1度公表される米雇用統計はいつも大いに注目を集め、吟味されるが、最近の注目度はこれまで以上に高まっている。それというのも米連邦準備制度理事会(FRB)の高官たちが、就業者数のさらなる大幅な増加は、かなり以前に約束した政策金利の誘導目標の引き上げ実施を意味するということを広範に示唆してきたからである。
とはいえ、ウォール街関係者たちが一斉に休暇旅行に出掛ける直前の9月2日に公表された8月の米雇用統計では、労働市場の大幅な改善の兆候は示されず、9月20〜21日の連邦公開市場委員会(FOMC)会合で利上げが実施される可能性はほとんどなくなってしまった。
専門的な言葉を使うと、その数値は別にどうということはなかった。非農業部門の就業者数の増加は15万1000人にとどまり、18万人増というエコノミスト予想をわずかに下回った。その一方で失業率は4.9%(FRBが完全雇用と見なす水準)と変わらず、就業者数の前月、前々月の数値の修正も最小限だった。しかし、その統計をより詳しく見ていくと、雇用市場安定の兆候とは矛盾する恐ろしい材料も出てくるのだ。
8月の雇用統計で顕著だったのは、平均時給がほとんど伸びない中で週平均労働時間が減少したため、給与総額が減少したことである。低調だった民間部門の就業者数の伸びの大半を占めるのは、計算に携わる役人が想像で作り出した新設企業での就業者という亡霊(ファントム)労働者である。政府職員数の増加も概ね統計学者の季節調整で生み出されている。
平均時給は先月に0.1%上昇したが、これはインフレに追いついていないのかもしれない。カナダの資産運用会社グラスキン・シェフのチーフエコノミスト兼ストラテジストのデービッド・ローゼンバーグ氏は、週平均労働時間が7月の34.4時間から34.3時間に減少したことの方が悪材料だと指摘する。労働時間が減ることは労働者にとって良いことではないのか。とんでもない。これは就業者数の30万人削減に相当するものだと同氏は説明する。
米金融大手モルガン・スタンレーのエコノミスト、テッド・ワイズマン氏によると、過去2カ月間の主な好調分野は政府職員数だったという。地方の教員4万7000人を含めると、その数は7月と8月で7万5000人増加した。季節調整を取り除くと、政府職員数はその2カ月間で86万8000人減となるので、その増加分は恐らく夏休みの季節調整の難しさからくるものだろうと同氏は指摘する。今年のレーバーデーのタイミングを考慮すると、通常の年よりも多くの子供たちが8月に新学期をスタートさせており、統計学者たちを当惑させることになった。季節調整で7月と8月に上乗せされたものは、9月と10月に差し引かれる可能性が高いのだ。
ローゼンバーグ氏によると、さらに重要なのは、8月の米雇用統計が個人所得と鉱工業生産の0.2%低下を示唆しているということだという。働いている男女の観点からすると、最小限の賃金成長と労働時間の減少という組み合わせの影響は、給与総額が前年同月比で1.5%の減少になることを意味しており、これは2013年12月以来で最大の減少幅である。
? コンピューター関連企業で進む雇用削減
経済学の基礎講座では、完全雇用の状況であれば、企業はその製品の需要を満たすために十分な労働力を確保するため、競って人を雇おうとするということが示唆されている。ところが、事例証拠が示唆するのは、最低賃金の引き上げや給付費用の増加といった政府主導の計画が一因となったコストの上昇により、企業は他でのコスト削減を迫られているという状況である。
雇用コンサルティング会社チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスによると、米ネットワーク機器大手シスコシステムズ(CSCO)が先月、5500人のレイオフを発表するなど、コンピューター関連企業は今年に入って5万5000人以上の雇用削減を発表してきたという。そのセクター以外でも、ダウ工業株30種平均(NYダウ)構成銘柄で米小売り大手のウォルマート・ストアーズ(WMT)が事務職7000人を削減し、店舗従業員の賃金を引き上げると発表した。
雇用市場におけるこうしたさまざまな状況を総合すると、FRBが今月のFOMC会合で利上げを実施するという大穴予想が当たる可能性はかなり低そうだ。
