http://www.asyura2.com/16/hasan111/msg/637.html
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真面目な日本人ほど「子どもを貧困に追い込む」ダメ親になりやすい=山田健彦
2016年8月2日
日本は、相続が3回発生するだけでほぼ全財産を国に持っていかれる高税率の国。子孫にお金を残すのは大変ですが、実は相続税以上に親が知っておくべき大切なことがあります。(『資産1億円への道』山田健彦)
「子どもに財産を残してあげたい」パパ・ママがハマる落とし穴とは?
お金の「表と裏」
紙幣、硬貨には表と裏がありますが、これは我々のお金との向き合い方にも通じるものがあります。お金は貯めて、そして使って、始めてお金として完成品となります。
ところが現実は、両親が稼いで子ども・孫が使うパターンがほとんどですよね。ひどい場合は、一生懸命稼いだお金を「振り込め詐欺」で持っていかれるなんてことまであります。
余談ですが、振り込め詐欺の犯人たちは、振り込め詐欺で巻き上げたお金を「売上」と呼び、その「売上金」を派手に使って「不景気の日本経済を支えているのは俺たちだ!」と豪語しているそうです。この感覚というのは明らかに異常ですね。
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子孫には財産を残すべき?
かなり前になりますが、政府が「財産を子どもに残しますか?」というアンケートを取ったことがあるそうです。結果は、7割近くの人が「Yes」と回答したとのこと。
これはどうもアジア圏の人に共通する考え方らしいのですが、日本の場合は超高税率の「相続税」が問題になります。
日本では、相続が3回発生するとほぼ全財産を国に持っていかれると言われています。このような状況の中でお金を貯めているだけというのは、税務署のために金庫番をやっているようなものです。
アジア諸国の中には、そもそも相続税というものがない国が香港、シンガポール、マレーシア、オーストラリアのようにあります。
日本マクドナルド創業者・藤田 田氏の教え
日本にマクドナルドを持ってきた藤田 田(ふじた でん)氏が『勝てば官軍』というエッセイ集を出しています。初版は1996年とかなり古い本なのですが、今でも「なるほど!」と思うような鋭い指摘が随所にあります。
その中で「金銭感覚は子どものときから養うべし」という章があり、日本とアメリカの子どもの金銭感覚の違いについて書かれています。
藤田氏によると、アメリカの子どもはお金を得るためには働かなければならないことを親から教えられているので、金銭感覚がシャープ。対して日本の子どもは、お年玉に象徴されるように手を出せば一万円札を載せてくれる大人がいる点が違う、と指摘しています。
その上で藤田氏は、そのように育った日本の子どもたちが大きくなって、会社に勤めるようになったらどうなるか――と警鐘を鳴らしています。社会に出てから、このように金銭感覚がおっとりした人が外国企業等と交渉すると、良いように言いくるめられてしまうことが多いようです。
Next: 日本では無理!? 子どもの金銭感覚を養う「お小遣いゲーム」の真実
日本人の「見えない習慣」
我々日本人には、江戸時代の「士農工商」の教えがベースとして存在しているのでしょうか。「お金を持つと人生を踏み外す」と言われたり、いわゆる清貧の思想などが持て囃されるなどしたせいで、先祖代々、お金のことを子どもに語るのはタブー視されてきた面があります。
しかし、子どもがお金についてのごく基本的な知識を持ち合わせないまま社会人になると、お金で人生に失敗する可能性が高くなります。
失敗を許さない国、日本
かなり以前になりますが、米国の友人と、夏の日本の海岸を歩いていたときのことです。
波打ち際で、小学校低学年と思われる男の子が砂でお城を作っていました。自分の小さい頃を思い出して、しばらく遠くからその様子を見ていました。
波打ち際なのでお城は作っても作っても、寄せる波で崩れていきます。傍にはママが居たのですが、作ったお城が波で崩れていくので、段々アドバイス(?)を始めました。
「その部分をもっと厚くして、波にもっていかれないようにしなきゃ駄目じゃない!」
「ああ、早くしないと次の波が来るわよ!」
「そこはもう駄目だから、もう少し波打ち際から離れたところで作りなさい!」
などなど。
男の子は次第に、次の動作に移るときにママの方を向いて「これで良い?」と確認するような顔つきになりました。
それを見ていた米国の友人は「お前たち日本人は、子どもに失敗させる自由も与えていないのか?失敗からしか人は学ばないのに……」と言っていました。
子どものマネーリテラシーを養う「お小遣いゲーム」
同じようなことは、筆者が小学生低学年向けの「お小遣いゲーム」のお手伝いを務めていたときにも経験しました。
「お小遣いゲーム」とは、参加している子どもが何かお手伝いをすると、それに応じたお金(紙に書かれたおもちゃの紙幣)がもらえる遊びです。貯めたお金でお菓子を買ったり、貯金をしたりします。
ゲームの目的は、「お小遣い帳」の習慣を身に付けることです。小学校の体育館などを借りて行い、主催者側の何人かが、「肩をたたいて欲しい人」「靴を磨いて欲しい人」などなどの役割で椅子に座っていて、その人の肩たたきを30秒すると例えば100円が子どもに渡されます。
子どもはいったん自分の席に戻り、お小遣いとして100円をもらった、と手帳に記入します。そしてその後、その100円をお菓子と交換するか、あるいは別のところで靴磨きをしてさらにお金を貯めるか、といった選択をしながらゲームを進めます。
子どもが何か行動を起こして、いったん席に戻り、お小遣い帳を付ける――ですが、そのときのママたちのアドバイスが、いろんな意味ですごいのです!
