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アベノミクスでレジームチェンジは起きず  久保田博幸(金融アナリスト)
http://www.asyura2.com/16/hasan112/msg/136.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 8 月 16 日 21:08:15: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

アベノミクスでレジームチェンジは起きず
http://bylines.news.yahoo.co.jp/kubotahiroyuki/20160816-00061182/
2016年8月16日 10時4分配信 久保田博幸 | 金融アナリスト


世界最速でデフレからの脱却に成功させた高橋財政を模範にしたのが、アベノミクスと言える。これは安倍晋三首相が口にした「レジームチェンジ」という言葉にも現れていた。本田悦郎内閣官房参与(当時)は2013年2月の時事通信社とのインタピューで次のように語っている。

『「レジームチェンジ」、つまり金融政策の枠組みを変えることによって、緩やかなインフレ予想を国民に持ってもらうことが重要だということです。デフレに順応するのではなくて、デフレと闘う積極的な金融政策、積極的な日銀を演出する。そのためには、それまで日銀がやっていたような小出しの金融緩和ではだめです。2%のインフレ率を達成するまでは「無制限」に国債、特に長期国債を買っていくとアピールすべきだと申し上げました。「レジームチェンジ」「無制限国債購入」でいきましょうと。』

安倍首相がレジームチェンジという用語を口にしたのは、本田氏の助言による可能性もあった。本田氏の当時の主張は日銀が無制限に国債、特に長期国債を買っていくと2%の物価目標が達成できるというものであった。

それを日銀は2年で達成するとしたのが2013年4月に決定した量的・質的緩和政策であった。それから3年4か月が経過したが、日銀が目標と置いた消費者物価指数(総合)の直近の数字はマイナス0.4%である(今年6月分)。

レジーム転換(レジームチェンジ)という用語を調べて見ると、このような説明があった。

「需要がないから、いくら資金を供給しても無駄という受動的な金融政策のスタンスを、事前に決められたインフレ率に到達するまで積極的に資金を供給し続け、断固としてデフレに立ち向かう、という能動的な金融政策へ転換させることを意味している」(「平成大停滞と昭和恐慌」田中秀臣・安達誠司著)。

この本のなかで、レジーム転換の事例として、高橋財政における1931年11月の禁輸出禁止と1932年12月の日銀の国債引受開始をあげている。これは日銀副総裁である岩田規久男の「昭和恐慌の研究」で示したリフレ政策であり、アメリカの経済学者であるトーマス・サージェントやピーター・テミンらの「政策レジームの変化」の研究を踏まえ生まれたものとされている。

アベノミクスは岩田規久男日銀副総裁や、浜田宏一内閣官房参与、本田悦朗内閣官房参与などいわゆるリフレ派と呼ばれる人達の考え方が強く反映されている。そのリフレ派の人達が、デフレ脱却の見本としたのが高橋財政であり、特に1931年11月の禁輸出禁止と1932年12月の日銀の国債引受開始という二段階でのレジームチェンジによりデフレ脱却を可能にしたとしていた。

果たして高橋財政が今の時代でも通用するのか。そもそもアベノミクスと高橋財政では時代背景がまったく異なるものである。そのような背景を無視しても2%のインフレ率を達成するまでは「無制限」に国債、特に長期国債を買っていくとアピールでレジームチェンジが起きて物価は上がるとした本田氏の主張は結果として正しくはなかった。

むしろ日銀は2013年4月の大胆な国債買入だけでなく、2014年10月はその規模を拡大したが、少なくとも目標とした物価については成果は出なかった。規模の拡張が困難になると今年1月にはマイナス金利という政策を打ち出したが、これは長期金利をマイナスに引き下げるという結果は出ても、物価や景気に対する目に見えた効果もなく、むしろマイナス金利への弊害が指摘された。

アベノミクスによる大胆な国債買入でレジームチェンジは起きたのかという問いがあれば、この結果を見る限り起きなかったと判断せざるをえない。消費増税の影響、原油安等は言い訳に過ぎないことも上記の本田氏の発言等で明らかである。さらにここから大胆な金融緩和を行えばインフレ目標達成が可能という理屈にも無理がある。