ブルームバーグによると、9月のFOMC会合で現在0.25〜0.5%のフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標が0.25%ポイント引き上げられる確率をFF金利の先物市場は32%と織り込んでいるという。12月13〜14日のFOMC会合で引き上げられる確率は60%と織り込まれており、五分五分以上ではあるが、確実とは言えない。全ては米国経済の歩みが非常に重たいからである。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwj3_Zj6yPnOAhVGE5QKHSBRAa0QFggeMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB10131342344550994625404582294643653941410&usg=AFQjCNHFWZWFhz2mjx7K3jqEch7hmNbvNQ
米株予想、トップ・ストラテジストの意見割れる
VITO J. RACANELLI
2016 年 9 月 6 日 08:39 JST
• 意見の中には弱気も
本誌が意見を聞いているトップ・ストラテジストの間で、過去9年間で初めて意見が割れた。2016年内の米国株式市場の見方はまちまちで、弱気の見解さえも混じっている。これは、昨年12月の慎重ながらも楽観的な見方からの後退である。
S&P500指数の年末予想値の平均は2138で、2日の終値の2180を下回っている。各ストラテジストの自身に対する評価は、4人が強気、3人が弱気、3人がニュートラルである。強気派はその根拠として、世界の中央銀行の緩和的な金融政策、下半期の企業の1株当たり利益(EPS)成長の回復、利回り追求の継続を挙げる一方で、弱気派は、米国大統領選挙をめぐる不透明感、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ意欲、市場の高い株価収益率(PER)を挙げている。
10人のトップ・ストラテジストの見通しは、これまではほとんど例外なく楽観的な傾向にあり、2009年3月に始まった強気相場では2桁台の相場上昇を予想してきて、それはことごとく的中してきた。なお、弱気派の一部でさえも、2017年に市場が回復するとみている。とはいえ、年2回の調査で、これほど弱気なのは、2002〜2003年までさかのぼる必要がある。2016年末のS&P500指数の予想は、2000(2人)から2300(1人)まで幅がある。
企業利益に関しても見方が分かれている。S&P500指数構成企業のEPSは、第1四半期に5%、第2四半期に約3%それぞれ減少している。2016年の予想の平均値は119ドルで、2015年12月の123.50ドル、同年9月の129ドルから低下している。ちなみにアナリストのコンセンサス予想のボトムアップは約118ドルで、ストラテジストの平均と同水準であり、12カ月前の132ドルからやはり低下している。
一方、各ストラテジストの意見が一致している分野は、大統領選挙におけるヒラリー・クリントン氏の勝利、FRBの12月の利上げ(9月ではない)、原油価格の安定、中国の経済成長に関する懸念の解消である。さらに重要なことに、過半数が世界の株式市場の中で米国に投資すべきとの意見で、海外の株式や債券と比較した安全性、低成長の世界における比較的良好な利益が理由として挙げられている。
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• 大統領選挙と議会選挙も焦点の一つ
また、今回新たに加わった要因は、米国の財政刺激である。大統領選挙後の減税が、市場にとって好材料になるとの見方もある。
今回の大統領選挙では、同時に実施される議会選挙にも注目すべきと、ストラテジストは言う。民主党のクリントン氏が大統領になり、共和党が少なくとも下院の支配を維持すれば、現状維持で大したサプライズもなく投資家には歓迎されるだろう。しかし、クリントン氏が勝利して、上院と下院を民主党が支配する状態になれば、増税と規制強化によって市場の調整につながろう。
今回の調査は、9月20日から21日の連邦公開市場委員会(FOMC)の2週間前に実施された。ちなみに、ストラテジスト(および投資家全般的に)の直近の予想で的中しなかったのは、利上げのペースだ。昨年12月の段階では、2016年の1%かそれ以上の利上げが予想されていたが、これまでに利上げは実施されていない。