Next: 我が子を「お金で失敗する人生」に追い込む日本の親たち
我が子を「お金で失敗する人生」に追い込む日本の親たち
初めて付けるお小遣い帳なので、どちらが収入で、どちらが支出かなど、子どもにとっては当然よく分からないことだらけです。もちろんこの「お小遣いゲーム」は、そのように子どもが試行錯誤することまで狙ったものなのですが、
「この100円は、ここに記入して! 早く!」
「XXXちゃんは、もう記入してお菓子を買ってるわよ!」
「ああ!そこじゃなくて、こっちに書くの!」
「ぐずぐずしないの!」
「早くしなさい!」
もう、叱咤激励のオンパレードです。
ママたちには事前に「見ているだけで、一切、子どもに助言・指導しないこと」を伝え、子どもの席とママたちの席もかなり離しているのですが、実際にゲームが始まるとそんなルールは何のその、凄まじいまでの「教育ママ」が出現するのです。
本当に、日本は失敗を許さない、あるいは失敗をさせない国なのだと思います。
小さな失敗をさせないことが、かえって将来の大きな失敗を導いている事に気がついて欲しいと思います。
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日本に残された道は? 28兆円の2倍「56兆円」でも実は足りない経済対策=矢口新
2016年8月2日
日本経済にとって、巨額のバラマキはどこまで効果的なのだろうか?今回ご紹介するデータによれば経済対策は2倍の56兆円でも足りない上に、無駄遣いに終わる可能性が高い。(『相場はあなたの夢をかなえる ―有料版―』)
プロフィール:矢口新(やぐちあらた)
1954年和歌山県新宮市生まれ。早稲田大学中退、豪州メルボルン大学卒業。アストリー&ピアス(東京)、野村證券(東京・ニューヨーク)、ソロモン・ブラザーズ(東京)、スイス・ユニオン銀行(東京)、ノムラ・バンク・インターナショナル(ロンドン)にて為替・債券ディーラー、機関投資家セールスとして活躍。現役プロディーラー座右の書として支持され続けるベストセラー『実践・生き残りのディーリング』など著書多数。
※本記事は『相場はあなたの夢をかなえる ―有料版―』(2016年8月1日号)の抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会に今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。月初の購読は特にお得です!
「28兆円の大胆な経済対策」バラマキは今回も無駄遣いに終わる
経済対策で使った資金は一体どこに消えているのか?
7月27日、安倍晋三首相は8月2日に閣議決定する経済対策について「事業規模で28兆円を上回る総合的かつ大胆な経済対策をまとめたい」と表明した。事業規模としては2009年の56.8兆円、08年の37兆円に次ぐ規模になる。
同日、経済対策に盛り込む低所得者への現金給付について政府・与党は、1人あたり1万5000円にする方針を固めた。現金給付の対象は住民税が非課税の低所得者約2200万人となる見通しで、単身者の場合は年100万円未満の所得が目安となる。事務費なども含めた必要経費は約3500億円を見込む。
【関連】イギリス国民を「EU離脱」に追い込んだ、欧州連合とECBの自業自得=矢口新
7月26日には、厚生労働省の中央最低賃金審議会の小委員会が、2016年度の最低賃金を全国平均で時給24円引き上げ、822円にする目安を決めた。5年連続で2ケタの引き上げとなり、第2次安倍晋三内閣発足以降の4年間で70円以上、上がったことになる。
矢継ぎ早の経済対策だが、こうした巨額のバラマキは効果的なのだろうか?
