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正社員採用をアメ玉に「試用・研修」悪用で搾取が横行!悪条件や採用拒否は違法!(Business Journal)
http://www.asyura2.com/16/hasan112/msg/251.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 8 月 21 日 00:13:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

正社員採用をアメ玉に「試用・研修」悪用で搾取が横行!悪条件や採用拒否は違法!
http://biz-journal.jp/2016/08/post_16391.html
2016.08.21 文=Legal Edition Business Journal


 近年、実際の労働条件よりも良く見せかけた求人票で労働者を集めるという、いわゆる「求人詐欺」が世間を賑わせている。このため、政府内で虚偽の求人情報掲載に対する罰則を強化しようという法改正が検討されている。

 一方で、「試用期間」や「研修期間」という制度を悪用した、詐欺的な手法で労働力を確保する行為が横行している。労働問題に詳しい佐藤宏和弁護士は次のように解説する。

「正社員を募集する求人票への応募に対し、会社が『試用期間』『研修期間』と称して、求人票より不利な条件での労働契約を提示することがあります。応募者は、一定期間が過ぎれば求人票にあった労働条件で雇ってもらえると期待して、提案に同意し勤務を開始しますが、会社側は当該期間中や期間の経過後に、本人の能力不足といった理由をつけて、求人票どおりの労働条件は出せないと通告するのです」

 そうなると、労働者は試用期間満了後、求人票より不利な条件を受け入れて働き続けるか、退職するかの二択しかないと考えてしまうことが多い。このような現象の背景には、労働者側に「試用期間についての大きな誤解がある」と佐藤弁護士は言う。

「そもそも試用期間とは、『解約権留保付労働契約』(三菱樹脂事件、最高裁昭和48年12月12日判決参照)に付随する特約で、期間が満了したらいったん労働契約が終了するわけではありません。仮に、会社が研修期間という用語を使って、研修中は労働者をいわゆる契約社員のように扱ったとしても、その期間が労働者の能力や適性の有無を判断するための期間であれば、『期間満了により労働契約が当然に終了する』という明確な合意がある場合を除き、それは無期限の労働契約に付随する『試用期間』であると判断されます(神戸弘陵学園事件、最高裁平成2年6月5日判決参照)」(佐藤弁護士)

 つまり、労働者の能力や適性を評価するための試用期間や研修期間が終了しても、原則として契約社員のように労働契約が終了するわけではないということだ。「試用期間が終了するまでは正社員ではない」と考えるのは、労働者側の大きな誤解だ。

■試用期間が満了しても基本的に解雇できない

 さらに佐藤弁護士は、次のように説明する。

「また、会社側がその労働者は能力不足であると判断したとしても、試用期間であることを理由に好き勝手に解雇(本採用拒否)できるわけではありません。試用期間満了時に会社が労働者を解雇するには、労働者が契約上必要な能力を著しく欠いていることが事後的に判明した、自己の経歴を偽っていた、などの事情を証拠によって客観的に明らかにしなければならない(前述三菱樹脂事件判決)のです」

 労働者は、試用期間だからといって、それほど簡単に解雇されるわけではない。また、会社側が客観的な解雇理由を裏付ける証拠を用意することは極めて困難だ。つまり、試用期間満了後に新たな契約を一切締結しなくても、労働者は会社に対して最初に合意した労働条件で正社員の地位にあると主張することができる。

 もっとも、ここで注意すべき点がある。試用期間終了後に、不利な条件を受け入れる契約書にサインしたり、退職届を提出したりしないことだ。

「仮に、労働者がこれらの行為をしてしまうと、労働者自身が不利な労働条件や退職に同意したことになり、会社による不当な労働条件の押し付けや労働契約上の地位確認を争うのが難しくなってしまいます」(同)

 書面の扱いには細心の注意を払いたい。また、仮に口頭であっても「そんな条件では働けません」などと言ってしまうと、不当に退職に追い込まれたとしても、退職の意思表示があったなどとして難しい争いが生じる可能性があるという。

 本来、労働者が会社のために働き、その対価として会社から賃金を得るという点で、両者は対等であるべきだが、実際の社会では労働者を雇って賃金を払う側の会社が強い立場になりがちである。

 また、労働契約の種類はさまざまで非常に複雑だ。そのため、労働者の抱く誤解を悪用した詐欺的な労働慣行が出てきてしまう。確かに、求人詐欺のように法改正が検討されることで労働者の保護を図ることも可能ではあるが、それには限界がある。労働者は、単に会社からの指示を漫然と受け入れるのではなく、時には弁護士など法律家とも相談しながら、法律を使って自分自身の身を守っていくよう努めることが重要だ。

(文=Legal Edition)
 

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