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政治資金流用疑惑で辞職した舛添都知事(「ロイター/アフロ」より)
所得2695万円の舛添前知事、年収は3千万以上?誤解だらけの所得と年収の違い
http://biz-journal.jp/2016/07/post_16030.html
2016.07.26 文=金子智朗/公認会計士、ブライトワイズコンサルティング代表 Business Journal
政治資金流用疑惑など一連の問題で辞職した、舛添要一・前東京都知事の2015年の所得が7月4日、公開された。それによると、給与所得が約2695万円、不動産所得が約360万円、配当所得が20万円で、総額約3075万円だった。ここでは「所得」という言葉が使われている。これは、「年収」とは違うのはご存じだろうか。
■年収は総額、所得は差額
所得も年収も税務上の用語である。年収は1年間に得た総額である。企業でいえば売上高に相当する。これから、いわゆる必要経費を引いたものが所得である。年収は総額で、所得は差額である。
所得というと、所得税からの連想で個人にかかわることのように思われるかもしれないが、そうではない。個人・法人の区別なく、税務上の差額概念を所得という。
一般的には、税務上のプラスの総額を「益金(えききん)」といい、マイナスの総額を「損金(そんきん)」という。そして、その差額を所得という。税金は、所得に税率を掛けて計算される。これは個人、法人問わず同じである。企業の場合についてざっくりいえば、売上高が益金であり、費用の総額が損金である。そして利益が所得に相当する。
ならば、わざわざ所得ではなく「利益」と呼んでもよさそうなものであるが、実は売上高と益金、費用と損金は必ずしも一致しない。特に、費用については損金として認められないものが多数ある。
少々乱暴な言い方をすれば、損金として認められる範囲にいろいろと制限を掛けているのが税法だと思っていい。その結果、会社が計算した利益よりも所得のほうが大体多くなる。税金は所得に税率をかけて計算するので、これでお上はガッツリ税金という名の年貢を徴収できる仕組みになっているのである。
■給与所得は年収から“みなし必要経費”が引かれる
個人の場合、益金に相当するのが年収だ。損金は、個人事業主であれば企業と同様に必要経費を損金にする。では、サラリーマンに代表される給与所得者の損金はどうするのか。
実は、給与所得者であっても必要経費を申告することはできるが、あまり一般的ではない。必要経費を申告できないとなると、個人事業主と比べてあまりにもバランスを欠く。そこで、給与所得者の場合は、ある計算式に従って年収に応じた“みなし必要経費”を控除することになっている。この年収から控除するみなし必要経費のことを「給与所得控除」という。
たとえば年収500万円の場合、給与所得控除額(=みなし必要経費)は154なので、所得は346万円になる。これから生命保険や医療費、住宅ローンなどにかかる経費(損金)が控除されて最終的な所得(=課税対象額)になる。
あるクレジットカードの申込書に所得を書かせるものがあった。それを見て、私はずいぶんと悩んだことがある。ここまでの話でわかるように、所得は計算しないと簡単にはわからないからだ。クレジットカード会社はそんな情報を本当に欲しいのだろうか。おそらく、そのクレジットカード会社が本当に知りたかったことは年収のはずだ。実際、私の知る限り、他のクレジットカード会社で所得を聞かれたことはない。聞かれるのは決まって年収だ。
クレジットカード会社は金融業だ。そのような会社が年収と所得を混同しているのは嘆かわしいが、世の中、それほどまでにいい加減な言葉遣いがされているということだ。
なお、今回の報道は所得で正しい。公表された舛添氏の給与所得2695万円から逆算すると、給与所得控除額は245万円であるので、給与所得控除前の額は2940万円となる。不動産所得と配当所得に要した必要経費がわからないのでそれを無視すれば、舛添氏の年収は最低でも2940万円+360万円+20万円=3320万円だったことになる。
(文=金子智朗/公認会計士、ブライトワイズコンサルティング代表)
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