そこで、37兆円つぎ込んだ2008年(平成20年)、56.8兆円に達した2009年を含む、日本経済の規模の推移を見てみた。
日本の名目GDPの推移 (出典:内閣府)
http://d16tvlksr2me57.cloudfront.net/p/money/wp-content/uploads/2016/08/01190138/160801yaguchi_1.jpg
名目GDPは2007年4月〜2008年3月期から、2期連続で減少した。経済対策の効果で2010年3月に終わる年度には増加したが、2007年度には遠く及ばない。では、これら約94兆円もの経済対策はたんなる無駄遣いだったのだろうか?政府の歳出と税収とを見てみよう。
日本の財政収支(出典:財務省)
http://d16tvlksr2me57.cloudfront.net/p/money/wp-content/uploads/2016/08/01190234/160801yaguchi_2.jpg
2008年から2009年にかけて確かに支出は急増するが、その一方で、税収は急減する。また、その後にも目立った回復が見られないことから、この経済対策で使った資金は、政府には戻っていないことが分かる。これでは投資ではなく、浪費だ。
Next: 2倍の「56兆円」でも実は足りない経済対策、残された唯一の道は?
日本に残された唯一の道
94兆円のうち、実際に資金を支出する「真水」の部分はその何割かだが、それでも大量の資金はどこに消えたのか?税収の内訳をみれば、企業に消えたことが見て取れる。そういえば、7割もの法人が税金を払っていないことの資料は、以前にご紹介した。
税収の内訳(出典:財務省)
http://d16tvlksr2me57.cloudfront.net/p/money/wp-content/uploads/2016/08/01190439/160801yaguchi_3.jpg
景気対策の効果だろう。2010年4-6月期にはリセッションから抜け出すことができた。とはいえ、先のGDPに見るように、景気拡大は緩やかで、税収も増えていない。
今回の経済対策は28兆円で十分なのだろうか?これらの資料を見る限り、その倍の56兆円でも足りないかもしれない。おまけに、「真水」の部分は6兆円だと言われている。
28兆円の景気対策でも日本経済のカンフル剤になるかどうかは疑わしいが、財政が更に悪化することは間違いがなさそうだ。つまり、これらも無駄遣いに終わる可能性が高い。
私は日本経済の規模がピークをつけた1997年度以降の対策は、ナンピン買いに等しいと見ている。歳出増という買い下がりによりリスクだけが増大しているが、経済の回復はまだ見えない。ナンピン買いの行き着く先の多くは、破綻だ。
問題は根っこを絶たねば駄目だ。私は消費税率を0-3%に戻す以外に、日本経済は立ち直れないかもしれないと見ている。
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【関連】消費税は廃止しかない。財務省データで暴く財務官僚「亡国の過ち」=矢口新
【関連】事業規模28兆円? 財源の裏付けなき「大胆な経済対策」に明日はない=近藤駿介
http://www.mag2.com/p/money/19111
「魔の8月」の恐れも。日銀の追加緩和を逆手に取る外国人投資家=江守哲
2016年8月2日
日本株に大きな影響を与える外国人投資家やヘッジファンドは、今回の日銀追加緩和をどのように捉えるでしょうか?彼らに評価されないと、むしろ株価は下がってしまいます。(江守哲の「投資の哲人」〜ヘッジファンド投資戦略のすべて)
本記事は『江守哲の「投資の哲人」〜ヘッジファンド投資戦略のすべて』2016年8月1日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に、今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。本記事で割愛した全文もすぐ読めます。
プロフィール:江守 哲(えもり てつ)
エモリキャピタルマネジメント株式会社代表取締役。慶應義塾大学商学部卒業。住友商事、英国住友商事(ロンドン駐在)、外資系企業、三井物産子会社、投資顧問などを経て会社設立。「日本で最初のコモディティ・ストラテジスト」。商社・外資系企業時代は30カ国を訪問し、ビジネスを展開。投資顧問でヘッジファンド運用を行ったあと、会社設立。現在は株式・為替・コモディティにて資金運用を行う一方、メルマガを通じた投資情報・運用戦略の発信、セミナー講師、テレビ出演、各種寄稿などを行っている。
楽観する市場に危険な兆候。「不自然なドル安」は何を意味するか?
日銀追加緩和決定、黒田総裁の説明をどう捉えるか
日銀は28・29日に開いた金融政策決定会合で、追加の金融緩和を決めました。現行の「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」をさらに推し進め、株価指数連動型上場投資信託(ETF)の年間買い入れペースは3兆3000億円から6兆円に倍増させることになりました。
これが今回の決定の目玉なわけですが、外国人投資家やヘッジファンドはこの方針をどの様に捉えるでしょうか?
