http://www.asyura2.com/16/hasan111/msg/507.html
Tweet |
8月2日、日銀は9月の金融政策決定会合でマイナス金利付き量的・質的金融緩和(QQE)の「総括的な検証」について議論するが、その結果として緩和政策縮小や物価2%目標の柔軟化の方向性を早期に打ち出す可能性は低いとみられる。写真は日銀本店。7月撮影(2016年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
焦点:日銀の政策検証、可能性低い緩和縮小や目標柔軟化の選択
http://jp.reuters.com/article/focus-boj-idJPKCN10D14M
2016年 08月 2日 20:56 JST
[東京 2日 ロイター] - 日銀は9月の金融政策決定会合でマイナス金利付き量的・質的金融緩和(QQE)の「総括的な検証」について議論するが、その結果として緩和政策縮小や物価2%目標の柔軟化の方向性を早期に打ち出す可能性は低いとみられる。物価2%目標の早期達成という前提に反する結論は、導き出すことが難しいためだ。
<緩和縮小の可能性否定した黒田総裁>
黒田東彦総裁は7月28、29日の会合で、マイナス金利付きQQEの政策効果などについて、次回会合で総括的な検証を行うとし、その準備を執行部に指示した。
物価2%目標達成に向けた不透明感の強まりや、現行政策の限界が指摘される中、市場では日銀の政策検証によって、緩和縮小や目標の柔軟化の可能性が出てくる可能性を警戒する見方が台頭。
2日の市場では、10年利付国債入札が低調となったこともあり、長期金利JP10YTN=JBTCはマイナス幅を急速に縮小した。
こうした市場の思惑に対し、日銀内では困惑の様子がうかがえる。検証作業に入ったばかりのタイミングということもあるが、黒田総裁は前回会合後の会見で検証の狙いについて「2%の物価安定目標をできるだけ早期に実現する観点」と繰り返しており、緩和縮小や目標の柔軟化、この前提に逆行するためだ。
黒田総裁は2日午後、麻生太郎財務相と会談。終了後の会見で、緩和検証への思惑から「市場では緩和が縮小に向かうとの見方から金利が上昇したが」との質問に対して「そもそも総括的な検証自体が、2%の物価安定目標をできるだけ早期に実現する観点から何が必要かを明らかにするため。そのようなことにはならない」と緩和縮小を否定した。
日銀関係者からは「黒田緩和の3年間の総括であり、反省ではない」との声も漏れる。
<検証の主眼、何が足りないかを議論>
日銀内では、13年4月に物価2%目標の達成に向けた強い決意を示すとともに、国債買い入れを中心とした大規模なQQEを導入することで、日本経済をデフレではない状況に持ってくることができたとの認識が大勢を占めている。
ただ、2014年夏場以降は原油価格の急落などを主因に物価上昇率が低迷。2%の達成時期は何度も先送りされ、足元の消費者物価指数(生鮮食品除く、コアCPI)はマイナス圏に沈んでいる。
このため検証では、3年間の情勢変化も踏まえ、緩和策の何が経済・物価に効果を発揮し、物価が2%に達していない理由がどこにあるかを明らかにしていく考え。
そのうえで「検証結果に応じて必要な措置を採る」(黒田総裁、29日の会見)と政策の枠組みの変更も視野に入れる
だが、市場では、物価目標の達成期限を中長期な位置づけに変更することなどがささやかれている。
市場の思惑と日銀の狙いには、かなりのギャップが生じており、日銀内における現状の見方を総合すれば、目標自体のあり方に踏み込む可能性は小さいとみられる。
また、金融界などからの批判が多いマイナスの金利の撤回や、限界が意識されている国債買い入れの減額といった緩和縮小方向の対応は、結果として選択されない公算が大きく、むしろ目標達成に向けて「何が足りないか」を議論する展開が予想される。
とはいえ、本格的な議論はこれから。政府による年限の長い国債発行と平そくを合わせた国債買い入れ増額に肯定的な見解や、国債買い入れの安定性を重視した見方など、様々な方向性を持つ意見が混在しているのも事実。
そうした中で、この日の市場の一部で意識された「早期の緩和縮小」や国債買い入れ額の減額(テーパリング)を真正面から主張する意見は少ないようだ。
(伊藤純夫 竹本能文 編集:田巻一彦)
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 経世済民111掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。