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今年に入ってから通話し放題サービスを提供する事業者が急増。イオンの「イオンモバイル」は、IP電話の仕組みを使うことで通話し放題を実現するサービスを発表している
通話し放題、基本料0円…格安スマホへ大手キャリアから利用者大移動の兆候
http://biz-journal.jp/2016/08/post_16478.html
2016.08.28 格安スマホへ大手から利用者大移動! 文=佐野正弘/ITライター Business Journal
総務省が、端末の実質0円販売を事実上認めなくなったことを受け、大手キャリアからMVNO(仮想移動体通信事業者:自社でモバイル通信のネットワーク設備などを持たずに、大手キャリアの回線を一部買い上げてサービス提供する事業者)などの安価なサービスに乗り換えるユーザーが増えているようだ。このチャンスをものにするべく、MVNOやワイモバイルが攻めの戦略を次々と打ち出しているが、一方でコンシューマー市場から撤退するMVNOも現れている。低価格を狙う通信サービスの現状を追った。
■実質0円販売の事実上禁止が格安サービスを後押し
ここ最近注目されている、MVNOやワイモバイルなどの安価にスマートフォンが利用できる通信サービスが、今年に入ってから従来以上に活況を呈しているようだ。
その大きな要因となっているのが、大手キャリアがこれまで当たり前のように実施してきた端末の実質0円販売が、事実上できなくなったことである。昨年末に実施された「携帯電話の料金その他の提供条件に関するタスクフォース」の結果を受け、総務省は4月に「スマートフォンの端末購入補助の適正化に関するガイドライン」を打ち出した。
このガイドラインをベースとして、総務省が大手キャリアに対し、端末を過剰に安く販売することを厳しく取り締まるようになった。その結果、多くのユーザーは端末が安く買えなくなった一方で、毎月の通信料が大きく下がったわけではないことから、事実上、料金が値上げされたこととなる。そうした背景もあり、より価格の安いMVNOやワイモバイルのサービスへと移るユーザーが増えているのだ。
特にMVNOには大きな影響をもたらしている。もともとMVNOはデータ通信の価格が安いことから、ITに詳しい40代前後の男性がサブ用途として利用する傾向が強かった。だが先に触れた通り、現在ではメイン回線として利用する20〜30代のユーザーが増加し、音声通話付きのSIMを契約する人が半数を超える事業者が増えるなど、ユーザー層や利用スタイルを劇的に変化させているのだ。
そうしたことから、MVNOやワイモバイルなどは、新しいユーザー層の獲得に向けたサービス提供に力を入れるようになり、サービス競争が急速に過熱している。その代表例といえるのが、定額で音声通話ができるサービスを提供するMVNOの増加である。
今年に入ってから、楽天モバイルが1月に「5分かけ放題」の提供を開始したのを皮切りに、NTTコミュニケーションズやインターネットイニシアティブ(IIJ)といった大手のMVNOまでもが通話定額サービスの提供を開始。大手キャリアでは当たり前に提供されている通話し放題サービスが、いくつかの制限があるとはいえ利用可能になったことは、メイン回線として利用するユーザーを獲得する上で大きな意味を持つといえるだろう。
■キャリア系サービス共に積極攻勢に出る
ほかにも、このタイミングで攻めの姿勢を打ち出すMVNOは多い。「FREETEL」ブランドでスマートフォンや通信サービスを提供するプラスワン・マーケティングは、月額299円から利用できる「使った分だけ安心プラン(NTTドコモ回線)」の基本料を、最大2年間0円にするキャンペーンを9月5日まで実施。さらにエムティーアイの音楽サービス「music.jp」が2カ月間無料で利用できる「music.jp 400コース for FREETEL」(月額400円)を契約すると、基本料の割引がが最大3年間0円に伸びるとしており、割引施策で加入者拡大に向けた取り組みを加速していることがわかる。