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フェデレーテッド・インベスターズの最高投資責任者(CIO)であるスティーブン・オース氏は、世界的なデフレ傾向と、米国を含む世界の主要国が成長軌道に回帰するために必要な構造改革を実施していない状況で、FRBの金融政策を「永遠の低金利」と皮肉る。同氏のS&P500指数の予想は、昨年12月時点では2500だった。しかし、2月には1850へ引き下げており、2500に達する時期を今や2018年末としている。米国や世界の経済成長率が加速するとは、もはや予想していないためだ。
10人のストラテジストの今年の米国の経済成長率予想は1.7%と低く、2017年も大幅には改善しないと予想している。中でも弱気派は、利上げが経済にとって悪影響になるとみている。
• 弱気派の見方
株式市場の中では、世界的な低金利によって、生活必需品や公益、通信サービスといった金利に敏感なセクターが今年の上昇相場をリードしてきたが、金利が上昇すればこれらのセクターが下落して、市場全体を巻き込むという懸念があると、JPモルガンの株式ストラテジストであるドゥブラフコ・ラコスブヤス氏は指摘する。ブラックロックで、ブラックロック・グローバル・アロケーション・ファンドの資産配分を担当するラス・ケストリッチ氏も同様の意見だ。ラコスブヤス氏は、S&P500指数の2016年末の目標を昨年12月時点の2200から2000へ引き下げており、9月の利上げの可能性は残っているとのFRB高官の発言を受けて短時間で株価が急落した8月26日の動きは、金利の予想が裏切られた際に発生し得る状況の好例であると指摘する。
ゴールドマン・サックスの米国株式のチーフ・ストラテジストであるデービッド・コスティン氏は、株式が年末にかけて調整とはいわないまでも下落する可能性の理由として、FRBの金融政策引き締めを挙げる。S&P500指数の年末の目標は2100で、9月利上げの可能性が市場の予想よりも高まっていると付け加える。さらに慎重になる理由として、大統領選挙をめぐる不透明感、低迷する企業利益、企業の自社株買い戻しの減速、高いバリュエーションを挙げている。
バンクオブアメリカ・メリルリンチのサビタ・スブラマニアン氏は、今後数カ月以内の調整についてかなりの可能性があるとみていると語る。年末のS&P500指数の目標は2000だ。大統領選挙をめぐる不透明感、割高なバリュエーション、3年ぶりの低さとなる増収率、中国の期待外れの経済成長率を懸念要因として挙げている。また、金融刺激に代わって財政刺激が相場の押し上げ要因になるとの市場の一部関係者の見方に関しては、期待感が高過ぎると述べる。
ラコスブヤス氏も、先進国間の協調的な財政刺激に対する期待感は高過ぎると語る。同氏とスブラマニアン氏は、2017年の予想EPSに関して、アナリストのコンセンサス予想のボトムアップは高過ぎる結果になるだろうと指摘する。
• 強気派の見方
利益に関する強気派の見通しは異なっている。下半期に関して、プルデンシャル・インターナショナル・インベストメンツ・アドバイザーズのチーフ投資ストラテジストであるジョン・プラビーン氏は、エネルギーセクターが足を引っ張らなくなることだけが理由だとしても、下半期に利益は改善するはずだと指摘する。
モルガン・スタンレーの米国株式ストラテジーを率いるアダム・パーカー氏は、今後2四半期のEPS予想は十分に達成可能と述べる。同氏はS&P500指数構成企業のEPSを122.70ドルと予想しており、全体の中で最も高い。S&P500指数の目標に関しては、昨年12月時点で2016年に2175を基本シナリオとしていたが、今回は2017年半ばの2200としている。これは、約4%のEPS成長を想定している。同氏の強気シナリオは、EPSが6%成長した場合の、今後12カ月での2475だ。
パーカー氏は投資家が、自社株買い戻しで2%、配当利回りで2%、小幅な増益に加えて、増益率の上昇というコール・オプションを得られると述べ、バイオ医薬品大手のバイオジェン(BIIB)、風力発電会社のネクステラ・エナジー(NEE)を選好している。
プラビーン氏は、株式が債券との比較で割安だと述べる。20.5倍の実績(過去12カ月)PERに基づくと益回りは4.9%となる。1.6%の10年国債利回りとの差は3.3%ポイントで、12月半ばの3.76%ポイントからは縮小したものの、過去20年間の平均の1.4%ポイントより広い。S&P500指数の同氏の年末目標は2300で、今回の中では最も高い。その理由として、世界の中央銀行による流動性、EPS成長率の改善、投資家の利回り追求、個人消費の増加(3.5%)、投資の増加が挙げられている。
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• 推奨セクター、銘柄
