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原油は当面横ばいか下落基調、パラジウム、プラチナは上昇
http://diamond.jp/articles/-/98155
2016年8月8日 芥田知至 [三菱UFJリサーチ&コンサルティング調査部主任研究員] ダイヤモンド・オンライン
原油相場は、6月上旬にかけて上昇した後、一進一退の動きを経て、足元では下落基調で推移している。
国際指標となる欧州北海産のブレント原油は、ナイジェリアでの武装勢力による石油施設への攻撃などを受けて、6月9日には1バレル当たり52.88ドルにまで上昇した。
その後、英国のEU(欧州連合)離脱による影響への懸念が強まった27日には47ドルを割ったが、その懸念が和らぐと、50ドル前後で推移していた。しかし、7月後半以降、値を下げ、29日には6月の高値から2割以上下落し、弱気相場入りの目安となる水準を付けた。
米国のガソリンの需要期にもかかわらず、ガソリン在庫が増加したため、足元の石油需要が原油価格の上昇を支援するほどには強くないとの懸念につながった。米国のガソリン在庫は2月中旬に過去最高水準にまで膨れ上がった後、減少傾向で推移していたが、7月後半以降は再び増加傾向に転じた。
米国のガソリン需要が弱いわけではない。米ガソリン消費量は、6月ごろまで堅調な伸びを示し、前年水準を大幅に上回っていた。7月以降は伸びが鈍化したとはいえ、前年水準を上回っている。しかし、増加傾向で推移する消費量を上回って、ガソリンが生産され、需給が緩和している。
この結果、原油からガソリンを精製した際の製油マージン(ニューヨークのガソリン先物価格−ブレント原油価格)は、3月に1バレル当たり20ドルを上回っていたが、7月には10ドル強にまで減少した。
中国やインドでも、ガソリン需要は増加しているが、それ以上に供給が増えている。アジア市場でも需給が緩和している。欧州もガソリン需給は緩和気味のようだ。
世界的にガソリンを中心とした石油製品の需給が緩和しているため、今後、各地の製油所の稼働率が抑制され、原油需要が鈍化するとの観測につながりやすくなっている。また、これから北半球の秋にかけて、原油の不需要期に向かっていく。
需要全体は増加しているため、原油需給は均衡に近づいているとの見方が多く、原油相場の下値は限定的とみられるものの、需要の弱さへの懸念が残るため、当面の原油相場は横ばい、あるいはやや下落気味といった推移になりやすいだろう。
一方、ガソリン自動車向け触媒需要の増加観測があるパラジウム、金に比べて出遅れ感があるプラチナ、鉱山の閉山により需給が引き締まった亜鉛、フィリピンの鉱山政策が供給懸念につながっているニッケルなどの相場は、上昇傾向で推移している。世界的な低金利環境が続く中では、国際商品を投資先として有望視する動きが生じやすくなっている一面もある。
(三菱UFJリサーチ&コンサルティング調査部主任研究員 芥田知至)
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