彼らが認めないと、日本株は上がらないことはすでに知られた事実です。日銀が「今回は頑張って緩和しました、外国人投資家さん、よろしくお願いいたします」といったところで、株価は上がりません。
彼らに評価されないと、結局はむしろ株価は下がってしまいます。
直近では、今後の政策への期待もあり、日本株を見直す動きもありました。しかし、今回の決定に対して、彼らはどのような評価をするかはまだわかりません。
しかし、最初の市場のリアクションとしては、決してポジティブではないように思います。
彼らが嫌がるのは、人為的な歪みから生じる動きです。逆にいえば、それを逆手にとって利益を獲得しようとするのがヘッジファンドともいえます。
そこでヒントになるのが、国債先物の急落かもしれません。なぜこのタイミングで国債先物が急落する必要があったのか。
政府は財政出動、日銀は量的緩和を続けざるを得ません。そして、その政策を否定してはいけません。しかし、その限界については、すでに市場に見透かされているように感じます。
その結果が、国債先物の動きにあらわれているとすれば、それは非常に危険なサインということになります。
黒田総裁はETFの買い入れ増額が市場に与える影響については「特定の株価を目標にせず、市場機能を損ねることはないと考えている」との認識を示しています。
また国債の買い入れによる量的緩和が限界に達しているのではないかとの見方に対しては「国債の3分の2はなお市場にあり、限界に達しているとは考えていない」と否定しました。
しかし、それはあくまで個人的な感想であり、感覚的なものです。検証したところで、成果を得られるわけではありません。市場は生き物です。いい加減な発言にしか聞こえないというのが、正直な感想です。
日銀はすでに大量に国債を抱えているわけですが、その価値が急落したところで、目先は何も問題は起きません。償還まで持ち続け、実際の償還を受ければよいわけですから。
このような楽観論が出てくるとき、市場がどうなるかは、海外の投資家やヘッジファンドは良く知っています。したがって、8月の動きについては、これまで以上にかなり注意が必要になってきたように感じます。
ヘリマネや永久債の議論が出てきました。もちろん、現行の法の下ではできません。また、黒田総裁も否定しています。当たり前ではありますが、ここに何か大きな問題が潜んでいるように感じます。
何をしでかすかわからない安倍首相と黒田総裁ですが、それでも今回もまた「勝負あった」という感じがします。8月2日の景気対策が分岐点になるのかもしれませんね。
今年も「寒い夏」になるかもしれません。引き続き注意していきたいと思います。
Next: 米国株の高値維持はいつまで?/日本株・為替市場もさらに詳しく分析!
過去最高値更新の米国株式市場はいつまで高値を維持できるか?
米国株は高値を維持しています。
特にS&P500の快進撃はすごいですね。過去最高値を更新中です。またナスダック指数も堅調です。
米国の主要企業の業績は前期比でマイナスですが、市場予想よりもよいことが好感されているようです。しかし、これは毎度のことです。つまり、予想を低くしておいて、結果はそれよりもよいことで、株価を上昇させるという演出です。
これに騙されてはいけないのかもしれません。しかし、多くの市場参加者はこれを信じて高値をどんどん買ってきます。高所恐怖症の私はついていけません(笑)。
事実、米国の主要企業の業績は5四半期連続で減益です。すべての企業がよいわけではなりません。むしろ、多くの企業が苦しんでいるようにさえ見えます。
しかし、以前にも書きましたように、米国主要企業は、利益の5割を自社株買い、3割を配当に回しています。株主優先といえば聞こえはよいのですが、つまり株価維持策に利益を使っているわけです。
これでは株価が高値を維持するのも当然です。
したがって、現在の株高を素直に喜ぶわけにはいかないというスタンスは変わりません。事実、米国株はかなり割高になっているという指摘が多く聞かれます。
みんなが買うから上昇する、上昇するからまた買う、といった循環に入っているようにすら感じます。
一方、後述するように、29日にはドル安が進みました。これまでのドル高が、米国企業の業績に悪影響があるため、ドル安が喜ばしいと考えてきました。
また米国が明らかにドル安政策に切り替えたこともあり、やはり株高にはドル安が必要であることを再認識していました。
しかし、このタイミングで急にドル安になったことに、非常に違和感があります。これは悪いドル安になるのではないかとの予感です。
というのも、米国債が再び上昇に向かい始めています。これは、投資家のリスク回避姿勢の高まりの裏返しでもあります。さらに欧州の国債も買われています。
投資家は株式も買いつつも、国債も買っています。この流れはまだ変わっていないようです。その上で、米国株と米国債のレシオをみると、やや天井感が出始めています。これは国債の株価に対する相対的な強さを意味します。
いまの米国株を見ていると、誰もが安心しきって買っているようにも見えます。また、ITバブル期のようにPERが100倍を超えているわけでもないので、バブルとも感じません。
まさに安心感が投資家にさらに買いを促す、そのような好循環が生まれているように思われます。
