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かつての勢いが薄れてきています(撮影:梅谷 秀司)
中国人の「爆買い」が急速に縮んでいる理由 訪日客の目的は「買い物から体験へ」
http://toyokeizai.net/articles/-/126719
2016年07月17日 東洋経済
2016年の訪日外国人が6月に1000万人を超えました。1000万人突破は4年連続で、2015年よりも1カ月以上早い過去最速のペースです。このスピード感で伸び続ければ、昨年の年間1970万人を超え、2000万人の大台に乗ることも十分あり得るでしょう。
一方で、イギリスのEU離脱に伴う世界経済の下振れリスク、それに伴う円高の進行という訪日外国人の減少を示唆する要因があるのも事実です。
■観光客数をさらに増やすためにはリピーター客を狙え!
2015年の訪日観光客のうち、中国、韓国、台湾、タイなど東アジアの占める割合は72%に達します。中でも今後、とくに伸びしろが大きいのは「中国人のリピーター客とタイ人」と私は考えています。
たとえば、昨年訪れた中国人訪日観光客の63%が日本に初めて来た人たちです。一方、台湾や香港だと、初めて日本に訪れた旅行者は2割程度。ほとんどが2回以上のリピーターです。つまり、中国からのリピーター客を増やせば、まだまだ観光客の総数が伸びる可能性が高いことを示しています。
また、先日バンコクに行きましたが、タイ人の日本への意識が急激に高まっていることを感じました。タイ人の生活の中に"日本料理"が浸透していたからです。約2500店舗以上の日本食レストランがあり、一度は日本に行ってみたいと考えるタイ人がとても多いという話をしばしば耳にしました。今年4月の訪日タイ人観光客は13万1000人(前年同月比11.1%増)で、単月として過去最高を記録したことからも、タイ人の伸びしろが大きいことがうかがい知れます。
今後、タイだけでなくシンガポールを含むアセアンからの訪日外国人は着実に増えると私は予想します。しかし、この訪日観光客を受け入れていく努力を日本側がしなければ、観光客は他の国に流れていくでしょう。中国人リピーター客を増やすために知っておくべきなのは、彼らの訪日目的、そして訪日した際の行動が以前とは大きく変化しているということです。
ここ最近、全国の百貨店で免税品の売り上げが低迷し始めました。日本百貨店協会によると全国の百貨店の4月の免税品売上高は前年同月比9.3%減。2013年以来、約3年3カ月ぶりに前年実績を下回りました。すなわち、中国人観光客の「爆買い」が急速に縮んだのです。
このトレンドは、拙著『10年後も中国人に爆売りする方法』で警鐘を鳴らした「2017年に爆買いバブルが終わる」という予想より早く進んでいます。
爆買いが失速した原因としては、以下の3つが挙げられると私は考えています。
@ 習近平中国共産党政権による公務員の贅沢禁止令の徹底と浸透
A 越境ECなど中国国内での購入チャネルの増加
B 訪日観光の目的の変化
とりわけここで注目したいのは@とBです。
先日、爆買いを牽引した地方を含めた公務員やその家族の高級品の購買に対する自粛が密告などによる相互監視により、隅々まで浸透しているという話を中国政府高官から聞きました。
「高価な時計やカメラ、ブランド品のバッグや服などは絶対に身に着けず、おカネを持っていることを極力見せないようにしている。また、中国の地方政府の高官が日本に公務で訪問する場合、泊まるホテル、レストランを事前申請して訪日をするようになり、それ以前とは比較できないくらい質素になった」と彼は嘆いていました。
Bに関していうと、中国人観光客の訪日目的は買い物ではなく、食や文化、教育や医療に変わってきています。特に、個人旅行者やリピーター客はこの考えが顕著です。爆買いという言葉を聞くと「モノ」をイメージする人が多いですが、いま中国人観光客は「体験」を求め、日本にやってきているのです。
では、「体験」を求める中国人観光客数をどうしたら増やせるのか?
その最も効果的な方法は「SNSによる感動の拡散」だと私は考えます。
■「SNSによる感動の拡散」が訪日中国人を増やすカギ
中国では、スマホは情報を収集するだけでなく、むしろ情報発信でよく使っています。彼らは、自分の経験したことを「自慢したい」「多くの人に知ってもらいたい」という欲求が強い。だから1秒でも早く、一つでも多くSNSにアップしようとします。そして中国人は、マスコミからの情報よりもSNSの口コミに対して非常に興味を持ち、有名なブロガーや自分の友人や親類からの情報に高い信頼を置いています。
中国人観光客がSNSで発信する動機の大きな一つとして「感動」があります。旅に出ると、多くの人が「まだ見たことのないものを"見てみたい"」「食べたことのないものを"食べたい"」「したことのないことを"経験したい"」と考えます。
人には好奇心があり、見たことのないものや、これまで経験したことがない、未知(あるいは未体験)のモノやコトに強く惹かれるのです。これは日本人も中国人も共通です。したがって、自分たちが扱う商品や飲食、サービスの提供に関して、訪日中国人旅行者がこれまで体験したことのない「初体験」となるように紹介することが必須です。
こうしたことを考えると、私たちが中国人観光客に向けてするべきことが見えてきます。すなわち、中国人に対して単に料理の写真の出ているメニューを見せたり、料理名を翻訳したりするだけではなく、自分たちの商品や提供するメニューのどこが旅行者にとって「初体験」となるかをしっかり考えて、アピールし、伝えることが重要なのです。
日本人は商品やサービスの価値を日本人に伝えることには長けています。しかし、中国人観光客に伝えることに慣れていないと感じます。それは今までは仕方のないことでした。 中国人旅行者が急激に増えたのはここ数年だからです。しかし、今後はそういうわけにもいきません。質の高い商品やサービスの良さをできるだけ中国人の価値に合わせて伝えることが必要なのです。
近江商人の心得として有名な「三方よしの精神」をご存じでしょうか。「売り手よし」「買い手よし」「世間よし」の3つの「よし」があって初めて「いい商売」といえる。この精神を取り戻さなければなりません。相手が何を考え、何を求め、何に感動するのか。その答えはいくらでもあります。国家レベルで本質的なインバウンド戦略を講じることが急務といえます。
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