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大富豪、国税、カネ守りが死闘!“税金逃れの主戦場”を生き抜く「本物の金持ち」 清武英利、シンガポール・ルポの舞台裏
http://www.asyura2.com/16/hasan111/msg/233.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 7 月 23 日 09:55:30: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

大富豪、国税、カネ守りが死闘!“税金逃れの主戦場”を生き抜く「本物の金持ち」 清武英利、シンガポール・ルポの舞台裏
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49210
2016年07月23日(土) 清武英利 現代ビジネス


文/清武英利(ノンフィクション作家)

■取材には時間がかかりますよ

富裕層はなぜ、資産を抱えて祖国を出るのか。タックスヘイブンの国に、誰からどのように誘われたのか。息苦しい日本だったのか。異国で何を幸せとするのか。誰と生き、どこで死ぬのか。

そんなことを聞きに、2年半前、大金持ちの移住者で沸くシンガポールに渡った。旅の初め、いつものように、特ダネの神様に祈った。「本当のことを言ってくれる人を見つけ出せますように」。

先達の鎌田慧氏は『ルポルタージュの書き方』(明治書院)で、こう書いている。

〈ルポルタージュの旅とは、真実を語ってくれる人を探しだす旅であり、自己発見と自己変革の旅である〉

幸い、新聞記者時代の2000年にも、私はシンガポールを取材していた。英語は話せなくても、私には当地の古い友人たちが付いており、今では約3万7千人の日本人が住む“ムラ”がある。

ルポルタージュの手法の一つに、定点観測という描き方がある。その日本人ムラの真ん中に腰を据え、ひたすら話を聞いて全体を描こう。車酔いではないけれど、人酔いするくらいに、朝から晩まで次々に人に会っていれば、本当のことを話してくれる人に出会うことができるはずだ、と思っていた―と、ここまで書けば、読者はもうお分かりだろうが、取材を始めるとき、私はいつも楽天的なのである。そしていつものように、取材を始めてすぐ、ムラの住人に甘さを警告された。

「取材にはとても時間がかかりますよ」

■存在を消す富裕層たち

シンガポールで教えてくれたのは、外資系に勤めるプライベートバンカーである。

「本物の富裕層にも簡単に会えません。ここは戦場みたいなところです。あなたは日本の税務調査官がこの地に潜伏しているのをご存じないでしょう。忍者の『草』のように当地に同化して探っているのです。そんなところで、富裕層がひょいと顔を出したら調査官に撃たれてしまいますよ」

別のプライベートバンクの関係者は、「資産家が表に出てこないのは、日本の税務署に目をつけられるのが嫌だからです」とはっきり言った。彼女の説明はわかりやすかった。

「半端なく苦労して貯めた人にとって、おカネは税務署に取られるか守るか、という感覚なんです。それにクリーンなカネでない人もいるのでしょう。私の知っている人は、日本を出る前も来てからも、『国税がここまで追いかけて来ている』って言ってるもの」

なるほど、日本から5000キロも離れたこの国が、税金の戦場になっているのか。

「資産家の中にはね、日本の会社を後継者に譲ってきたと言いながら、実際はこっちで指示を出してる人もいます。会長でも役員でもないのにね。登記上、表に出ないけどテレビ会議で経営判断したり、Skypeで指示したり、こっちに幹部を来させるとかね。

国税庁は意地になって税金を取ろうとしていますから、日本に一時帰国したときは、毎日ホテルを変えて(足取りをつかまれないようにして)いる資産家もいるそうです。でも、これから十年も経ったら、日本から富裕層が脱出しちゃって、中間層以下しか残らない国になっているんじゃないですか」

再びなるほどと思いながら帰国し、考え込んだ。さて、この旅で身を切るような真実を語ってくれた人がどれだけいたか。

2度目の旅では友人たちに甘えないように、一人でムラを歩いた。すると、次々に証言者が現れた。あれは特ダネの神様が同情して降りてきてくれたのだろう。

シンガポール銀行(BOS)で、日本人の辣腕バンカーが富裕層から詐欺を働いて逮捕されたこと。日本人の被害者が殺されかけたと訴えているのに、それが封印されていたこと。課税逃れのために当地へ移住し、「退屈で死にそうだ」と漏らす日本人富裕層が少なからずいること。その資金を守るプライベートバンクで、百億円の生命保険も販売していること。バンカーや富裕層は当然のようにタックスヘイブンの国にペーパーカンパニーを持っていること―。

聞き歩きをしているうちに証言は膨大な量になりすぎて、何が何だかわからなくなった。何しろ取材時間だけで50時間を超える関係者もいるのだ。

メモに埋もれて溜息をつく姿にあきれたのだろう、妻は証言メモの束に細かい索引を作り、編集者とともに叱咤した。よろめきながら新著『プライベートバンカー カネ守りと新富裕層』を脱稿して、執筆の神様の方はなぜ早く助けに来てくれなかったのかと訝しんでいる。