「金融政策が提供できるのは経済の不確実性に対する短期的な鎮静剤にすぎない」とイングランド銀行の チーフエコノミスト、アンドルー・ホールデン氏が述べたそうであるが、これが本来の見方であり、黒田総裁前の日銀も同様の主張をしていた。日銀はこの原点に回帰すべきであるが、少し派手に進み過ぎて後戻りもできない状況に自らも追い込んでしまっている。9月に多少なりその軌道修正は可能なのであろうか。


久保田博幸
金融アナリスト
フリーの金融アナリスト。1996年に債券市場のホームページの草分けとなった「債券ディーリングルーム」を開設。幸田真音さんのベストセラー小説『日本国債』の登場人物のモデルともなった。日本国債や日銀の金融政策の動向分析などが専門。主な著書として「日本国債先物入門」パンローリング 、「債券の基本とカラクリがよーくわかる本」秀和システム、「債券と国債のしくみがわかる本」技術評論社など多数。

 

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コメント
 
1. 2016年8月16日 21:12:42 : bdcWHc5lIs : Iey26BhC67o[386]
雅羊々氏
「この間、先進国の調査で「給与が減っても労働時間を短縮したい」が日本で最も高かった。新卒社員への調査でも「出世はほどほどでよい」「そのうち転職したい」がどんどん増えているという。それで『一億総活躍』を選んでしまう彼らよ。」
https://twitter.com/miyabi_yoyo/status/765520822173782016

どうせ頑張っても、縮小経済だし…


2. 2016年8月17日 00:37:05 : nJF6kGWndY : n7GottskVWw[2344]

>アベノミクスでレジームチェンジは起きず

正しくは

アベノミクスを実行しなかったから起きなかった

だな


現実には、第一の矢でインフレ率が少し上ぶれただけで、大きな批判が高まった

そして第二の矢である財政拡張は、逆噴射の消費増税で腰折れした

第3の矢は全く動かなかった

実行しなければ大きなチェンジなど起こらない

http://www.kantei.go.jp/jp/headline/seichosenryaku/sanbonnoya.html


>消費増税の影響、原油安等は言い訳に過ぎない

結局、最初の異次元緩和による投機の逆回転が効きすぎて、

金融政策を過信してしまって及び腰になったのが最大の原因だ

その結果、国民の支持が薄れ、消費税の悪影響や海外要因の悪化も正しく計算できなかった

また3面等価のはずのGDP統計に関して、0%近傍では誤差が大きくなり

政府と日銀で符号に関してまで不一致になってしまったのも大きい


>金融政策が提供できるのは経済の不確実性に対する短期的な鎮静剤にすぎない

個人的には、同意見だし、白川日銀も十分よくやっていたと以前もコメントしたが

旧来の手法では国民が納得せず、政府貨幣を発行してヘリマネを行えなど

政治主導で金融政策が変わった過去を無視して

日銀や政府を批判するのはフェアではないだろう

未知の実験を行っている上に、多くの想定以上の経済危機が欧州や新興国で起こったのだから、

こうした不確実性は当然起こる


対案を出さずに批判だけしても愚かなだけで、全く意味はない



3. 2016年8月17日 00:55:14 : nJF6kGWndY : n7GottskVWw[2345]

今は、失業率や正社員数も含めた雇用も大幅に改善し、財政赤字もGDP比で抑制され、

資源安という神風が吹いてw実質賃金まで改善した

貿易黒字になって、超円安も巻き戻って円高にも戻っている


これだけ安全保障や災害リスクを抱え、少子高齢化が進み

しかも改革も、ろくに行っていないのだから、本来は諸外国以上に

もっと貧困化と経済悪化が進んでいて当然にも関わらず

上出来すぎるだろう

愚民メディアというのは常に、自分は何も改革もチャレンジも行わず

文句ばかり言うから仕方がないのだろうが


結論から言えば、予想以上に、異次元緩和は成功したということになるだろうな

そして、これから、改革が遅れたことによる副作用である、低生産性産業での労働供給不足などの問題

円高反転による企業利益と投資の減少、雇用の悪化といった問題が、表面化していくことになるのだろう



4. 2016年8月17日 09:38:34 : 46au376vfM : ZYM7DDGC_rw[875]
バカ政権を選択する国民が悪い。

いい加減にしてくれ!

韓国同様、自爆の道しかないようだ。

が、国民を連れての自爆だけはゴメンだ!


5. 2016年8月18日 08:36:43 : tlWnVFEXyg : YdpJ@QYwqXE[22]
書き込みの解釈に無理がありすぎで笑える

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