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雑感。日銀の06年議事録
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52824294.html
2016年07月17日 在野のアナリスト
トルコのクーデターで、為替市場は夢から醒めたように、円安傾向に歯止めがかかりました。楽観が現実に引き戻された形ですが、先週末、株式市場はLINEの日米同時上場に沸きました。しかしLINEも認めているように、最早無料通話の市場は成熟してきており、新たな市場の開拓は難しい。新サービスなどにより顧客を集める、といったパイの奪い合いを演じなければならない。これまでのNTTや郵政などのように、上場後にどれだけ上昇するか、それはこれからです。
一方で、任天堂がポケモンGOで活況です。これまでのバーチャルリアリティ(VR)の技術がどこか方向違いに感じるのは、ヘッドセットと呼ばれるもので視覚を覆い、没入感を楽しむといったものです。しかしそのまま動き回れば部屋の中のものを壊す可能性もあり、ケガをすることも考えられる。しかしポケモンGOのように、現実世界との融合でVRを愉しめるなら、使用者のリスクは小さいですし、すべての3Dを作りこまなくてもいいので開発費も抑えられる。ただ、町に出かけてポケモンをさがすと、犯罪を発見しやすくもなりますし、犯罪に巻きこまれる可能性も高くなる。どこで線引きするか、規制が今のところない点が課題なのでしょう。その規制が業界に広がったとき、どこまで業績を伸ばせるか、がカギです。
日銀が06年、量的緩和解除前の金融政策決定会合の議事録を公表しました。物価が3ヶ月連続で上回り、条件がととのった、として解除に踏み切っていますが、同時に物価の目安を0〜2%と定めることで金利の急上昇を抑える、といった工夫をしたことが窺えます。しかし現在、当時は60数兆円だった日銀の国債保有残高、現在は400兆円を越えてきた。しかもまだ2%の物価目標すら達していません。そもそも、もし物価が2%前後なら長期金利が2%であっても決して不思議ではない。今、-0.3%という長期金利が、日銀が緩和を停止するのと同時に急上昇することは想像に難くありません。これは、現在の緩和ペースを減速させるだけでも同様の流れを生じます。量的緩和解除の当時は、金利がゼロでも勿論、ゼロ金利にはなっていなかったので、物価の上昇率を0〜2%に固定する、と宣言することで市場に上昇期待が生じることを防ぎましたが、今はちょっとしたキッカケでも上昇しやすい地合いが生まれています。
そんな中で、日本ではヘリコプターマネーの導入が噂されていますが、ヘリマネでも金利が上昇する恐れがあります。市場に出回らない国債がある、隠れ借金がある、とは市場がもっとも敬遠すること。特にヘリマネの場合、それを一旦国庫に入れる意味がないので、景気対策なり、一般会計の予算としてすぐに計上されます。つまり隠れ借金なのに、その額がバレバレ。逆に、余計なことをして調達した資金の総額を隠すと、余計に市場に疑心暗鬼を生みます。ヘリマネは、それで経済が上向くことが確信できるとき以外、絶対につかってはいけない手だといえます。
しかも、日本でヘリマネ期待が高いのは、安倍政権、黒田日銀がサプライズ狙いをしてきたから。やらない、と宣言しても、期待値が高まってしまいがちです。しかし月末の日銀会合でヘリマネをやらないとなったら、市場は急落する可能性が高い。実際にやったらやったで、国債市場に与える動揺も大きいでしょうし、やらないならやらないで株式市場に与える動揺も大きい。量的緩和の解除のときも、日銀は相当に苦労した様子がうかがえますが、マイナス金利つき質的・量的緩和の解除には、常人では検討もつかないような様々な工夫をしない限り、金利急騰といった負の作用を引き起こしかねなくなるのです。
今の日本は、まさにVR、仮想現実のような金余りの環境にあります。個人にはまったく恩恵がないので感じ難いですが、現実にはすでに国債の8割がマイナス、という異常事態に陥っている。しかも金利がマイナスのため、国内では運用先がなく、資金が逃避して行く方向です。それでも金利差の縮小や、日銀の限界によって為替は円高方向になっていく。トルコのクーデターで楽観に傾きすぎていた市場が、冷静さを取り戻すのかどうか。そうではなく、さらにまた二度寝のように夢をみだすのなら、その仮想の世界から現実にもどってきたとき、あまりの酷さに落胆する場面が出てきても、仕方ないとなるのかもしれませんね。
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