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田原総一朗 「AIは人間の仕事を奪うのではなく、むしろ増やしていくのではないか」
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160814-00002860-besttimes-pol
BEST TIMES 8月14日(日)6時0分配信
『変貌する自民党の正体』(ベスト新書)を上梓。常に第一線のジャーナリストとして活躍したきた田原総一朗氏に話を聞いた。
Q14.日本の将来を不安視する声が多くなっているように思いますが?
そういう声も多いようだけど、僕は将来は、明るいと見ている。なぜか。今、時代のキーワードは「イノベーション」。このところAI、人工知能が話題になっているでしょ。このブームは本物だと思う。
これまでのAIブームは、1960年代と80年代の2回あったんだけど、いずれも途中で終わってしまっています。60年代のAIは汎用コンピュータが作り出されたこと。もちろん今のレベルとは比べものにならないけれど、当時としては計算がやたらと速くなった。それで今に人間の頭脳を追い越すと言われ始めたんだ。自衛隊が導入したF-104という戦闘機も、「最後の有人戦闘機」と称されたくらいだったからね。しかし、いくら計算力が速くても人間のような「判断力」を持つことはできない。それで立ち消えてしまった。
80年代はパソコンが普及し始めた。すると、今度はやたらと大量の知識、まあ、データを貯めることができるようになった。例えば医学であれば病気とそれに対する治療法を蓄積すれば、医者と同じ仕事ができるのではないか。あるいは、法律の情報をたくさん与えてあげれば、弁護士と同じ働きができるんじゃないかと言われた。それで、知識を集めるという作業が盛んに行われた。いわゆる第5世代コンピュータと言われたものです。でも、こちらもいくら知識を集め、蓄積したところで、どれが必要で、何を活用すればいいのかの取捨選択、判断を下せるまでには至らなかった。
そして現在、2010年代は第3次のAIブームが到来しているけれど、僕はこれこそが本物だと思っている。ディープラーニングなんていう言葉があるんだけど、膨大な情報を活用して、コンピュータが物質や物体を見分けられるようになってきている。これは機械的に学習ができるようになってきているんだけど、これが進んでいくと、やがてコンピュータは判断力を持てるようになってくる。
まだ今は、子供程度の判断力なんだけど、やがてコンピュータが「自分で考える」ということができるようになるはずなんです。実は今年の5月に、オックスフォード大学の教授と野村総研の共同研究で、今後10から20年の間に人間の仕事の49%が代替できるということが発表されている。すると、人間の仕事が奪われるんじゃないかという不安も出てくるのも確かです。
でもちょっと待て、と。産業革命の時は、職人たちが同じようなことを考えて、機械の打ち壊し運動が起きた。でも、実際は産業革命で仕事がどんどん増えた。僕は同じようなことが、これからの社会に起こると予想しているんです。
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明日の第十五回の質問は「AIはどこまで発展すると思いますか?」です。
文/田原 総一朗
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