★阿修羅♪ > 経世済民112 > 764.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
名門・出光の悲劇…突然に創業家が経営介入で混乱、国主導の業界再編が破綻寸前(Business Journal)
http://www.asyura2.com/16/hasan112/msg/764.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 9 月 05 日 11:15:25: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

              出光興産の店舗(「Wikipedia」より/Taisyo)
  

名門・出光の悲劇…突然に創業家が経営介入で混乱、国主導の業界再編が破綻寸前
http://biz-journal.jp/2016/09/post_16558.html
2016.09.05 文=編集部 Business Journal


 石油業界では大型再編が進行中だ。出光興産と昭和シェル石油、JXホールディングスと東燃ゼネラル石油の2陣営だ。いずれも2017年4月に経営統合することになっている。

 歴史的な再編劇を背後で主導したのは経済産業省である。しかし、ここにきて官主導の業界再編に暗雲が立ち込めている。出光の創業家が“官制再編”に強く異を唱えているからだ。

 出光の月岡隆社長と、創業者・出光佐三氏の長男である出光昭介名誉会長が7月11日、出光美術館の館長室で会談した。創業家が6月28日の定時株主総会で昭和シェルとの合併反対を表明したことを受け、月岡氏はあらためて合併の必要性を説明し説得を試みた。昭介氏はこれを受け入れず、議論は平行線を辿った。

 皇居を眼前に望む帝劇ビル9階に出光美術館があり、国宝級のコレクションが並ぶフロアの一角に館長室がある。館長室は9階で、出光社長室は同じビルの8階だ。30秒とかからない距離にいるにもかかわらず、2人の心の溝は深く、そして暗い。

 創業家vs.経営陣という対立の構図ばかり語られているが、創業家が反対するポイントは2つに絞られる。

 ひとつは官主導の再編に異議を申し立てたということ。創業家の代理人を務める浜田卓二郎弁護士は外国通信社とのインタビューで、出光と昭和シェルの合併反対にとどまらず、9月に取得することが決まっている昭和シェル株式についても、「できれば手放してほしい」と踏み込んだ発言をしている。

 出光は9月に33.3%の昭和シェル株を英・オランダ系ロイヤル・ダッチ・シェルから1691億円で取得することで合意している。これが実現した段階で昭和シェルは出光の関連会社になるが、取得した昭和シェル株を売却して関連会社から切り離せという主張だ。

 昭和シェルだけではない。出光がほかの石油元売りと合併するシナリオについても「考えていない」とし、あくまで自主独立の路線を貫くべきだとの考えを示した。確かに、創業以来、出光は石油元売りの再編に距離を置き、民族系として自主独立の経営を続けてきた。

■創業家の主張に矛盾点

 合併に反対する理由として創業家が挙げるのは、中東情勢だ。中東でサウジアラビアとイランの対立が激化し、国交断絶にまで発展した。昭和シェル第2位の株主は、世界最大の石油輸出国サウジアラビアの国営企業、サウジアラムコで14.96%を保有する。

 1953年の日章丸事件以降イランと親密な関係を維持している出光が、サウジアラムコが第2位の株主となっている昭和シェルと合併するのは、「火中の栗を拾うようなものだ」という論法だ。

 日章丸事件とは、1953年に英国がイランの石油輸出を封鎖した際、出光創業者の出光佐三氏がイランから石油を輸入した事案だ。日章丸で隠密航海を続け、英国の封鎖をくぐり抜けてイランで石油を買い付け、日本に運んだ。英国政府とメジャーを向こうに回して佐三氏が勝利した。

 その後、出光とイランは友好な関係にある。佐三氏以来、イランに特別のシンパシーを抱いてきた創業家にとって、イランと敵対関係にあるサウジの国営企業の影響力が強まるのは望ましいことではない。

 だが、ビジネスの現実を見れば、この主張には違和感がある。出光は輸入原油の4割をサウジから調達している。日本全体でも3割超をサウジから輸入しており、サウジは最大の輸入先なのである。「創業者が築いたイランとの親密関係が崩れることを合併反対に挙げたのは、いわば感情論。経済原則に沿ったものとはいえない」(石油元売りの最高首脳)との冷ややかな見方があるのは事実だ。出光の現経営陣は戸惑うばかりだろう。

■創業家の孤独な反乱

 来年4月に合併を実現するには、年内に臨時株主総会を開き、出席株主の3分の2以上の賛成を得る必要がある。出光株の33.92%を握る創業家側は、合併承認に拒否権を発動できる。臨時株主総会で昭和シェルとの合併は破談になる公算は、現時点では小さくない。

 そうなると、JXと東燃ゼネラルの経営統合も厳しくなる。なぜなら、出光と昭和シェルの合併で強い2位企業が生まれないと、業界首位と3位の統合によって生まれる新会社が国内石油市場で圧倒的なシェアを持つことになり、公正取引委員会の審査に引っかかる可能性が出てくるからだ。

 官主導で進めてきた石油再編は風前の灯火のように映るが、果たしてどうなのか。だが、経産省が創業一族の反乱を、ただ指をくわえて見ているわけがない。

「実は昭介氏というより、夫人の千恵子氏が、この合併に猛反対している。千恵子氏と親しい浜田麻記子氏との関係で、その夫の浜田卓二郎弁護士が代理人になった。企業の合併という重大な場面に女性2人がしゃしゃり出てきては、まとまる話もまとまらなくなる」(関係者)

 出光は06年に株式を公開した。主力銀行を大株主にしたのは、佐三氏の末弟で2代目社長・計助氏の次男である昭氏(7代目社長)だった。この時も、昭介氏は純血主義にこだわって反対した。開かれた会社にしたのは昭氏と当時専務だった天坊昭彦氏だった。現在の経営陣に、天坊氏のような卓越したリーダーがいないことが出光の悲劇だとの指摘もある。

 昭氏など、ほかの出光一族は沈黙を守り、表に出てこない。経産省も、昭介氏を除く出光側も、JXや東燃ゼネラルも、再編を完遂させる腹づもりだ。

 株式を公開するかどうかで激しい綱引きがあった2000年代初頭のように、昭介氏周辺への切り崩し工作が激しくなるだろう。三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行など、出光の主力銀行に圧力をかけることも考えられる。

 出光には現在、出光家出身の取締役はひとりもいない。同族のオーナー経営から、所有と経営を分離した近代的な企業に転換したはずの出光が、“先祖返り”をしようとしている。奇妙というほかはない。

 昭介氏の孤独な反乱は、利害関係者を含む一部マスコミが言うように、本当に成功するのだろうか。

(文=編集部)
 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
1. 2016年9月05日 21:12:21 : Wnc6oSvgYA : @SAV2f9Nl3c[340]
ハゲタカに 捧げるための 「国主導」

  拍手はせず、拍手一覧を見る

フォローアップ:


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法

▲上へ      ★阿修羅♪ > 経世済民112掲示板 次へ  前へ

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
 
▲上へ       
★阿修羅♪  
経世済民112掲示板  
次へ