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雑感。G20が開幕
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52840837.html
2016年09月04日 在野のアナリスト
20ヶ国・地域首脳会議(G20)が、中国で開幕しました。中国の習主席は「牽引力不足、金融市場の動揺、貿易投資の低迷」を重層的なリスクとしましたが、否定はしないものの全然足りない、と感じます。過剰生産・過剰投資、天変地異、テロの台頭、愛国主義。保護貿易に対しては話し合いもされていますし、過剰生産も世界フォーラムを設立し、情報を共有する、としますし、テロの封じ込めや税逃れも議論する、とします。地球温暖化対策として米中が事前にパリ協定の批准を表明するなど、すすんでいるよう見せかけることもしていますが、実際に何の対応もされないことがほぼ確実です。
情報の共有ぐらいで過剰生産が何とかなるなら、原油相場が急落などしていません。また増産凍結でさえ合意できない現状も、起こっていないでしょう。各国の疑心暗鬼、自分たちが率先して行動することで、損をするのではないか? つまり他国は約束を破り、こっそりと増産しているかも…。そんな不安から増産は止められない。後は体力勝負、淘汰されていく企業、国がでてきて、自然に減産されるのを待つだけです。
しかし翻ってみれば資本主義、自由主義の経済とは本来そういうものです。競争により整理縮小、淘汰がおこって最適化される、が本質であり、フォーラムだろうと情報を共有し、生産調整をする時点で自由主義の経済とは離れています。保護貿易の問題も同様ですが、要するに生産する側で調整するのか、消費する側で調整するのか、という差でしかない。過剰生産とは供給サイドの暴走、保護貿易とは消費サイドの暴走、です。作り過ぎを防ぐのか? その作り過ぎたものを買わずに、国内の価格が暴落するのを防ぐのか? 今問われるのは、明らかにバランスを崩している世界全体の供給、需要の関係をどう正常化させるか、です。
バランスを崩した原因は、金融緩和や財政出動などの政策によって、生産サイドにも消費サイドにも、過度の負荷をかけたことです。その結果、生産サイドは過剰供給の状態が生まれ、消費サイドがそれに対応できるぐらい、財政出動なりで潤っていた時期はよかったものの、そんなものがいつまでも続くはずもない。結果、あらゆるものがバランスを崩していて、今後も財政出動なり、金融緩和なりをつづけても、多少の延命にはなっても余計にバランスを可笑しくしてしまう、負のサイクルを大きくしてしまう原因になるのです。
それを正常化、といって良いのか分かりませんが、以前の状態にもどそうとするだけで、経済にはかなりの下押しがある。しかしそれを戻さない限り、経済が正常化することもなく、それこそ過剰生産を無理やり止めるのか、保護主義により流入を防がない限り、誰がババを引いて損するか、という話にしかならない。正直、日本がTPPなどを推し進めようとするなら、ババを引くのは日本、ということにもなりかねない。だから米国もここにきて態度を見直す方向に舵を切った、という事情もあるのです。
ではこうした状態を解消するには、何年、何十年かかるかは分かりませんが、しばらく低迷を耐えてでも、その国に見合う経済規模、経済政策を打っていくしかありません。しかしそれを邪魔するのが、愛国心です。経済が低迷しだすと、政治が安易に手をだし、自分たちの正当性に利用する手法、それが愛国心です。そして愛国心と同時に、国やシステムに対して反抗する機運も高まる、それがテロです。これらはバラバラの問題ではなく、経済をよくみせて支持を集めよう、という最初の政治による動機によって生まれた金融緩和や財政出動が問題だった、とも言えるのです。それを場当たり的に、延命措置をほどこそうと安倍首相は主張する。これでは何も解決しないばかりか、もっとも「誘惑に駆られた政治家」とも言えるのでしょう。今、問われるのは「全員が我慢できるか?」ということです。しかし誰かが抜け駆けしているかも…という疑心暗鬼が、対策を難しくする。世界は見事に自由主義を放棄し、計画経済へと陥りつつある、その罠に気づかない限り、対応は難しいといわざるをえないのでしょうね。
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