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10年後に「食っていける子」の親の共通点5
http://president.jp/articles/-/20070
2016.9.3 松尾 英明(まつお・ひであき)千葉大学教育学部附属小学校教諭 PRESIDENT Online
■我が子を人工知能に勝つ人材に育てる親がしていること
以前、「我が子を『ロボットに負ける人間』にしてしまう親の特徴5」(http://president.jp/articles/-/18363)と題した原稿を本欄で書きました。現在、小中学生の子供が社会人になったとき、人工知能がさらに進化していることは間違いありません。人間がロボットに仕事を奪われることも増えるでしょう。我が子を10数年後に「食っていける大人」に育てたいと思っている親にとって、より切実な時代となりました。
今回は、そうした将来を意識して、ロボット(人工知能)に負けない人間に育てている親の典型的な言動を5つ紹介しましょう。
【我が子をロボット(人工知能)に負けない人間に育てている親の特徴5】
(1)何が正しいか、子供が自分で判断して決める。
(2)まずは自分で挑戦させて、見守る。
(3)失敗を認め、やったこと自体を認める。
(4)子供の言動に向き合う。聞く。
(5)子供を尊敬する。
以下、ひとつずつ見ていきましょう。
(1)の「何が正しいか、子供が自分で判断して決める」とは、能動そのものです。
できる親は、子供に日常の小さな選択をさせていきます。例えば、ファミリーレストランのひとコマ。席に着いて、さあ、どのメニューにするか。親としては、さっさと決めて欲しいところですが、子供はうだうだ悩みます。それを我慢できないと、つい「これにしなさい!」と言ってしまいがちです。ここをぐっと堪えられるかです。
できる親の子供は、習い事ひとつをとっても、子供に選択を決定させているようです。これによって、少し続けるのが辛い時期でも「自分が選んだのだから」と続ける確率が高まります。
できる親は子供に複数の選択肢を示し、その先の決定権を委ねているのです。日常のひとつひとつの小さな選択を大切にしてあげるだけでも、能動的に動く子供の素地が育ちます。
■デキる親は子供が皿を割っても「褒める」
(2)の「まずは自分で挑戦させて、見守る」とは、子供の可能性を信じることです。植物と同じで、本来、子供は自分自身で伸びる力を持っています。できる親は「やってみなくちゃわからない」を基本の考えとし、かつ実践主義です。旅行はもちろん、あらゆる体験活動に積極的に連れていくことが多いようです。とにかく、まず体験させてやらせてみるのです。
例えば、陶芸体験をさせてみます。子供はろくろで作ってみたものの、恐らくいびつな形になるでしょう。でも、それは当然のことです。できる親は手を出さずにそれを見守り「すごい、よくやったね!」とやったこと自体を認めた上で、子供に意見を聞きます。「もっとこうしたい」とくれば、再チャレンジを促し、また見守ります。
こういったことが、普段から行われているかどうかです。挑戦することに価値を置き、できる・できないは、二の次なのです。
(3)の「失敗を認め、やったこと自体を認める」とは、失敗を前向きにとらえることです。むしろ、失敗を成功へのステップ、必要条件であると考えています。つまり、失敗を集めるほど、成功に近付いているという考え方です。だから、うまくいくかは別として、やったこと自体が「成功」なのです。
自転車を乗ることを例に考えれば、いきなり上手に乗れる確率はゼロです。何度も倒れる「失敗」が成功へのステップになっています。そこを認めていけるかどうかです。効率よく、ひとっ飛びに成功をおさめることは、まさにロボットの得意分野。つまり、効率などは、後回し。非効率こそ人間の得意分野です。
できる親は、幼い子供にも食器を片付けさせます。当然、いつか手がすべって食器を割ることが起きます。実に非効率に見えます。それでもやらせるのです。落としたことを責めるのではなく、運ぼうとしたことを認めます。「落として食器を割ること」を成長の必要条件のひとつと捉えているからです(ちなみに、本音は落として割って欲しいわけではないと思いますので、安いお皿や割れない食器を使いましょう)。
■ロボットにはない「共感力」を育む親
(4)の「子供の言動に向き合う。聞く」とは、相手をひとりの人間として認めることに他なりません。
自動販売機の「ありがとうございました」に反応する人はいません(半分冗談で「どういたしまして」と返事する人もいるとは思いますが)。それは、相手を人間でないと認識しているからです。逆に言えば、相手の言動に向き合わない、聞かないという態度は、相手を人間として認識していないということです。
学校で指導に困ってしまうのは、自分のことばかり話して人の話を聞けない子供です。こういった子供は、家庭での会話に満足していないことが往々にしてあります。「忙しいから後で」と聞いてもらえなかったり、もっとかわいそうな場合は、親がいつも不在だったりします。認めてもらえていない子供は、人を人として認めなくなり、結果的に「人の話を聞けない子供」になります。
できる親は、子供の「ねえ、見て!」「何で?」にしっかりと反応します。図工で作った作品の「ねえ、見て!」に、膝をついて子供の目線まで下りて眺めます。そして「素敵! ○○なんだね!」と子供の力のいれどころを具体的に見つけ、驚く。
お風呂あがりに「何でお洋服着ないとダメなの?」というような、大人にとっては当たり前すぎる質問にも、その親なりの解釈できちんと答えます。
「裸だと大事な〇〇ちゃんがかぜをひいてしまうからよ」
「お風呂上がりにきちんとパジャマを着ると、よく眠れるのよ」
など、様々です。「いいから早く着なさい!」が能率的かつ親の本音だとは思いますが、そこをぐっと飲み込んで、きちんと答えるのです。
その親の態度が、子供が人とコミュニケーションする時の基本姿勢として移ります。相手に向き合い、相手を尊重する人間に育ちます。これは、ロボットには決して真似できないことです。
(5)の「子供を尊敬する」とは、子供の言いなりになったり、あえて子供の下になったりということではありません。
人として対等の立場に立ち、相手の良さを認めるということです。親は、先に生まれただけであって、決して人間として偉いわけではありません。親を親にしてくれているのは、子供の存在そのものです(これは、学校で子供の存在が「先生」という存在にしてくれているのと同じです)。
何かができたから認めるのではなく、存在そのものを認めていくことです。
現に、学校で活躍する子供は、自分の親はもちろん、先生方や友だち、地域の人など、周りのあらゆる人々を尊敬している傾向があります。「私もあなたも価値がある」ということを認識している状態です。国際化が進み、多様な価値観を認めることが求められる、これからの時代に必須の能力です。
■親と子のコミュニケーションが全ての鍵
15年ほど前、「AI」という映画が話題になりました。子供のできない夫婦が、人間そっくりのロボットを子供として育てるという話です。このロボットの子供は、文字通り「愛されて」いました。しかし、やがてこの夫婦に本物の子供ができます。その結果は、予想できると思います。
ロボットは、愛情という分野において、決して本物の人間の代わりにはならないのです。
人と人のコミュニケーション。その基礎となる、親と子のコミュニケーション。ここに、我が子をロボットに負けない人間に育てるポイントがあるのではないでしょうか。
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