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Column | 2016年 08月 1日 08:57 JST 関連トピックス: トップニュース
コラム:
2016年後半、さらに悪いことが起きるのか
PETER APPS
[25日 ロイター] - 2016年で最も憂慮すべきことは、ある意味、まだあと5カ月以上も残っているということだ。今年に入り、どれだけ悪いニュースがすでに数多く起きてきたかを考えると、他にどんな悪いことがこれから起きるのかと問わずにはいられない。
その答えは、言うまでもなく、多くのことが考えられる。
とりわけフランスとドイツで起きている、比較的小規模で限られた攻撃のみならず、大量の死傷者を出したパリ、ブリュッセル、ニース、ミュンヘン、オーランドにおける攻撃は、恐らく始まりにすぎないだろう。必ずしもその全てがイスラム系武装勢力とつながりがあるわけではないが、どの事件も明らかに危険な形で国内政治の温度を上昇させている。
中東では、過激派組織「イスラム国(IS)」がイラクとシリアで勢力を失いつつあることに疑いの余地はないが、だからといってISが消滅するかと言えばそうではないだろう。イラクや他の地域で起きている事件と同様、アフガニスタン首都カブールで23日に起きた自爆攻撃は、西側におけるテロ攻撃が比較的かなり小さい規模にとどまっているということを残酷にも思い起こさせる。
しかしこれらは唯一の危険でも、あるいは必ずしも最大の危険でもない。中国、ロシア両国に対する緊張は次第に高まる可能性がある。欧州連合(EU)も混乱から抜け出せていない。英国のEU離脱だけでなく、ユーロ危機も全く解決していない。
国内で政治危機に陥っているような国も驚くほど多い。15日に起きた軍クーデター未遂後のトルコはこれまで以上に不安定化している。さまざまな面で、同国が西側の政策にとっていわば要となっていたことを考えると、これは厄介な話だ。
ロシアは下落する石油価格と、中国は低迷しそうな経済成長と闘わねばならない。また、米国や英国、フランスやドイツを含む多くの西側諸国は、何世代とは言わないまでも、何十年も見られなかった規模で社会の分断が起きている。
そしてもちろん、共和党候補のドナルド・トランプ氏が、11月の米大統領選で勝利する可能性もまだ大いに残されている。
ブリュッセルやオーランドで起きたような攻撃は、トランプ氏に有利に働く傾向がある。したがって、米国で最近起きている警官への一連の攻撃も、同氏には追い風となるかもしれない。ただし、多くの場合に武器を携帯していない黒人を殺害することへの激しい怒りが広がっていることは、民主党への投票を押し上げるかもしれない。
残りの世界が一段と悪化するように見えるにつれ、トランプ氏の主張が説得力を増すという結論を逃れることは難しい。たとえそのような危機の数々に対処する同氏のやり方は、悲惨以外の何ものでもないという結論が同様に避けがたいとしても、だ。
ほぼあらゆる国において、とても気がかりな政治的傾向が見られる。ISのような武装勢力が意図的に行った組織的攻撃でないとしても、常軌を逸した個人が政治的に急進的になり、時に壊滅的な攻撃を行うという懸念すべき傾向があるように見える。
ニースの事件から、米国で多発する銃乱射事件、6月に英国で起きたEU残留派のジョー・コックス議員殺害に至るまで、これらは1つの線でつながっているようだ。
多くの国で中道派が劇的に勢力を失っているため、このような政治的分断は危うさをある程度増している。EU離脱の是非を問う英国の国民投票において、印象的かつ残念だったことの1つは、離脱派、残留派のどちらも、相手に一理あるかもしれないと認めようとはしなかったように思えたことだ。そうしたことは、米国からトルコまで、他の多くの場所においても当てはまる。
中道派がいなくなれば、あらゆる立場の人が極端な方向や独断的な見方へと追いやられる傾向が出てくることは避けられまい。たとえそれが暴力につながらなくても、意見の一致や意思決定を相当難しくする。(米国の共和、民主両党や英国の労働党の内紛でも明らかなように、既成政党においてすらそうなのだ。)