実店舗での販路を拡大し、加入者拡大につなげようとしているのが、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)傘下のトーンモバイルだ。同社はこれまで、「TSUTAYA」「蔦屋家電」などCCCの直営店で、独自のスマートフォンと通信サービスのセット「TONE」を販売してきたが、その販売を全国のフランチャイズ店舗へと本格展開を開始。7月末時点では29店舗で販売を開始しているとのことで、今年度内には全国200店舗での販売開始を予定しているという。
一方で、キャリア系のサービスも負けじと新戦略を打ち出している。主要3キャリアのなかで低価格サービスの取り組みが最も遅れていたKDDIは、UQコミュニケーションズが同社のMVNOとしてサービス提供している「UQ mobile」のテコ入れ策を実施。今春に提供開始した、音声通話を重視した料金プラン「ぴったりプラン」の提供に続いて、新たに家電量販店などで、auの販売員と相互に販売連携することを打ち出した。またワイモバイルに続いて「iPhone 5s」の販売を開始するなど、大手キャリアの強みを生かした攻めの施策を相次いで打ち出している。
ワイモバイルは7月に、日本で初めてAndroid Oneに対応したスマートフォン「507SH」を発売するなど新しい戦略を打ち出している
UQ mobileに先駆けてiPhone 5sを販売するなど、最近攻めの姿勢を見せ人気を獲得しているソフトバンクのワイモバイルブランドでは、新たにグーグルの「Android One」に対応したスマートフォンを投入することを発表。Android Oneでは一定期間、OSやセキュリティのアップデートが保証されていることから、安価なサービスながら安心感を与える戦略に打って出ているようだ。
■先を見越し撤退する事業者も、今後の競争はどうなるのか
このように、各社共に市場拡大の好機を最大限生かすべく、さまざまな施策を打ち出し加入者獲得につなげようとしているのがわかる。しかしながらその影響によって、安価なサービスを提供する事業者同士の競争も一層激しいものとなってきている。
現在、移動体通信全体におけるMVNOのシェアは4〜5%程度と見られており、ワイモバイルを含めると1割に近いシェアを占めつつあるようだが、大手3キャリアと比べるとその規模ははるかに小さい。もちろん市場自体は拡大基調ではあるのだが、今後もLINEの「LINEモバイル」など大きな事業者の参入が予定されており、小さいシェアのなかで今後、どの程度の企業が生き残ることができるかはわからない。
そうしたことから、あえてこのタイミングで撤退する企業も出てきている。MVNOの老舗としても知られ、「b-mobile」ブランドで通信サービスを提供してきた日本通信は8月10日、MVNOのひとつであるU-NEXTと協業し、個人向けサービスをU-NEXTに引き継ぐことを発表。事実上、コンシューマー市場から撤退することとなる。
同社は今年1月に、自社で直接サービスを提供する事業から、MVNOになりたい企業にネットワークを提供するなどして支援する、MVNE(Mobile Virtual Network Enabler)事業へと軸足を移すことを発表していた。今回の発表はその方針転換を明確にしたものといえ、個人を対象としたB2Cのビジネスから、MVNOや法人を相手にしたB2Bのビジネスへと移行することにより、激化する競争を避け安定した売り上げを獲得する狙いがあると見られている。
日本通信は今年1月の事業戦略説明会で、MVNOや法人などにネットワークやサービスを提供するMVNEに軸足を移すことを明らかにしている
すでにMVNOが広まっている諸外国の事例を見ても、移動体通信市場全体でMVNOが2割以上のシェアを獲得するケースはあまりなく、その辺りがMVNOのシェアの限界とも考えられている。現在は総務省、ひいては国の後押しもあって安価なサービスが活況となってはいるが、いつまでもその後押しがあるとは限らない。安価なサービスを提供する企業には、そろそろ拡大期を過ぎた先を見据えたビジョンと取り組みが、求められているともいえそうだ。
(文=佐野正弘/ITライター)
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