VIXは再び11台に低下。このような動きになれば、投資家が安心するのも当然でしょう。繰り返しますが、11台は昨年8月以来の低水準です。10台から11台というのは、歴史的にもきわめて低い水準です。
先週も指摘したように、VIXは昨年8月5日には一時11を割り込む場面がありました。しかし、そこから10日後に急伸し始め、8月24日には一時53.29まで上昇しました。これが「チャイナショック」による株価暴落です。
このとき、ダウ平均は15370ドルの安値をつけていましたが、4日間で2100ドル超もの下げに見舞われました。
VIXが低水準にあるというのは、いまが楽観しすぎていることを示しているのであり、将来の大幅な変動の可能性を意味します。一般的にはその逆、つまり、低ボラティリティの際には株を買うタイミングと考えられているようです。
しかし、このような低ボラの状態は長くは続きません。いずれ、大幅な株価調整により修正されることになります。
また、ダウ輸送株指数の下落基調も大いに気になります。先週も解説しましたが、この指数はダウ平均を構成する3つの指数のうちのひとつで、ダウ工業株30種平均の先行指標と言われています。
昨年のチャイナショックの急落時には、かなり早い段階からこの輸送株指数は下げていました。今回も先んじて下げていますが、この傾向が続いた場合には要注意です。
私は、現在の米国株はいったん調整が入らないと、次の上昇に向かえないと考えています。そのタイミングは、早ければ8月中、遅くとも9月末までに来ると考えています。
そのため、積極的な買いは控え、常に急落に備えることが重要ではないかと考えています。
今週は重要経済指標の発表が目白押しです。結果次第で相場が大きく動く可能性が高いので、要注目です。
Next: 厳しい現実に直面する日銀。日本株は上値の重い展開、楽観はできず
日本株は上値の重い展開、楽観はできず
日本株はなんとか下げ渋りました。とはいえ、楽観はできません。
先週の市場の最大の関心は、28・29日に開催された金融政策決定会合でした。
日銀は追加の金融緩和を決めました。現行のマイナス金利付き量的・質的金融緩和をさらに押し進め、株価指数連動型上場投資信託(ETF)の年間買い入れペースを3兆3000億円から6兆円に倍増させることにしました。一方、不動産投資信託(REIT)の買い入れ額は年間900億円を維持するとしました。
一方、マネタリーベース(資金供給量)はこれまでの年80兆円に相当するペースを維持。日銀の当座預金の一部に適用するマイナスの金利幅も年マイナス0.1%にとどめるとしました。さらに国債保有残高は年間80兆円増えるペースでこれまで同様に購入するとしています。
追加緩和は今年1月に決めたマイナス金利政策の導入以来、約6カ月ぶりとなります。また、黒田総裁の就任以降では4回目の金融緩和になります。
さて、この内容をどう評価すべきでしょうか。市場関係者の評価は分かれると思います。
上記の政策自体は、明らかに市場が予想していた水準を大きく下回ると思います。実際、それを反映してか、株価は大きく下落し、ドル円も下落しました。
しかし、今回の市場の反応は、正直なところ、意外なほど冷静でした。引け間際にはむしろ買いが入り、日経平均株価は前日比で上昇して引けたからです。また円高も意外に進みませんでした。
様々な理由があると思いますが、その背景にはETFの購入額の増額があると思います。これが株価の下支えになるとの見方が売り込みづらくしたのだと思います。
英国のEU離脱決定で世界経済の不透明感が強まり、企業や家計にも悪影響が及びかねない状況になっています。この点については、FRBも日銀も同じように不安があると思います。
FRBはFOMCで利上げを見送りましたが、日銀はこれまでの金融政策をさらに推し進めることで、市場の安定と経済の押し上げを図ろうとしました。
そのもっともわかりやすい政策がETFの増額だと思います。また、今回は金融機関のドル資金調達の支援策も強化しました。さらに、銀行などの金融機関に配慮して、マイナス金利の深堀をしなかったことも好感されたものと思われます。
これにより、政府が打ち出した28兆円規模の経済対策との連携を強める格好となり、一定の心理的な効果を演出したといえます。
安倍首相は「アベノミクス」をさらに吹かすといっています。そのため、日銀がまず動き、政府と協調を演出したという事実が必要なわけです。そして、政府は8月2日に事業規模28兆円の経済対策を閣議決定する方針です。
日銀は「緩和的な金融環境を整えることは、政府の取り組みと相乗的な効果を発揮する」との認識を明記しました。さらに財政と金融政策の組み合わせで景気を底上げし、日本経済に対する期待を上向かせようとしたわけです。
しかし、現実はかなり厳しいことも日銀は理解しているようです。今回公表された「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」では、16年度の消費者物価指数(CPI、生鮮食品を除く)の上昇率は前回4月の0.5%から0.1%に下方修正されました。また17年度は1.7%のままで維持し、物価目標の達成時期も「17年度中」を維持しました。