要するに、今年後半も前半と似たような流れに沿い、単独犯であろうと複数犯であろうと、悪意に満ち、しばしば暴力的な事件が断続的に発生し、さまざまな場所で政治的温度を上昇させ続ける可能性は全くもってあり得ることなのだ。
そうしたことがたとえ起きなくても、政治危機が続き、異例で時に非常に不快な政治的結末をもたらすリスクを高めることになるだろう。英国のEU離脱は明らかにこの証左の1つであり、もしトランプ氏が大統領選に勝利すれば、新たな一例となり得る。さらに来年にはフランスとドイツでも選挙が控えている。
両国とも極右が台頭しており、ドイツでは右派政党「ドイツのための選択肢(AfD)」がナチス以来、考えられないほど票を伸ばしている。
夏の時期はまた、予期せぬ出来事が生まれがちである。それは紛争に関連するものであったり、金融的なものであったりする。ロシアは、北大西洋条約機構(NATO)非加盟国のウクライナやジョージアといった周辺国、あるいはバルト諸国に対してさえ、乗っ取りを試みるかもしれない。また、南シナ海の領有権をめぐり、自国の主張が受け入れられなかった仲裁裁判所による今月の裁定に対し、中国がどのように反応するのか、まだ分からない。最悪な場合、そのような対立によって核戦争が勃発しかねない。
あるいは2008年に起きたリーマンショックのような金融危機を再び目にすることになるかもしれない。それを誘因するのは、ユーロ圏内の出来事か、あるいは英国が覚悟を決め、EUを離脱するためにEU条約第50条をいよいよ発動する時であろう。(ただしこれは、どうやら来年まで延期されそうだが。)通貨ユーロの崩壊は、イタリアのような国が抜ければ全くあり得ることだが、さらにひどいことになりかねない。
しかしこうした一切にもかかわらず、一部の分野では事態が悪化していないことは注目に値する。EU加盟国への移民流入は昨年から大幅に減少しており、欧州各国は武装勢力の脅威に苦闘しているものの、大いに必要としていた休息を得ている。英国民投票による市場混乱は、多くが恐れていたほどではなかった。政党は分裂し、分断し続けるかもしれない一方、西側、特に米国の有権者は、超党派の、合意に基づくアプローチを求めていることが、各世論調査はおおむね示している。
多くの点で、向こう数年間は、最近の人類史上において最も危険な時期に含まれる可能性がある。特に、完全なる崩壊と大国同士の衝突という両方のリスクがかつてないほど高まっている。グローバル化や国際的なコンセンサス、多くの国における政治中道化への動き、といった安定化を大いにもたらすと見られていた原動力の多くは現在、危機的状況にあるか、完全崩壊している。
うまくいけば、何も問題ないかもしれない。だが非常に不確実で、一段と忌まわしく、波乱に満ちた日々となるように思えるのだ。
*筆者はロイターのコラムニストで、シンクタンク「Project for Study of the 21st Century(PS21)」を立ち上げ、理事を務める。
*本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。
http://jp.reuters.com/article/column-2016-get-worse-idJPKCN1090WU?sp=true
コラム:
日本は財政金融政策の実験場なのか=佐々木融氏
JPモルガン・チェース銀行 市場調査本部長
[東京 31日] - 日銀は7月28―29日の金融政策決定会合で、上場投資信託(ETF)の購入額を3兆円から6兆円へと拡大することを決めたが、マイナス0.1%の政策金利や年間80兆円ペースの国債買い入れ額は据え置いた。
今回の結果については、2つの特徴が指摘できそうだ。1つは、国内金融機関に対して配慮した内容だったということ。もう1つは、第1の矢(金融緩和)の限界が言われる中で、日銀が思わず第2の矢(財政政策)を放ってしまったかのように見えることだ。
振り返れば今年1月に日銀が導入したマイナス金利政策は、日本の金融界から非常に不評で、不満の声が高まっていた。また、国債の購入についても、日銀がどんどん吸収してしまうため、一定のクーポン収入が必要な金融機関にとって迷惑となっている。