ストラテジストは、毎年のことながら、依然としてハイテクセクターが勝ち組とみている。低成長の世界における魅力的な利益と、比較的低いバリュエーションが理由である。
オース氏は、生活必需品や公益のバリュエーションが高水準にあるため、市場がここから上昇するためにはハイテクが上昇しなければならないと語り、アルファベット(GOOGL)、通信大手のベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)、バイオ医薬品大手のアッヴィ(ABBV)を推奨する。
コスティン氏は、ヘルスケアなどの景気に無関係に成長するセクターを好んでいる。薬価をめぐる政治的な議論でバリュエーションが低下した一方で、セクターの成長性が比較的堅牢なことから、ヘルスケアは各ストラテジストが選好するセクターである。同氏はバイオ医薬品大手のアムジェン(AMGN)を推奨する。
ヘルスケアについては異論もあり、クリントン氏が大統領になるか、あるいは、大衆主義の台頭で薬価に対する規制が厳格化されると懸念する一部のストラテジストにとっては問題だ。スブラマニアン氏は、ヘルスケア・セクターのバリュエーションは90年代の医療制度改革の際の水準まで低下しているが、市場が織り込んでいる内容よりも小幅な変化にとどまる可能性がある、と語る。
エネルギーセクターは、2014年半ばから32%下落しているが、株価の低さや、原油価格の急落が止まったとみられることから、ハイテク同様に好まれている。バークレイズ・キャピタルのジョナサン・グリオナ氏は、エネルギーをオーバーウエートとしている。今後の四半期毎の利益は過去のハードルが低く、原油価格の反発予想による利益上昇見込みがその理由だ。
最も嫌われているのは生活必需品セクターだ。年初来で8%上昇しているが、バリュエーションが高く成長性は低いために、金利が上昇すれば急落する可能性がある。
各ストラテジストは予想に対するリスクとして、大統領選挙の予想外の結果、市場の予想以上にタカ派的なFRBの利上げ、中国経済の軟調、欧州における英国の欧州連合(EU)離脱による一段の混乱(経済および政治の両面)、分離独立派の台頭、エネルギーセクターの回復の弱さを挙げている。
一部の弱気派でさえも、債券よりも米国株式の方が良好な投資対象であると認めているものの、市場のストラテジストは以前ほど強気ではなくなっている。逆張り的な発想もしたくなるが、歴史的に最も危険な9月入りしていることから、売りの姿勢でいることが最も賢明かもしれない。
グロース株投資、熟練マネジャーに聞く
魅力的なバリュエーションの成長企業に投資することで高リターンを確保
マーク・アセット・マネジメントのモリス・マーク氏
By LESLIE P. NORTON
2016 年 9 月 6 日 08:36 JST
忍耐が肝要
マーク・アセット・マネジメントのモリス・マーク氏は1985年にヘッジファンドを立ち上げて以来、年率11.8%のリターン(手数料・報酬控除後)を上げて10.7%のS&P500指数をアウトパフォームしてきた。特にロングオンリー戦略は、魅力的なバリュエーションの成長企業に投資することで、13.4%(2003年以降)と、S&P500指数の9.1%を大きく上回るリターンを確保してきた。その同氏も最近は他の多くの熟練マネジャーと同様に苦境に陥ったが、投資家は辛抱すれば報われると信じている。
本誌:現在のヘッジファンドの苦境はいつ終わるか?
マーク氏:われわれの長期リターンは極めて良好だが、今年の株式市場は強い債券市場の裏返しになっている。市場を先導しているのは公益事業株、高利回りのエネルギー株、高配当のメーカー株といった成長していないセクターだ。今の投資家は成長を求める姿勢と同程度の警戒心を持って投資している。弊社のファンドはキャピタルゲインを追求し、支配的な地位にあって売上高と利益の伸び率が高く、優秀な経営陣を擁する銘柄を保有している。今四半期は主要投資先が株価収益率(PER)の縮小を補って余りある利益を計上している。長い目で見れば、真の成長性を備えた優良企業に投資していれば大きく報われるだろう。
Q:ジョージ・ソロス氏らの著名なマクロマネジャーの多くが株式に対して弱気だが、同じ見方か?
A:経済の予想は難しいのでソロス氏らに任せるが、S&P500指数の構成銘柄のバリュエーションは高めのものから低めのものまでまちまちで、面白い状況になっている。われわれは構造的な経済トレンドによってプラスまたはマイナスの影響を受ける銘柄を探している。
Q:例えば?
