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日銀のマイナス金利導入で金投資に興味を抱く個人も増えてきた(撮影:尾形文繁)
金価格上昇、なのに金ETFは買いじゃないの?
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160715-00127467-shikiho-bus_all
会社四季報オンライン 7月15日(金)19時31分配信
今年に入ってから、国内外の金市場が活況だ。原油価格の底打ち、回復とともに、資源に対する投資妙味が高まり、昨年まで下落の一途をたどっていた金市場にも、投資マネーが戻ってきた。
ニューヨークの金価格は昨年末、1トロイオンス=1060ドルだったのに対し、今月7日には1362ドルまで上昇した。この間の上昇率は28.5%に達している。金投資に食指が動いている投資家もいるだろう。
個人が金に投資する場合には(1)現物取引、(2)先物取引、(3)ETF、のいずれかで行うのが一般的だ。このうち、現物取引は金の保管先に困るし、なによりも取引コストが高い。先物取引は少額の証拠金で売買できる点が魅力だが、レバレッジの高さがリスクにつながるし、先物取引には「限月」という、いわば取引満了日が決められているので、それまでに反対売買で損益を確定させなければならない。つまり長期保有ができない。
できることなら、現物取引と同等のリスク・リターン特性でもいいので、限月がなく長期保有が可能であり、保管方法にも困らない投資法で臨みたい。それに対応できるのが金ETFというわけだ。
東証には現在、複数の金ETFが上場している。このうち、世界的に最もメジャーなのが、米国のニューヨーク証券取引所やメキシコ証券取引所、シンガポール証券取引所にも上場し、世界最大の規模を持った金ETFである「SPDRゴールド・シェア受益証券」 <1326> だ。
1口あたりの取引価格は、6月末時点で1万2900円。売買単位は1口なので、少額資金でも売買できる。ETFの取引は現物株式のそれに準じるため、信用取引口座で売買すれば、最大3倍程度のレバレッジも掛けられるし、売りから入ることもできる。
しかも、取引コストが安い。信託報酬率は年0.4%。ETFとしてはやや高めだが、非上場の投資信託に比べれば圧倒的に安く、売買にかかる委託手数料も、インターネット証券を通じて売買すれば格安だ。そして、価格形成は基本的に海外の金価格に連動する。
■ 原資産上昇なのにあれれ…
個人投資家にも、こうした商品性から金ETFに注目している人が多いと思うが、いくつか注意点がある。
まず、金との交換について。SPDRゴールド・シェア受益証券は直接、金に投資するものであり、ファンドを通じて購入した金は、カストディアンであるHSBC銀行USAが保管している。ちなみに同ファンドの金保有高は、6月14日現在で898.67トンにも達している。
米国内であれば、所定の手続きを経て金現物との交換が可能だが、東京証券取引所に上場されているSPDRゴールド・シェア受益証券の場合には交換できない。もし、金現物との交換が可能な金ETFを望むのであれば、同じく東京証券取引所に上場している「純金上場信託 <現物国内保管型> 」 (1540)を選んだほうがいい。
だが、金価格上昇に伴う売買益の確保を前提にして投資するならば、SPDRゴールド・シェア受益証券でも特に問題ないし、ファンドの継続性を重視するなら、世界中の投資家から資金を集めているSPDRゴールド・シェア受益証券のほうが圧倒的に有利だ。
もうひとつの注意点は、価格形成にある。下のグラフは、東証に上場されているSPDRゴールド・シェア受益証券の取引価格とニューヨークの金価格、ドル・円相場の推移を示したもの。2014年5月末の水準を100として指数化した。
おおむね、似たような値動きをしているが、ところどころ異なる値動きをしている局面があることに気づくと思う。
たとえば、16年3月から4月にかけて、ニューヨーク金価格は上昇したが、SPDRゴールド・シェア受益証券の取引価格は逆に下落した。「ETFなのに、どうして原資産の価格に連動しないのか」との疑問が浮かぶかも知れないが、これは為替の影響があるからだ。
SPDRゴールド・シェア受益証券は金を原資産にしており、その金はドル建てが基本だ。これに対して、東証に上場されているSPDRゴールド・シェア受益証券は、円換算した取引価格なのでどうしても為替レートの影響が及ぶことになる。上記の期間中、ニューヨーク金が値上がりしてもSPDRゴールド・シェア受益証券の取引価格が値下がりしたのは、為替がドル安に振れたからだ。
■ ドルと金の値動きは逆相関
為替レートの影響を大いに受けるとなると、これから金価格が上昇することを前提に、SPDRゴールド・シェア受益証券を始めとする金ETFを仕込むのは、果たしてどうなのか、と考えてしまうだろう。なぜなら、ドル建て金価格とドルの値動きは、基本的に逆相関だからだ。
ドル建て金価格が上昇すればドル安が進む。そうなると、東証に上場されているSPDRゴールド・シェア受益証券の取引価格は、たとえドル建ての金価格が上昇したとしても、円高の影響を受けて、ドル建て金価格ほどには上昇しない、ということになる。
なんとも悩ましい話だが、ドル建て金価格が大きく上昇する局面で、金ETFの投資効果を最大限に享受するには、少なくとも円高にならないことが条件になる。日本の通貨当局が、これからも円安政策を維持できるのかどうか。金ETFの投資でリターンを得るには、今後の金融政策こそが最大のポイントになる。
すずき・まさみつ●岡三証券の支店営業、公社債新聞社の記者などを経て独立。JOynt代表を務める。金融ジャーナリストとして雑誌、書籍の執筆など多数。
※当記事は、証券投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。
鈴木 雅光
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