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子供2人の世帯で貯蓄が年540万円増えた理由…家計簿は無意味?貯蓄増えない?
http://biz-journal.jp/2016/09/post_16543.html
2016.09.03 文=平野雅章/横浜FP事務所代表、CFP、1級ファイナンシャル・プランニング技能士 Business Journal
先日、ライフプランのご相談でお客様のご自宅マンションを訪問した。数年前から継続的にご相談を受けているのだが、ご自宅を訪問するのは初めてだ。30代前半の共稼ぎご夫婦で2人のお子さんがいるのだが、ご自宅は驚くほど物が少なくスッキリとしていた。いわゆるミニマリスト(最低限必要なものしか持たない人)の部屋に近い印象さえ受けたが、ご夫婦と話していて、そういった主義のようなものを感じることは皆無。単純に不要なものを買わない生活をした結果が、この状態なのだろう。
ご夫婦の話を聞いていて、さらに驚いたのは、この1年間で貯蓄が540万円増えていたことだ。確かに共稼ぎではあるのだが、世帯年収がそれほど多いわけではない。住宅ローンを返済中で、お子さんの教育費も結構な額である。
貯蓄が多くできたもっとも大きな要因は、月々の生活費が少ないことなのだが、このご夫婦には家計管理を努力している意識はなく、家計簿もつけていない。実は、私のお客様の中でも上位から数%に入るような高い貯蓄率の世帯は、このご夫婦に限らず、家計簿をつけていないのが普通である。
■家計簿をつける目的は何か?
私は有料相談専門のファイナンシャルプランナーとして、毎日のように相談を受けている。「家計簿はつけたほうがよいですか?」は、お客様からもっともよく尋ねられる質問のひとつだ。
「家計簿をつけることはかなりの労力を必要としますが、それ自体が直接、支出を減らすわけではありません。そこに労力を使うことより、支出を減らす策を実行することのほうが成果に直結します。家計簿を長期間継続する必要はないですし、つけること自体が目的になってしまうことは避けるべきです」
これが、いつもの私の回答である。
私のお客様は共稼ぎのご夫婦が多く、時間や労力に余裕があるわけではないので、優先順位を明確にするためにこのように回答している面はある。また、毎日摂取する食物とエネルギー量を記録することで自覚し、意識の変化によりダイエットを促すというレコーディング・ダイエットのように、家計簿をつけることにより支出が減る効果があることも否定はしない。しかし、家計簿をつけることは、本質的には支出を減らす具体策を実行し貯蓄を増やすための準備である。その目的は主に次の2つであろう。
(1)月の支出を正確に把握して、適切な貯蓄目標額を計算・設定するため
(2)生活費が多いのであれば、支出項目のどこに原因があるのかを把握するため
これらの目的を達成するのに長期間つける必要はないため、お客様には家計簿をつけるのであれば3カ月間を私はお勧めしている。
■役に立たない家計簿が意外に多い
「自分たちがつけている家計簿を見てほしい」というお客様の依頼を受けることも多いが、拝見すると、前述の2つの目的を達成するには不充分な家計簿がほとんどである。不充分な理由は主に2つある。
ひとつは記録の漏れが多いことである。手取り収入の年額から、1年間で増えた貯蓄額と、お客様も把握していることが多い3つの支出(住宅費・教育費・保険料)の年額を除いた額を1/12にすることにより、基本的な生活費の概算はできる。その金額とお客様が家計簿で積み上げた生活費とを比べて確認するのだが、後者のほうが2〜5割少ないことがほとんどである。あまりに差が大きいと、目的(1)が難しくなる。
もうひとつの理由は、クレジットカードでの支払い比率が高く、その請求金額の内訳がわからないことである。もちろん、毎月の請求明細を調べればわかることだが、手間がかかるので家計簿に反映できていないという世帯はかなり多い。クレジットカードでの支払い比率が低く、その支出項目もはっきりしていればよいが、そうでないと目的(2)が難しくなる。
この2つの目的を達成するには、記録の漏れが少なく、クレジットカードでの支払いも支出項目を分類した家計簿が必要になる。かなり労力を使うことなので、家計簿をつけるのであれば、短期間で集中してやろう。スマートフォンのアプリの進化で、2つの目的を達成する家計簿は、以前に比べればはるかに作成しやすいはずだ。
(文=平野雅章/横浜FP事務所代表、CFP、1級ファイナンシャル・プランニング技能士)
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