この半年余り、日銀はそのような声を半ば無視するような姿勢をとっていたが、さすがにこれ以上、民間金融機関との関係を悪化させるのは得策ではないとして、金利も国債買い入れ額も据え置いたのだろう。
日銀はこの他にも、成長基盤強化支援資金供給のうち、ドル資金供給額の上限を120億ドルから240億ドルに拡大することも発表した。日本の金融機関はドルの調達に苦しんでおり、必要額全体に比べれば規模は小さいものの、市場安定に向けて一定の効果はあるだろう。
また、ドル資金供給オペ用の担保に関しては、日銀当座預金に見合った国債を日銀が民間銀行に貸し付け、民間銀行はそれを担保として使用できる制度を作った。銀行が超低金利の国債を担保のために必要以上に保有しなくても良いようにする、銀行に優しい制度だ。
市場にとって、今回の金融緩和策は事前予想に比べて物足りない内容だったと思われるが、ドル円相場が一定程度円高に進んだにもかかわらず、株価が反発したのは、金融機関に優しい政策だったからだろう。
TOPIX銀行業指数は前日比6.9%、保険業指数は同5.6%も上昇した。金融緩和が予想より小幅にとどまったことが株価全体を押し上げるなら、金融緩和政策はすでに限界に達したと考えることもできるのかもしれない。
ETFの購入額増額も、もちろん株価をサポートしたのだろう。しかし、中央銀行にとって株式の購入は金融政策なのだろうか。日銀が金利も国債購入額も変更せず、株式購入額だけを増やしたことは、日銀自らが、金融政策の限界が近づき、今後、財政政策に頼らざるを得なくなっていることを示しているようにも見える。
<海外勢の期待も財政政策にシフト>
実際、市場参加者も金融政策以上に財政政策に対して期待している感が強い。筆者は最近、米ニューヨークや豪州シドニー・メルボルンを訪問し、現地の投資家との意見交換を行ったが、受ける質問のほとんどは、補正予算の規模やヘリコプター・マネー、永久債などについてであり、実は日銀の金融政策に対する質問は少なかった。
海外投資家の多くは、日本がヘリコプター・マネーや永久債の発行を行うことを期待している。バーナンキ元米連邦準備理事会(FRB)議長が来日したのも、日本政府がバーナンキ氏からヘリコプター・マネーに関する教えを受けるためだと考えている人は比較的多い。
補正予算に関しても、「なぜ真水で10兆円や20兆円にならないのか」という質問が多かった。筆者が「そうは言っても、日本の財政赤字はすでに国内総生産(GDP)の200%を超えているから、財政支出拡大はそれほど期待できない」と指摘すると、「なぜ政府債務残高の規模を今さら気にするのか。GDP対比200%まで膨らんでも何も起きないのだから、2020年までのプライマリー・バランス黒字化など気にする必要はないのではないか」という意見が非常に多く聞かれた。
こうした論調の背景には、日銀が保有する国債をすべてゼロクーポンの永久債に換えれば、政府は将来国債を償還する必要がなくなるため、増税の不安を減らした国民が消費を増やすのではないかというロジックがある。
これに対して筆者は「日銀が保有する380兆円の国債を、紙くず同然のゼロクーポンの永久債と換えてしまったら、その見合いで日銀のバランスシートの負債側にある銀行券と当座預金も紙くずと同じになる。つまり、国民が所有する紙幣と、預金の一部が紙くずになる」と指摘した。だが「そうでもしないとインフレにならないのではないか」との反論は多かった。
概して、海外投資家の中には、どんな犠牲を払っても、2%のインフレターゲット達成のためには何でもやるべきだと考えている向きが多いように思えた。それは、実は他の国々でも低インフレが問題となっており、その対処策としての実験を日本にやってほしいと思っているからではないか。実際、「日本は実験場なのだから」との発言も複数回聞いた。
言うまでもなく、2%のインフレは、日本経済活性化のための中間目標であり、最終目標ではない。2%のインフレは達成しなくても、日本経済を活性化すればそれで良いし、2%のインフレを達成しても日本経済が活性化しないのであれば何の意味もない。