本音では、目標の達成は難しいと思っているのではないかというのが印象ですが、とりあえず達成は可能という大前提で、ともかく目標とする金利水準をいったん引き下げたといえます。
今回の会合後の黒田総裁の会見をみていると、これまでのような対応は影を潜めました。つまり、質問する記者に対する対応にもやや元気がないように見えました。気のせいかも知れませんが、かなり追い込まれているのかもしれません。
実際に結果が出ていませんし、今回は政府との連携が絶対に必要でした。このような状況で、手足を縛られて苦しい判断になったのではないかと考えられます。
Next: 日経平均株価は「16250円」を下回れば下落トレンド入り
日経平均株価は「16250円」を下回れば下落トレンド入り
さて、市場のほうですが、なかなか結果が出ず、どうなるのかとやきもきしましたが、結局はETFの買い入れ増額で決まりました。
もともと、決定内容次第で上下に動くとみられていましたが、どちらに動くかは決定内容次第ですので、どうなるかわからない状態でした。市場関係者も、多くがそのように見ていたと思います。
しかし、結果は上記の通りであり、株価は下げ渋ったといえます。これには、8月2日に閣議決定される景気対策への期待があるといえます。
とりあえず、東京時間は急落しなかったことで、売り込みづらくなったことは確かでしょう。日経平均株価は引け値では重要な節目の16500円を維持しました。
また、市場が関心を示していたいわゆる「へコプターマネーの導入」はなくなったといえます。黒田総裁も「財政と金融政策が一体となったヘリマネは禁止されている」と言明しています。
いずれにしても、今回の日銀の決定で、金融政策の方向性はむしろはっきりしたといってよいかもしれません。
マイナス金利の深堀がないのであれば、銀行株や保険株は上昇しやすくなります。事実、29日の市場では、メガバンク株や保険株が急上昇しました。
このように考えると、日本株の大崩れのリスクはいったん回避されたようにも思われます。
しかし、29日のシカゴ市場では16300円まで下げています。円高が進んでいるのが嫌気されていますね。
海外勢は今回の決定をあまりよく思っていないようです。結局は、いまのところはレンジ相場の域を出ていないということになります。
下値は16250円、上値は17000円。これを抜けるまでは動けません。ただし、現在のバイアスは下方向になっています。
週明けに円高基調が変わらず、16250円を下回れば、下落トレンド入りと判断することになります。
今回の決定でもう少し上に行くのかと思いましたが、現時点ではそうではなさそうですね。
結局のところ、円高リスクはまだ残っているということになりそうです。海外市場では、ドル安が進行しており、ほとんどの通貨に対してドルは下落しています。
この動きが何を意味しているのか、非常に注意が必要に感じます。
また日本国債の先物が急落しています。この動きは非常に嫌ですね。この下げ幅は普通ではありません。かなり注意が必要なように思います。
2003年の「VARショック」を思い出させる動きともいえるかもしれません。
現状で価格下落(=利回り上昇)となれば、国債のポジションは痛みますし、金利上昇で想定外のことが起きる可能性があります。
特に銀行は国債を大量に保有しています。ポートフォリオのダメージが悪い方向に出る可能性があります。週明けは、むしろ金融機関の株式が下げる可能性もあるでしょう。
また週明けには、2日に政府の景気対策の公表、3日には内閣改造が控えています。かなり神経質な動きになりそうです。
繰り返しますが、現在の日経平均株価は16250円が重要なポイントです。ここを維持できれば、戻して17000円を試す可能性は残りますし、失敗して下に行けば、15500円から15250円を試すことになります。
現状では上の可能性は大きく低下したように感じます。いずれにしても、いまはトレンドが明確になってから動きたいところです。
ただし、本格的に下げるのは8月後半から9月にはいってからになるかもしれません。
市場では、8月よりも9月が危ないとの指摘もあるようです。米大統領選挙をにらんでの話でしょう。確かに注意は必要ですね。
結局は、常に注意が必要ということになりそうです。
それにしても、日銀の政策は、ここ最近は本当に上手くいっていないですね。会見での黒田総裁にこれまでのような覇気がなかったのが気になりました。
Next: 為替市場〜円高リスクの再燃に注意
為替市場〜円高リスクの再燃に注意
為替も大きく動きました。
日銀金融政策決定会合に絡む動きはともかく、それ以前にも先週は大きく変動するケースがありました。
特にひどかったのが、「政府が50年債の発行を検討」といった報道でした。
米紙が伝えたものですが、この報道をきっかけにドル円は急上昇し、日本株が上昇する場面がありました。
現在の市場環境では、このような報道で市場は簡単に動いてしまいます。
その背景にあるのは、このメルマガでも何度も解説しているように、アルゴリズム取引やAI(人工知能)をベースとした取引です。
これらの取引は、ニュースのヘッドラインを見ただけで投資判断をして注文を出しますので、人間の手で発注するよりもきわめて早いわけです。