A:住宅銘柄だ。米国の住宅市場は供給過剰から供給不足に変化した。人口が年間250万〜300万人増えている中で、通常は年間150万戸が新たに建設されるが、ここ6年近くは約85万戸にとどまっている。大きなギャップができており、そこに投資機会が存在する。
推奨銘柄:住宅・小売り
Q:高級住宅販売のトール・ブラザーズ(TOL)を推奨しているようだが、投資機会があるのは低価格帯ではないのか?
A:1軒目の住宅を求める人が増えているわけだが、もっといい暮らしをしようと彼らに家を売りたがっている人たちがいる。それがトールの顧客だ。従来型の一戸建て住宅と分譲マンションの市場でコンスタントに利益を上げている大手はトールだけだ。中古市場の収益率は、うまくやればさらに高い。トールはニューヨークで300万〜400万ドルの住宅を売っているが、ニューヨークでは高級住宅に入らない。前四半期のホーボーケン(マンハッタンの対岸)とロウアー・マンハッタンでの新規受注は非常に好調だった。
Q:トールの株価は年初来で8%下落して現在約31ドルだが、どれほどの価値があるか?
A:現在は住宅サイクルの中盤から後半に差し掛かったところで、PERは10倍〜12倍が適正という意見もある。だが、供給不足と繰り延べ需要を考慮すると、まだ中盤にも入っていない。住宅環境が正常化に向かえば、トールの利益は今後2、3年で倍増する可能性がある。そうなれば株価は70%上昇するだろう。PERの縮小を前提にしてもこの結果で、決して楽観的なバリュエーションではない。
Q:年初から14%上昇しているアマゾン・ドット・コム(AMZN)をどう見ているか?
A:アマゾンには二つの事業がある。顧客への直接販売とクラウドサービスインフラの提供だ。販売では、数量の伸びが加速しているが、これは大数の法則によれば永久には続かない。重要なのは、アマゾンはマーケットプレースだということだ。400万社以上がアマゾンを通して商品を販売しており、アマゾンは提供するフルフィルメントサービスの程度に応じて10〜13%の販売手数料を徴収している。飛行機購入を検討しているほか、新倉庫への投資額が伸び続けているなど、コストもかさむが、それでも収益性は非常に高い。また、クラウドコンピューティングは企業のコスト削減に貢献している。
フリーキャッシュフローは年20〜25%のペースで伸び、2、3年後には1株当たり50〜60ドルに増加する見込みだ。株価キャッシュフロー倍率を控えめに15〜20倍としても、現在約771ドルの株価は900〜1200ドルとなる。
推奨銘柄:金融・娯楽
Q:今年に入ってからS&P500が6%上昇する中で5.9%下落したチャールズ・シュワブ(SCHW)を選好するのはなぜか?
A:シュワブは銀行と投資マネジャーの中間で、利益の80%を個人投資家や投資顧問からの安定的な手数料として得ている。また、上場投資信託(ETF)やマネーマーケットファンド(MMF)なども運用している。
収益性は非常に高く、来年度の増益率は15%以上になる見込みだ。それだけならバリュエーションは妥当だが、現時点で手数料を徴収していない商品からの手数料徴収を再開し、投資家が資産カテゴリー間で資金の配分を変えるにつれ、利益の伸びは加速するだろう。
Q:最後にもう一つ推奨銘柄を。
A:ゲームソフトメーカーのアクティビジョン・ブリザード(ATVI)。双方向型のアクションゲーム、スポーツゲーム、戦略ゲームが若年層の間で人気を博している。このグループが年を取るにつれ、こういったゲームを制作するメーカーの市場は拡大するだろう。この業界のリーダーに関心があるが、アクティビジョンの経営陣とその商品群を気に入っている。同社株を少数保有するテンセント・ホールディングス(騰訊控股、700.香港)とも関係がある。中国ではテンセントがアクティビジョンの商品のライセンスを提供し、同社と収入を分け合っている。
新しいマルチプレーヤーゲームが好評で、今年度の1株当たり利益(EPS)は2ドル前後、来年度は2.25〜2.30ドルの見込み。キング・デジタル・エンターテインメント(「キャンディークラッシュ」などのメーカー)の買収のための借り入れを行ったが、同社は巨額のフリーキャッシュフローを創出しており、新しい親会社の下で新ゲームを開発する公算が大きい。また、無料ゲームのプレーヤーに対する広告表示が新たな収益源になっていくと思われ、2017年度以降は20%の増益率を実現するだろう。
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