 

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コメント
 
1. てんさい(い)[536] gsSC8YKzgqKBaYKigWo 2016年7月23日 18:00:05 : 0kUGInjLpY : VLecBnM2280[200]
プライベートバンカー カネ守りと新富裕層
https://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4062201992/asyuracom-22

内容紹介

大金持ちをタックスヘイブンの国に誘う「カネの傭兵」。それがプライベートバンカーだ。
野村證券のトップセールスマンからプライベートバンカーに転じた主人公が見たのは、本物の大金持ちの世界だった。
シンガポールに移住し、ただ時間が過ぎるのを待つ元大手メーカー会長、若くして300億円を手にしたIT業界の寵児、伝説の相場師、そして脱税を見逃すまいと潜伏する国税庁の美人調査官。
やがて、バンカーの周囲では、カネを巡る詐欺と殺人未遂事件まで発生する。
バンカーが実名で明かす衝撃のノンフィクション!


トップカスタマーレビュー

面白い。時宜に適した本です。
K.nakano 投稿日 2016/7/15
この書物は題名を見ただけで怖気がふるう。僕とは正反対の人びとの物語です。何年か前にベストセラーになった「清貧の思想」という本があったが、それと真逆の超新人類の物語である。即ちmammonism(拝金主義)の実態が綿密な取材で描かれています。武士はくわねど高楊枝を気取る、年金生活者のちっぽけな片意地など、ふっとばされてしまいます。若い金持ちになりたい人は、多いに読むべき本です。しかし、この一か八かの人生は決してすすめられるものではありません。僕のように人生の終末期を自覚する人間でさえ、ドキドキする本です。その意味では、絶対退屈しません。(ただし、この本の中で描かれる資産を手に入れた連中は退屈しています)その辺は読んで見なければ、分かりません。本体1600円はちょっと値が張りますが値段がとはある。
まあ僕のような貧乏人が、読んでも面白いのだから、野心に満ちた若い人は面白くない筈がない。

プライベートバンカーもピンキリということですね。
望都 VINE メンバー 投稿日 2016/7/18

熱い本である。人々の熱気とシンガポール(私も出張で数十回渡航し、ここに出てくる所はほぼ訪れました)独特の暑気が塗り込められた迫力ある一書。『しんがり』もそうでしたが、登場人物たちの性格や内面を的確に描写しあぶり出す著者の筆力には脱帽。本書も一気読みでした。上昇と転落、活躍と隠棲など、彼ら彼女らの様々に対比的な生き様からは、様々な節税スキームの解説部分とも相俟って、いろいろなことを考えさせられました。(私も以前、国外送金等調書提出制度(コクソウキン、173〜4頁参照)の質問文書が税務署から送られてきたことがありましたが(もちろん適法な事案です)、その漏れの無さには感心した記憶があります。)

「非相続人(親)と相続人(子)がともに五年を超えて日本の非居住者であるときは、日本国内の財産にしか課税されないのだ」(15頁、同旨123頁)。
「人の人生(の価値)は、葬式に来た人数で決まる」「どれだけ人から慕われるか、それが人生で一番必要なことだぞ」「そんなん言ったってなあ、お兄ちゃん。人生はケセラセラやもんな」(46〜7頁、本書の主人公の父母の言葉)
「二人は野村での記憶があまりに強烈だったためか、会社を離れた後も野村を基準とした考え方を捨てきれないのだった。それを「野村コンプレックス」と杉山は呼んでいる」(49頁)。


「その三ヵ月の間に、銀行側は金融資産を引き出されないよう、顧客のもとに後任のバンカーを派遣し、後任に引き継がせてしまうのだ」(63頁)。
「一流ホテルのラウンジにはプロの女性もいる。・・・ シンガポールは清潔なイメージですが、探せばエキサイティングなところは結構あります」(125頁)。

それにしても、金持ち連中が国外で身を潜めて退屈で死にそうとは、物神崇拝もここに極まれりという気がします。何はともあれ、政府はまず、こうした超富裕層への徴税強化に是非とも取り組んで頂きたいですね。

国税と富裕層の税をめぐる攻防
直直太郎 投稿日 2016/7/17

週刊現代に著者が連載していた「国税は見ていた」をベースに、大幅に加筆が加えられて出版されたものです。国税と富裕層の税をめぐる攻防、プライベートバンク、又それを取り巻くバンカーの生態などがノンフィクションで進みます。雑誌の連載を読んで興味があった方や、海外を舞台にした税の攻防に興味がある方は読んで損は無いと思いました。


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