しかし、問題は、投資判断の基準となっている情報が正しくても間違っていても、そのまま鵜呑みにして判断・投資している可能性が高いことです。
東洋経済オンラインへの寄稿でも少し触れましたが、この動きは本当に厄介です。事実と報道が異なっていても、そのまま取引してしまうからです。
結局、今回も報道内容が誤りだったわけですが、そのため、すぐに戻してしまいました。
このような人騒がせな報道は本当にやめてほしいと思います。
しかし、トレードするものとしては、これらの動きを無視し続けることもできません。何とかその意味を理解して、ついていくことを考える必要があります。
ただし、無理はする必要はありません。結局はノイズで終わることも少なくないので、まずは初動で入れなければ、無視した方が賢明です。
さて、日銀金融政策決定会合の内容を受けた為替市場の動きですが、かなり変動しました。29日は7時台から誤発注とみられる乱高下があり、103円台に突っ込むなど、午前中だけでも非常に大きな動きがありました。
また、会合の決定内容が伝わらないので、12時入るとどんどん円安が進みました。このような時間になるまで発表がないときは、相応の決定がなされているという過去の経験則から、ドル円が買われたわけです。
この間にも相当の変動がありました。そして、発表後は上下に変動しました。内容に対してポジティブに捉える買いと、ネガティブに捉える売りが交錯し、動き値動きになりました。しかし、東京時間は何とか踏みとどまりました。
この動きだけを見れば、内容には充分ではないものの、売り込むほどではないといった評価だったといえます。104円台で推移したというのは、そういう意味だったように思います。
しかし、海外市場に入ると、状況は徐々に変わってきました。米国のGDPが弱かったこともあり、ドル売りが加速し、ドルが全面安になったのです。
これまでは、ドル安は市場で歓迎されてきました。しかし、この日のドル安は米国売りを想起させるものでした。
直近のFOMCでは、利上げの可能性を残す声明文が発表されましたが、現状では利上げは難しい。このような状況をすべて織り込んでのドル安であれば、これは決して喜ばしいドル安ではないといえます。
そのような状況の中での軟調なGDPの発表です。これは嫌な感じがします。
この日のドル安は、正直なところ想定外の動きです。しかし、欧州通貨が落ち直し、円高になり、新興国通貨・資源国通貨も上昇する中で、欧米の国債価格が上昇しているところに、将来の懸念が表れているように思います。
英国のEU離脱後の欧州通貨の下落がリスクと考えていましたが、ユーロが上昇基調に戻したので、これでポンド安だけが残っている状況です。
週明けからの市場動向にはかなり注意が必要になったと感じます。
これまでとは質の違うリスクオフの動きになる可能性もありそうです。ドル安でも米国株が上昇しなくなるようであれば、それが悪いドル安のサインということになりそうです。
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本記事は『江守哲の「投資の哲人」〜ヘッジファンド投資戦略のすべて』2016年8月1日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に、今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。本記事で割愛した全文(「コモディティ市場〜金相場が急伸」「今週のポジショントーク〜メタル相場の上昇が貢献」「マーケット・トピック〜GPIFの投資対象の全貌が明らかに」「マーケット人生物語〜私の人生を変えたアノ事件」)もすぐ読めます。
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モンテパスキ銀や日本年金を翻弄する「時代の変化」の笑えない正体=矢口新
2016年8月4日ニュース
資金を貸出して利息を得る銀行ビジネスは、もう時代遅れなのだろうか?しかし矛盾を感じるのは、モンテパスキ銀もドイツ銀も、不良債権削減を求められているという事実だ。(『相場はあなたの夢をかなえる ―有料版―』矢口新)
プロフィール:矢口新(やぐちあらた)
1954年和歌山県新宮市生まれ。早稲田大学中退、豪州メルボルン大学卒業。アストリー&ピアス(東京)、野村證券(東京・ニューヨーク)、ソロモン・ブラザーズ(東京)、スイス・ユニオン銀行(東京)、ノムラ・バンク・インターナショナル(ロンドン)にて為替・債券ディーラー、機関投資家セールスとして活躍。現役プロディーラー座右の書として支持され続けるベストセラー『実践・生き残りのディーリング』など著書多数。
※矢口新氏のメルマガ『相場はあなたの夢をかなえる ―有料版―』好評配信中!ご興味を持たれた方はぜひこの機会に今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。月初の購読は特にお得です。
今や「生き残り」の最善策は、当局と距離を置くことなのかもしれない
世界最古の銀行・モンテパスキに破綻懸念
欧州銀行監督機構(EBA)は7月29日、主要51行のストレステストの結果を公表した。