マーケットの声に耳を傾け過ぎたアベノミクス・量的質的緩和政策は今、岐路に立たされている。補正予算の規模が小さいとマーケットが言うから、支出規模をいたずらに大きく見せようとするのではなく、日本経済が活性化するために何をしなければいけないかを真剣に考えるときだろう。
補正予算に関して言えば、足元のマーケットに短期的なインパクトを与えることよりも、支出は少額でも将来の日本経済活性化のために役立つ使い方を考えるべきである。
*佐々木融氏は、JPモルガン・チェース銀行の市場調査本部長で、マネジング・ディレクター。1992年上智大学卒業後、日本銀行入行。調査統計局、国際局為替課、ニューヨーク事務所などを経て、2003年4月にJPモルガン・チェース銀行に入行。著書に「インフレで私たちの収入は本当に増えるのか?」「弱い日本の強い円」など。
http://jp.reuters.com/article/column-forexforum-tohru-sasaki-idJPKCN10B0HZ?sp=true
ドル下値リスク、米利上げサイクルの持続可能性確認=今週の外為市場
[東京 1日 ロイター] - 日米の金融政策イベントを経た為替市場では、米雇用統計で労働市場の現状を確認し、年内実施も含む「利上げサイクル」の持続可能性を見極める流れとなりそうだ。
雇用統計やその他の指標が弱ければこのサイクルが崩壊するシナリオも想起され、ドルの下値リスクが意識されそうだ。
予想レンジはドル/円が100.50─103.00円、ユーロ/ドルが1.1000─1.1250ドル。
30日に発表された第2・四半期国内総生産(GDP)速報値は予想を大幅に下回る前期比年率1.2%増となった。年内米利上げの観測が後退したことで、米10年国債利回りは1.450%まで低下し2週間半ぶり低水準となった。
外部環境では原油価格の動向も注目される。原油価格がドル建てであるためドル/円とは負の相関関係があったが、世界経済の減速で昨年半ばから今年2月に原油が底を打つまでは正の相関となっていた。
その後6月初旬までの原油の反発過程で、両者は再び逆相関に戻っていたが、足元では原油安が再開し、ドル安も進んでいる。今後は「ドル安、原油安の流れが定着する」と三井住友銀行のチーフストラテジスト、宇野大介氏はみている。
<米利上げサイクルの持続可能性>
米連邦準備理事会(FRB)は昨年12月の利上げ以来「利上げサイクルに入った」ことをけん伝してきたが、追加利上げはなく事実上立ち往生している。
26―27日の米連邦公開市場委員会(FOMC)声明は、雇用市場の指標は「労働力の活用がここ数カ月間でいくらか進んだ」とし、雇用創出力がまだ十分ではないことを示唆した。
FOMC後の市場ではユーロが買われ、一時1.1121ドルと2週間ぶり高値を付けた。
7月雇用統計で非農業部門雇用者数の伸びは18万人程度の予想。5月の集計上の歪みの反動で6月は28万7000人増と昨年10月以来の大幅増となり、ドル高に弾みがついた。
ただ、雇用統計は労働市場を映す唯一の鏡ではない。
翌営業日発表の労働市場情勢指数(LMCI)は6月に1.9ポイント低下、1―6月の低下幅は累積で16.2ポイントで、昨年6―12月の14.2ポイント上昇から様変わりした。
米労働省が発表する求人・労働移動調査(JOLTS)は、12日を含む週のみが対象となる雇用統計と異なり、当該月の月末まで入る。
直近5月の雇用創出は503万6000人と4月から4万9000人減少した。実際の雇用創出は3カ月連続で減少しており、グレート・リセッション時の2009年1―3月以来の長さとなる。
市場では「米雇用創出は2月にピークをつけ、景気のピークアウトも疑われる」(在米アナリスト)との声も聞かれる。
(為替マーケットチーム)
http://jp.reuters.com/article/forex-this-week-idJPKCN10B111
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