査定では、2018年にかけて域内の景気が一時マイナス成長に陥る事態を想定。各銀行への影響を2015年末の財務状況を基に試算した結果、今後3年間で51行全体の普通株など中核的自己資本が計2690億ユーロ減り、健全性を示す中核的自己資本比率は15年末の13.2%から18年末に9.4%に低下するとなった。今後導入が予定される新たな規制を加味して見積もると9.2%となる。
巨額の不良債権を抱え、市場が注目するイタリア3位のモンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナの自己資本比率は12.01%から、資本不足を意味するマイナス2.23%になるという最も厳しい結果が示された。同行は29日に、最大50億ユーロの増資をめざすと発表した。
モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナは1472年に設立された世界最古の銀行だ。同行の不良債権比率は2015年末時点で41%に達している。同行は欧州銀行監督機構から、今後3年間で100億ユーロ以上の不良債権削減を求められている。
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伝統ある銀行ビジネスを崩壊させる「当局の矛盾」とは
このところ、何百年も続いて来たビジネス・モデルの崩壊を、しばしば耳にするようになった。時代に適応できないビジネス・モデルが淘汰されるのは、仕方のないことだとも言える。グローバリゼーションによる大資本による攻勢に、ローカルな小資本が太刀打ちできないのは、それなりに納得がいく説明だ。
では、何百年も続いて来たビジネス・モデルを崩壊させるような時代の変化とは何だろう?金融市場を例に挙げれば、資金(やモノ)を貸出して、利息(や見返り)を得るという古来からのビジネス・モデルが、マイナス金利政策や、世界で流通している国債の3分の1以上がマイナス利回りという「時代の変化」に適応できていないことになる。
では、モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ、あるいはドイツ銀行のような、資金を貸出して利息を得るという銀行ビジネスのモデルは、時代遅れなのだろうか?
ここで矛盾を感じるのは、不良債権削減を求められているという事実だ。不良債権とは、貸出しを行っていながら、利息を受け取っていない状態だ。このことを、欧州銀行監督機構がダメ出ししている。
では、銀行にとって、利息は受け取るべきものか、払うべきものか?不良債権をダメ出ししている以上、受け取るべきものなのだろう。
一方で、ECBに対する貸出し(当座預金)はマイナス金利で、銀行が利息を払っている。不良債権がゼロ利息ならば、マイナス利息は超がつく不良債権だということで、削減の対象になるべきことになる。
つまり、マイナス金利政策では、プラス金利を前提とした銀行のビジネスが否定され、ゼロ金利や追い貸しによる実質マイナス金利で不良債権が増えることが肯定される。一方で、不良債権が増えれば、銀行経営が成り立たなくなる。
こういった、欧州政府の筋の通らない政策、いわば、規制のための規制が「時代の変化」なのだ。
Next: 早晩発生する大きな実現損、GPIFに突きつけられた究極の2択とは?
「時代の変化」に振り回される日本の年金運用
「時代の変化」は年金や保険などの長期資金の運用にも見られている。
GPIFは7月29日、通常より約1カ月遅れで、2015年度の運用結果を公表した。国内債券は年間約2兆円の利益、国内株式は約3.5兆円の損失、外国債券は約0.7兆円の損失、外国株式は約3.3兆円の損失で、全体で5兆3098億円の損失だった。
これで見ると、株価や外貨での損失を国内債が穴埋めしたことが分かる。国内債偏重運用から、株式や外貨に分散したことが裏目に出たように見える。しかし、国内債はマイナス利回りなので、GPIFが実質的に利息を国に払っている状態だ。
それでも2兆円の利益が出たのは、それ以上に値上がりしたからだ。簡単に言えば、100で償還される国債を101という価格で保有していたが、102に値上がりしたので、利益が出たのだ。とはいえ、いずれ100で償還される事実には変わりがない。その時が来れば、これまでの利益は絵に描いた餅に過ぎず、大きな実現損が発生する。
年金や保険などの長期資金の運用における「時代の変化」は、国債運用で利回りを得るという従来からの安定運用が否定され、高価格な国債を、さらなる高価格で売り抜けるという「投機的売買」を促されているということだ。
つまり、年金や保険会社も、短期トレードの専門家を雇うか、リスクを顧客に転嫁するか、どちらかの選択肢を迫られていることになる。
先月、三菱東京UFJ銀行が国債のプライマリー・ディーラーシップを返上したが、私はプロの判断だったと評価している。
現在の世界の金融当局は「金融の素人」、あるいは「規制のための規制の専門家」の集まりだ。そんなものに振り回されていれば何百年も続いて来たビジネスでも破綻する。
当局と距離を置くことが、ビジネスや資産運用での、生き残りの最善策となってきたようだ。
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